不定期刊行             38  2002.12.25

中信高校山岳部かわらばん

   編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

3連休に雪山へ行って来ました

大町高校 松田 大 

皆さんは21日(土)からの3連休如何お過ごしでしたでしょうか?大町高校山岳部では雪山合宿として遠見尾根に行ってきました。下界と違って素晴らしい天候に恵まれて、予想以上の行動ができました。概略を以下に記します。

 

21日(土) 曇りのち雪

雪もしくは雨の天気予報の中、マーこの時期雨はないだろうと五竜スキー場へ集合。連休初日で流石にスキー客が多く、第4駐車場(一番下)へ誘導された。でもシャトルバスでゴンドラ乗り場まで送ってくれたので特に文句なし。天候は曇りで上の方はガスの中。身支度をしてゴンドラに荷物代を含めて1040円を払って乗り込む。待ち時間はゼロ、ゲレンデは相当のにぎわいだが、ボーダーとファンスキーが多く、ストックを持っている方が少ない。ゴンドラ終点の地蔵平は雪降り、この分だと地蔵でテントかなと思いながらゲレンデ脇を登る。ところがラッキーなことに地蔵から上にもトレースが伸びている。ラッセルに苦しむことなくゆっくり歩き、小遠見山に到着し、中遠見との鞍部にテント設営。無風状態で降雪もたいしたこと無いが、時間的にも早くないので、諸々の訓練は断念し、積雪に対する対応を指示し、大人はアルコール大会に突入。

 

22日(日) 霧、快晴

雪は前夜半にあがった様子で、新雪も10センチ程度。生徒によると日の出頃は山が綺麗に見えたというのだが、ガスが濃く視界は余り利かない。無風状態で、トレースも判るので、大遠見辺りまで行って雪上訓練でもと出発。トレースもしっかりしており、時に踏み抜くことがあるものの、サブ行動の生徒は足が速く、後を追いかけるのが必死。大遠見まで行くとガスの上に出て、完全な無風快晴状態になり、景色の素晴らしさに驚嘆の声が挙がる。雲海もすごく、妙高などがまるで島のように見える。大遠見にテントが一張り、トレースの主が判明。トレースはもうすでに白岳を超えている。我々も当初の予定の白岳へと向かう。気温が高めのため、白岳への急登でアイゼンが団子になり、壷足歩行に変更したが、雪が締まっているので、全く不安がない。白岳直前で下山してくるパーティーに会い、ラッセルの礼を言ったら、何と、池迫さんのパーティーであった。暫し雪上で歓談。先行した生徒を追い五竜小屋まで行き、日溜まりでお茶会。小屋周辺からは剣や立山が五龍岳の陰で見えないのが、この地点の欠点。余り遅くならないようにと下山開始。トレースは雪が締まりすぎて堅く、足へのショックが大きいので、登り返し以外は脇をラッセルしながらぶっ飛ばす。大遠見からは再びガスの中に突入。天場には2時間弱で帰着。生徒はバテバテ、小生はルンルン。やはり雪上歩行は経験がものを言う。(但し降りだけ、登りは体力的に付いていけん) 日没後はガスも上がり、急激に気温が低下したが、綺麗な星空であった。

 

23日(月) 快晴

本日も無風快晴。ご来光が綺麗であった。昨夜の予想より気温が下がらず、外にいても余り寒さが気にならない。テントを撤収後、センターから借用したビーコンの使用法を練習する。思いの外生徒の呑み込みが良くビックリ。後は一路帰途に就く。相変わらずトレース上は雪が締まりショックが大きく、ペースアップには膝上までのラッセルの方が効率的。メンバーの一人が昨日より足の痛みを訴えるので、ゴンドラにて下山。小生、地蔵からの下山にゴンドラを使うのは確か初体験。1040円は高いと思ったが仕方ない。二日間の好天による雪焼けした顔を見つめ合いながら、昼前に解散。天候そして池迫さん達の6人パーティーのトレースに助けられ、予想以上の行動ができた有意義な雪山であった。年末前なので、自分たちだけかと思ったら、池迫さん達は正月山行の訓練に来て居た、この他にも大遠見で雪洞泊した単独行者が居た。小遠見まで登ってスキーを楽しんだシュプールもあった。自分らのことを棚に上げて言うのも変だが、世の中物好きが多いですね。

参加メンバー 1年生2名 2年生2名 3年生1名 引率2名  計男ばっかしの7名

その他

実はこの前の日曜日(15日)にも雪上歩行の練習はしたのです。鍬ノ峰に行きました。但し雪が多くしかも重かったので北峰で時間切れでした。メンバーは小生、3年の前CLのM君(進学が内定したので積極的に山行に参加中)、

2年の現SLのT君、1年のH,S両君の5名でした。仏崎からいきなりラッセル。しかも途中からは膝上、最後は股下まであり、いい訓練でした。M君のパワーには感服、最後の股下までの急登ラッセルを一人で30分以上も続けたのには驚かされた。下りを心配したが、雪をうまく利用し、夏と余り変わらない時間で帰着できた。このときの経験が、遠見尾根の合宿に生かされた。

  編集子のひとりごと

 うらやましい限りですなあ。当方は3日間家で沈。その他のところに出てくるM君がクラブ活動の実績によって進路が決定されたとは、以前松田さんから耳にしていましたが、頑張っているようですね。おそらく大学でも、バリバリ山に登り続けてくれることでしょう。僕とは違う学校ではありますが、県大会や中信大会、それに山岳総合センターの講習会などでしょっちゅう顔をあわせていたので、彼のことはよく知っています。たまたま彼が1年のときのセンターの講習会で講師をしたのが僕でした。珍しい苗字なので、聞いてみるともともとの出身は兵庫県だとか言っていたっけ。おっと、あまり暴露しちゃいけないね。てなわけで、今回は大町高校の山行報告を掲載しました。

今年の雪について、山岳協会の理事会での情報によると、涸沢では11月20日現在6mの積雪があったそうですが、上から20cmくらいの所に2cmぐらいの氷の層があったそうです。つまり、積雪が多い上に不安定な状態のようです。池迫さんはクライミングメイトクラブ(CMC)のパーティですかねぇ。正月もお気をつけて。

最後に蛇足ながら、中信高校山岳部年報の記事未提出の学校が2、3あるようです。編集長赤羽先生(志学館高校)が困っています。よろしくお願いします。(大西 記)