不定期刊行             26  2002.9.23

中信高校山岳部かわらばん

編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

中信地区 新人大会終了

20、21の両日、紅葉の一ノ瀬高原、乗鞍岳を舞台に行われた中信地区新人大会は、天候にも恵まれ、よい大会になりました。参加数は男子7校9チーム24人、女子2校3チーム7人。参加校は例年より若干減程度でしたが、人数の上ではかなり減少してしまいました。乗鞍で新人大会を行なうのは今年が2回目です。前回は1999年、大会前日に土砂崩れがあり、安曇村内で道路が通行止めになり、大会を延期したという因縁の場所です。今年は、マイカー規制の行われない最後の年ということで、例年以上の人の入りこみが見込まれる中での開催となりました。そんな中で、2日目の交流登山では乗鞍岳への登山も計画されました。

初日はオリエンテーリング競技が行なわれ、秋真っ盛りの一ノ瀬、鈴蘭高原を舞台に各校選手が地図とコンパスを片手に順位を競いました。一時、池工の生徒の所在がわからなくなるというトラブルがありましたが、競技打ち切り直前の5時少し前に自力でゴールに現れ、事なきを得ました。

夕食後の交流会は、大鍋の豚汁をみんなですすりながら、県ヶ丘の生徒の司会で進み、各校それぞれにその場でパフォーマンスを行ないました。例年よりやや盛り上がりにかけたかなというきらいはありましたが、それでもそれぞれの学校なりに持ち味を活かした出し物が、その場をにぎわしました。

大町の部歌+アルファ(表にするにははばかられる?)、池工の遭難?のいきさつ、南農のスクワット、蟻ヶ崎はサッカー少年のリフティング、深志は救急法と人工呼吸、志学館は元演劇部の発声練習、木曽の輪唱、県ヶ丘は応援練習に寸劇とそれぞれにそう思って振り返ってみると、いい味を出していました。生徒の出し物のあとは、顧問の飛び入りで、県陵のオールドボーイたちによる校歌、最後は南農の今滝先生の山の歌で〆ていただきました。中信の交流会は、毎年大鍋のきのこ汁などを囲み、顧問生徒が一体となって楽しめる場であり、昨年は私がカシタシ主峰登山のスライドを行なったりもしました。これまでにも美ケ原で行なった時には、「美ケ原の自然と風土を考える会」の事務局をしている筑摩高校の下岡先生に話をしてもらったりするなど自前で工夫してその年その年楽しんできました。このよき伝統をこれからも続けていってほしいものだと思います。

2日目は、乗鞍岳への登山。先にも書いたように、今年がマイカーで入れる最後の年ということと、ちょうど紅葉シーズン真っ盛りの連休初日ということもあり、キャンプ場を6時前に出発したにもかかわらず、すでに車は大雪渓の駐車場付近まで渋滞。畳平まで車で登るのは断念して、大雪渓下の駐車場から乗鞍山頂を目指しました。登るにつれて次第にガスが出てはきたものの、山腹からは槍穂高をはじめとする北アルプスの峰々、八ヶ岳、南、中央アルプスに遠くは白山まで見渡せ、眼下の紅葉ともあいまって、愉快な登山を行なうことができました。それにしても、前評判?通り、乗鞍の混雑は尋常じゃなく、帰りは大雪渓の遥か下まで、車が並び長蛇の列ができていました。

ジュニアクライミング講習会…次回28日は駒ヶ根の人工壁で開催

ちょうど、中信大会と重なってしまいましたので、参加できませんでしたが、長野県山岳協会ジュニア委員会(委員長は岡谷工業の村主先生)主催の第5回ジュニアクライミング講習会が、21日松本市のロックジムほりえにて行なわれました。せっかく中信地区での企画だったのですが、中信地区新人大会と重なってしまい、残念でした。

次回第6回は、9月28日(土)10時から駒ヶ根市菅の台に新しくできた人工壁で行なわれます。この人工壁は駒ヶ根市が周辺の公園整備とともに手がけ、今年7月に完成したものです。高さは12メートルと大町の人工壁と同じです。上部は可動式で角度を変えることもできる上に、公営なので使用料も300円と格安です。

今回の講習会の通知については、先に行なわれた山岳総合センターの講習会の折、村主先生から配布されました。参加費用はウォール使用料に保険料が500円の800円のみ。もし、参加されなかった方で興味のおありの方は、直接岡谷工業の村主先生に問い合わせてみてください。

「鉄は熱いうちにうて」といいます。せっかくセンターの講習会で熱くなった生徒たちの気持ちを冷まさないうちに、講習会に参加してみてはいかがですか?もちろん熱くなってしまった先生方の参加も大歓迎です。生徒と一緒になって熱くなって見ませんか?

なお、このあと第7回講習会は、11月9日(土)、10時から小谷村ちゃんめろウォールで、講習会と競技会を行なう予定です。これも楽しみに、今から予定に入れておいてください。

編集子のひとりごと

他地区の新人戦はこれからでしょうか?例年中信地区はトップバッターで新人戦を行っています。大会の目的はもちろん勝ち負けにもありますが、交流というのも大きな意味があると思います。

特に地区大会というのは、集まる数も県大会に比べれば少ないし、地域的なつながりもあるので、生徒同士の交流、顧問同士の交流、生徒顧問を超えた交流など、いろいろな形で交流が図れます。僕の「かわらばん」発行のもともとの発想はこの中信地区の新人戦の「交流会」にあったような気がします。

大会中も、何人かの先生方から「かわらばん」についてご感想をいただきました。曰く、「ずっと顧問をやっていない顧問にとってはとてもありがたい情報源だ」「他校の山行が参考になる」などなど。多くの先生方が楽しみにしてくれているというのは、発行する側にとっても励みになり、大きな力になります。私の個人的な愚痴や自己満足に過ぎない話であっても、それが少しでもお役に立てればとの思いではじめた「かわらばん」です。時には、言い過ぎたり、失礼もあるかと思います。そんなときにはいつでもご叱正ください。

さて、下界でもだいぶ涼しくなってきました。高い山ではもうだいぶ紅葉が進んでいます。このところの雨で、少しはきのこも出始めたでしょうか?定時制のアウトドア部の生徒ともそろそろきのこ採りの計画でも立てようかな?と思っています。各校秋の山行はどちらへお出かけですか?(大西 記)