不定期刊行             35  2002.12.2

中信高校山岳部かわらばん

   編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

第22回北信越高体連登山専門部連絡協議会

11月30日から12月1日に標記の会議が福井県勝山市で開催されました。長野県からは竹内県専門委員長以下、加藤、星野、小林の各地区専門委員長に加え、久根、大西の6名が出席しました。北信越各県からはホスト県の福井県が12名、新潟県と石川県からそれぞれ5名、富山県が2名の合計30名が出席し、北信越地区の高体連登山専門部の活動について議論を深めました。全体にかかわるようなことについて議題の下に載せておきます。それ以外で興味のあるかたは、竹内専門委員長か最寄の専門委員長、にお尋ねください。

 

議題は1 全国高等学校総合体育大会の報告と反省

      運営上何点か不手際があったようです。

長野を含め数県から意見が提出されました。           

        ルートなどについて今年度の反省を生かした運営をしてほしいと要望が出されました。

        特に次々年度の千葉大会について選手が参加したくなるような大会を検討してほしいと要望。

   2 第14回北信越高校登山大会の報告と反省

      本年度、石川県白山で行われた大会は好評でした。

        生徒の感想文集が参加校には近日中に届きます。

   3 第15回北信越高校登山大会の準備・運営について

      次年度の大会は担当が福井県。会場は経ヶ岳(1625m)。

   4 北信越国体、本国体の報告と反省

      北信越のチームはいずれもクライミングで大都市圏の学校には太刀打ちできなかった状況が報告されました。

   5 全国高体連登山専門部常任委員会の報告・協議

      長野県の出場チーム 2003年度は2チーム、2004年度は3チームです。

      2003年度 長崎大会は8/8開会式〜12閉会式 多良山系・雲仙山系

         今年の運営教訓からコースを短縮するそうです。

        2004年度 島根大会は8/2開会式〜6閉会式 三瓶山・琴引山・大万木山・毛無山

        スポーツクライミングについてインターハイ登山大会への導入は現時点では行わないが、インターハイに取り入れられるかどうかは登山部として可能性を探っていくとのことでした。

会議はかなり白熱した部分もありましたが、夜の懇親会ではお国自慢の銘酒がずらっと並び、舌も滑らかになって、楽しいひと時を過ごしました。

たまたま会議が早く終了したので、星野、大西の両名は来年の北信越大会の会場である経ヶ岳を視察にいきました。福井の林先生の話では「里山ですよ」ということだったがどうして、どうしてとんでもない本格的冬山の世界でした。その模様は次ページに。

雪の経ヶ岳での悪戦苦闘

 というわけで、星野、大西は経ヶ岳の下見をしてきました。以下その報告です。

経ヶ岳という名前には思い入れがある。信高山岳会が登山道を復活したのも同名であるからだ。福井県の経ヶ岳は勝山市と大野市の境にあり、標高1625m。以前この山の下部の六呂師高原で北信越国体が開かれたときから気になっていた。

 途中まで林道を行き、稼ごうと思ったのだが、入り口に12月1日から冬期間通行止めの看板。「今日は12月1日だよな」と思いながらも、ゲートもないので車を乗り入れた。途中の作業中の村人に「経ヶ岳へはこれでいいのでしょうか」と聞くと「そうだよ」との返事。これで気を強くし、さらに車を進めた。ところが、だいぶ登ったところにこれでもかというくらいの立派な通せんぼ。とても突破は無理だ。「やられた」と来年の北信越大会のキャンプ場の奥越青少年自然の家(604m)まで引き返し、仕切りなおし。

およそ30分のロスで、結局、歩き出しは8時10分。50分登って林道に出会った。ここまではトレースもあり、人も入っていたが、ここからは何のトレースもなく、のっけから膝までのラッセル。1272mの保月山(ほづきやま)を目指すが、とにかく深い雪になかなか前に進まない。保月山までは、「ブナ林が続き、美しかったのだ」ということに、下ってくるときに気づいたのだが、このときは二人とも無口になり、ただひたすら登ること一時間。行く先ははるか彼方に遠く、お互いに口には出さなかったが、かなりめげていたのであった。

 保月山からルートはやせ尾根となり、下のほうに木が生えているから少しはましだが、南斜面は岩場になっていて、ちょっといやらしい。雪は気温の上昇につれ、水気を含んできて重くなる。まだ完全に締まっていないため、時々踏み抜くと、一気に消耗する。時にはももまでのラッセルを交替しながら、細かいアップダウンを繰り返しながら中の岳(1467m)に到着したのが11時10分。ここから見る経ヶ岳は堂々たる山容の見事な山であった。ここから最低鞍部まではおよそ60mをいったん下り、約250mの登り返しである。

星野さんが「20分で登りましょう」と急ぐ。それぞれトップを2回ずつ。鞍部からは結局30分かかってやっと頂上に着いた。頂上からは雪をいただいた加賀の白山が大きく見えた。振り返ると荒島岳が大野の谷を挟んで聳えている。定かではないが、その右の白い山は能郷白山だろうか。山上の展望を楽しんでから、持ち上げたラーメンを作ってすすり、下りを急いだ。

8:10 奥越青少年自然の家 発

9:00 林道 (ここまで行くはずが、かなり行った所で通行止め)

10:00 保月山頂上、ここまでが一番きつい、二人ともここでやめようと思った)

11:10 中の岳 

12:17 経ヶ岳頂上

12:45−14:40 戻る、下りは雪のクッションで快調。

編集子のひとりごと

北信越の連絡協議会の2日。会議と登山で充実した2日間でした。(大西 記)