不定期刊行

39  2003.1.14

中信高校山岳部かわらばん

編集責任者 大西 浩

                             木曽高等学校 定時制

国体の県代表選手の旅費が減額されそうです

これと同じ基準が僕らの一般旅費にも示されたら一大事

国体について、財政難の県から、県体育協会に次のような提示があったそうです。

「来年度から国体の派遣補助金については、日常生活においても必要な食事代相当分程度(宿泊費の1/2)を削減し、ユニフォーム購入の際の補助を廃止する。」従来は、宿泊費は全額支給、ユニフォーム代は半額補助でした。また、全国的に見ても全額支給されていないのは、大阪府のみです。この案の通りに実施されることになると、国体の長野県代表選手は、参加に当たってかなりの自己負担を強いられることになります。国体の場合は宿舎も自分では選べず(大会本部の指定)、行動もすべて計画輸送である点など、いろいろな面で制約があります。昨年来の現場での旅費の問題、公務員給与の削減の提示など、われわれを取り巻く情勢がどんどん厳しくなってきているのを感じます。

この点について、県では広く県民の声を聞きたいということでしたので、私は意見をメールで送りました。今のところ、県からそれに対する返事はありません。内容は、もうひとつの添付ファイルで送りますので、興味のある方はご覧ください。

かわら版をお読みになる多くの方には、国体のことは「対岸の火事」といった認識かもしれませんが、果たしてそうでしょうか。県の発想の中に出張の際「日常生活においても必要な食事代相当分程度は自己負担すべき」というものがあるとしたら、早晩このような旅費規程(たとえば宿泊費の減額)が、国体ばかりでなく現場に強いられることがないとはいえません。ちょっと考えてみてほしいと思い、敢えてこの場でも紹介しました。

旅費について年末の高教組と県教委との確定交渉での確認事項

昨年度末よりずっと交渉してきた旅費交渉について、なかなか厳しい情勢の中、現状で県と高教組の間の交渉がどうなっているのかお知らせします。やや古い情報で恐縮ですが、12月3日に行われた確定交渉では、山岳部の引率旅費をめぐっては大きく以下3点の問題が県とのやり取りの中でとりあげられました。情報は高教組本部や交渉に参加された先生方からいただきました。

まず第1点は、「特殊勤務手当(危険手当・山岳引率手当など工夫して)の新設」の要求です。山岳部の引率は装備費がかかる上に、危険と裏表の部分もあり、それについての保障をしてほしいというのがわれわれの希望です。これに対して県の回答は「国の基準に県の独自上積みをしている。現行の基準以上の新たな手当新設は困難。」というものでした。しかし、要求の趣旨は理解されており、「クラブ顧問に関わる諸問題については引き続き話し合う」というニュアンスは感じ取れたので、これは今後も継続的に交渉していく課題となっています。

第2点は「食卓料の2200円定額支給が原則である」というわれわれの要求ですが、これについては「食卓料としての積算が困難なものが含まれている場合(コメみその自宅からの持ち寄りなど)実費の算出が出来ない場合は定額支給でかまわない」というのが回答だったそうです。木曽高校の場合、4月以降の事務室との交渉の中で、すでに領収証なしで2200円定額支給を認めてもらっています。同様の学校が中信地区では多いと聞いていますが、全県的には未だ領収証添付が要求されたり、実費頭打ちになっている学校もあるやに聞いています。県の回答から、各学校でのとりくみでうまくやってほしいというニュアンスが示されたと理解していいと思われます。したがって各学校ごとの取り組みによって、最低この部分は、どの学校で実現できるはずです。

第3点は「あいまいな宿泊費実費の概念の整理」をしてほしいということです。第2点とも関わるのですが、以前問題になった「風呂代についても交渉の席では、県は明確な回答は示さなかった」そうです。しかし、宿泊と一体と考えられるものは出せるはずですし、この風呂代については、県から出せるという見解が示されています。(詳細はかわらばん28号参照)宿泊の際の必要経費は請求していいと思います。

 

この交渉について、高教組本部近藤書記次長の話によれば、「交渉後、県教委の担当の佐藤補佐と話した中では、『状況はよくわかるが、現状で制度そのものを動かすことは難しい。運用について出来るだけ実態に即していきたい。』とのことは話しましたが、認識のずれは相当あるので、これからもねばり強く話をしていく必要があります。食卓料の定額支給、宿泊の風呂代についてはぜひ顧問仲間にお知らせいただいて、各学校でのたたかい(?)も重要であるということの共通理解を得て行ければと思います。」とのことでした。

もうひとつおまけとして、木曽高校のことを付け加えます。先の第3点にかかわることですが、本校では、ヘッデンの電池代やランタンやストーブの燃料代は、ホテルなどに宿泊すれば必ず整備されている宿泊代の一部であるとの認識から、食卓費や雑費としてではなく、テン場代などと一緒に宿泊代として請求し、支出してもらっています。

  編集子のひとりごと

「あけおめ」といえば「ことよろ」今日日の新年。

というわけで、2003年、新年初めてのかわらばんです。あらためて「あけましておめでとうございます。そして今年もよろしくお願いいたします。」昨年度末に極めて個人的にかつ一方的に発行をはじめたかわらばんでしたが、おかげさまでぼつぼつと発行し続けることができました。

新年最初の話題とするにはふさわしくないような、しかし、いかにも最近を象徴するような記事からのご挨拶になってしまいました。しかしそんな昨今こそ、夢を語れるのが僕らのしていることだと思います。今年もできるだけ多くの山にできるだけ多くの生徒とでかけ、ともに夢を語り合いたいものだと思っています。そのための顧問間の情報交換の一助になればと今年も背伸びしないで発行していきたいと思います。おもしろい情報や知ってほしいことがありましたら、ぜひお送りください。広く(?)紹介していきたいと思います。

私の新年初登山は、信高山岳会の仲間と登った四阿山でした。これについては、次号で報告しようかな。(大西 記)