不定期刊行               8  2002.4.30

  中信高校山岳部かわらばん   編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

タクラマカンの砂

ゴールデンウィーク前半、私は、上高地から岳沢へ入り、雪上訓練をし、奥明神沢から前穂へと行ってきました。3日間好天に恵まれ残雪期の山を満喫してきました。連休中だというのに、山は静かで、前穂の山頂には他のパーティはいませんでした。稜線上の雪はかなり少なく岩の露出も多かったように思いますが、岳沢あたりの雪の量は例年並でした。ところが、今年の雪は黄砂の影響でしょうか?山全体に積もった雪は全体に黄色っぽく見えました。今年の春先の黄砂はすごかったですが、まさに雪と一緒にこの黄砂が山にも降り積もったわけです。この黄砂、一説によれば、最近は中央アジアのタクラマカン砂漠からも飛んできているとか。

一昨年の「カシタシ(セリッククラムムスターグ)」遠征の時にはタクラマカンから飛んでくるこの黄砂ならぬ粉砂に悩まされました。というのも、砂漠が熱せられて上昇気流が発生すると砂塵が空に舞いあげられます。それが風に運ばれて砂嵐となり、崑崙山脈を覆うとその細かい砂粒が核になり、翌日は悪天、砂交じりの雪が降り、僕らの行く手を遮ったのです。そして、結局登頂を阻まれてしまったのです。とにかくあの時の雪が解けると真っ黒い水になったのを思い出します。

その黄砂が偏西風に運ばれて、大陸を越え、海を渡ってはるばるやって来ているということに驚きを禁じえません。その同じ砂に崑崙の雪山と日本の雪山で遭遇したというわけです。そう考えると、いつもの年より黄色い雪を抱いた槍穂高の峰々が、何だか親しみを感じる存在に思えてきました。

中信以外の専門委員を紹介します

前号で中信地区の専門委員を紹介しました。かわらばんは私のアンテナの範囲でということと、中信地区の高校年報の速報版という性格をもたせたいという意味であえて「中信高校」とうたってあるのですが、つかめれば全県の情報も流したいし、全県の高校登山関係者にもわかる範囲で送っています。

というわけで、中信以外の地区の高体連登山専門部の専門委員をお知らせいたします。私が県の委員長をやらせていただいていたころとは、だいぶメンバーがかわりました。専門委員を多くの先生で回していくというのはとてもいいことだと思います。なお、全県の専門委員長は今年より加藤順先生(岩村田)に替わり、諏訪実業の竹内佳一先生が務めて下さることになりました。加藤さん2年間お疲れさまでした。そして竹内さん今後頑張ってください。その他、北信でも委員長の交代があり、矢嶋さんから星野さんへとバトンタッチされました。

とはいえ、登山の場合は専門委員以外にも大勢の先生方のご協力で大会が成り立っています。今年は大会の会場が北信の黒姫山ということで、北信の先生方には専門委員であると否とを問わず、昨年の秋の下見の時よりお世話になっています。

北信 委員長 星野郁雄(屋代)

  委 員 福島伸一(須坂園芸) 若狭信次(長野工業) 矢嶋勝美(長野南)

東信 委員長 加藤 順(岩村田)

  委 員 横沢克彦(野沢北)  西牧岳哉(上田)

南信 委員長 竹内佳一(諏訪実業) 

  委 員 池迫一行(茅野)   村主恭則(岡谷工業) 福澤 桂(伊那弥生)

      高橋 清(飯田長姫) 久根敏(飯田風越)

山岳部、旅費問題、県教委交渉で取り上げられる

懸案の旅費問題について、先日(4月25日)の県教委と高教組との間で行われた要求書提出の交渉の席上でも取り上げられました。しかし、担当者は全くまともな話をせず、私の「山岳部の顧問は金がかかる上に、24時間態勢で生徒を見ている部分についてのフォローがないのでは、引き受けてやる者などいなくなってしまう」という指摘に対しては「校務分掌上の問題」などと問題をすり替えて逃げる始末。全く誠意のない対応にあきれました。

今後は旅費の問題とは切り離して、特殊な引率の業務であるということをなんとかわからせて、「危険手当」の新設や特殊業務手当の増額をしてほしいと大きな声で訴えていかねばならぬということなのでしょうか。いずれにせよ今回が県教委との第1ラウンドですから、今後の交渉にも多くの方が声を上げていってほしいと思います。

この件については、A先生がメールでこんなことを書いてくれましたよ。

職場での炉辺談話、「休日のクラブ指導は、すべて自宅からの出張にして伝票を書こう」指導場所が学校じゃなければ、(たとえ学校の隣の空き地でも)自宅から目的地、終了後直帰とすれば、旅費が出るはず!!。変な話、通勤距離が長いほど請求額が大きくなる????(やろう!やろう!みんなでやろう!!)

 これをみんなで実行したら、実質的に旅費は従前より県の負担は増える???たとえば小生の場合、放課後山岳部の生徒が運動公園のクライミングボードで練習をし、手続き後付き合ってその後帰宅した場合で考えよう。従来では、在勤地内であり、例え届けても手当の対象となりにくかった。しかし今度は、学校からセンター往復してから運動公園、そして運動公園から自宅直帰、この場合旅費規程を杓子定規に理解すると、通勤距離の片道以上の距離の旅費の請求が可能になる????(ざっと約千円)   こんなのあり?!?!

 ってなわけです。みなさん積極的に旅費を請求してはいかがでしょう。

編集子のひとりごと

間もなく穂高町の有遊ホールで「セリッククラムムスターグ」の写真展の第6弾がはじまります。昨年一昨年2年分の写真を一挙に展示します。お楽しみに。

冒頭にも書いたように北アルプスは稜線の雪こそ少ないものの、沢筋などでは例年並の雪の量だと思います。来週末には山岳総合センターの針ノ木研修会もあります。きっとあの雪の量だと(針ノ木に行ったわけではありませんが)有意義な研修ができると思います。みなさん申込はしましたか?(文責 大西)