不定期刊行             24  2002.8.23

  中信高校山岳部かわらばん   編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

 

中信大会下見速報

  22日火曜日、中信地区の新人戦に向けての専門委員会及びコース下見が行われました。今年の会場は4年ぶりに乗鞍高原。9時にキャンプ場の駐車場に集合したのは専門委員長の小林さん以下、松田さん、浮須さん、桑沢さん、赤羽さん、大西の6人。晴天の中、2班に分かれて山の中を歩き、ルートとポイントをおけそうな地点の確認作業を行いました。僕は桑沢さん、赤羽さんとともに、コース全体の西半分を回りました。4年前にも歩いているはずなのに、人間の記憶なんてのは当てにならないものです。地図にない道もあったりして、意外と時間がかかり回り終わったのは、集合時間の12時をちょっと過ぎていました。ところがもう一方の3人組はまだ駐車場には戻っていませんでした。電話連絡がついて、あと30分くらいで合流できそうだということでしたが、仕事熱心な小林、松田、浮須の3人が何か腑に落ちない顔つきで駐車場に戻ったのは、なんとそれから1時間後の1時15分でした。

  何はともあれ、全員が集まったので国民休暇村まで登って、遅い昼食をとりながら情報を整理して、大会の概要を決定しました。前回のここでの大会は、時間設定がかなり厳しく選手諸君には辛い大会でしたが、今回はその反省にたってコースについてはかなり手直しをしようということになりました。詳細は各校体育科を通じて配られる要項と、10日に行われる第2回目の下見の後に各校宛に送られる第2報を見てください。概略を挙げると、日程は9月20(金)〜21日(土)です。20日は乗鞍高原キャンプ場周辺のオリエンテーリング競技及び交流会。21日は今年一杯でマイカー規制が行われるようになり、従来より登りにくくなる乗鞍への交流登山を計画しています。ふるって参加してください。

  さて、そんな会議を終えて、僕の車で駐車場まで戻る途中、小林、松田、浮須の三人は、とある地点で車を停めてくれと言うことでした。どうしても納得いかない道があるので、もう一度確認するというのです。地図を片手に何やらぶつぶつ言っている3人。どうも地図と道がずれているということでした。それが車で違う方向から来て見たら、別の道が見え、疑問が氷解しそうだとのこと。こちとらはここは歩いていないので、何のことやらわかりません。車から降りて、もう一度その部分だけ歩き直し。結果わかったことは、地図にない新しい道ができていたということ。種明かしをすればそれだけのことなんだけれど、それを知らないばっかりに、彼らはずーっとおかしいおかしいと思いながら、1時間以上も集合時間に遅れ、悩んでいたのでありました。このまま大会当日を迎えていたら、生徒もみんな迷うところでした。

  下見の時には、この手の話はよくあり、私自身もかつて県大会の鉢盛山の下見をした時に、同じような尾根にしっかりだまされて、現在地の同定をしそこない、2日間みっちり下見をする羽目になったことがありました。我々は日ごろ、地図を信じ、そこに先入観や思い込みが入ったりしてこの手の間違いを冒す事がよくあります。まあ、いい勉強になる専門委員会(下見)でした。

各校の夏合宿(池工・志学館・深志)

中信地区の高校の夏合宿(縦走)については、木曽高校と大町高校についてはすでに前号で報告したとおりですが、専門委員会の折、各校の状況を聞きましたので、概略ご報告します。

池田工業は、後立山縦走。大雪渓から白馬に登り、南下し爺ヶ岳まで。

塩尻志学館は、天候の関係で当初の日程(かわらばん19号参照)と多少変わったようです。初日は新穂高から白出の避難小屋まで。翌日は槍平から南岳に登り、中岳と南岳の鞍部に幕営。「槍ヶ岳、槍ヶ岳」と生徒にせがまれて、三日目は槍ヶ岳どまり。天気もあまりよくなかったようですが、翌第四日目も朝10時ごろまで、肩の小屋周辺で粘って天候の回復を待ったそうな。結局この日は、双六どまり。予定では笠を回る予定でしたが、それは割愛して五日目に下山。槍ヶ岳三昧の五日間だったそうです。

かわって3泊4日で南アルプスの北岳から塩見まで縦走した深志。18日、台風13号の接近を気にしながら、入山。初日は戸台から広河原までバスで移動し、そこから白根御池まで。19日は接近する台風の中、熊の平を目指しましたが、結局肩の小屋から先へ行くのは断念。しかし、翌日は台風一過の晴天。北岳、間ノ岳を経て熊ノ平まで左手にはずーっと富士山を見ながら快適な縦走。メンバーのうち余裕のあった二人は西農鳥までのオプションも楽しんで大満足。最終日(四日目)は日程が詰まった分きつくなったものの、塩見を越え三伏から大河原まで。3000mの雲上散歩を楽しんだとのことでした。

以上、専門委員の在籍校の速報でした。

 大町の橋本今史君 5位入賞 クライミング全国大会

 第5回JOCジュニアオリンピックカップ

8月10日から11日にかけて富山県の城端町で行われたスポーツクライミング競技第5回JOCジュニアオリンピックカップにおいて、大町の橋本君が見事五位に入賞しました。この大会は国際基準に合わせ、カテゴリーが決められており、1983年1月1日生まれ以降の人、1085年1月1日生まれ以降の人という分け方をされるため、橋本君は大学生に混じっての出場になりました。その中の5位ですからちょっとただものじゃないわけです。高校生の中なら恐らくメダル(それもかなりいい色の)に届いたであろうと思われます。クライミングをやりたくて大町の山岳部に入った彼。今後の活躍も大いに期待されるところです。彼とてクライミングを専門に始めたのは高校にはいってから。これからはこういう子たちがどんどん増えていってほしいものです。

編集子のひとりごと

台風の通過後、ここ数日涼しい秋の風が吹いています。明日からはまた天気も下り坂。そのあとまた暑い夏が戻ってくるという予報が出ています。乗鞍高原にも秋を告げるそばの白い花が咲いていましたが、都会から来た家族連れがまだ大勢いて、夏休みの最後を楽しんでいました。信州の夏休みはもう終わりです。(大西 記)