不定期刊行             51  2003.5.13

中信高校山岳部かわらばん

    編集責任者 大西 浩

                           木曽高等学校 定時制

志学館の大西先生も乗鞍に行かれたそうです

  送っていただいた瓦版を読んで、まだ乗鞍に行けるんだ。ということを知りまして、29日に行って来ました。おかげでテレビは見られませんでしたが。当日は、晴れていい天気で、位ヶ原までは風もなく、約2時間で到着。そこからは山頂が目の前にあったので、見えるところはいけるはず。と、直登しました。さすがに上部は傾斜がきつく、アイゼンで登りましたが、何よりきつかったのは、高山病。頭がガンガン痛くとてもきつかったです。山頂直下までスキーをあげ、山頂へ。山頂は強風でしたが、景色はばっちりでした。下りはそこからの滑降で、少し緊張しましたが、最高でした。

 情報ありがとうございました。                 大西 英樹

信高山岳会2年越しの夢――白馬主稜

期日 5月3日 メンバー 大西 下岡 天候 終日 快晴

 5月2日、授業終了後、22:00 木曽高校発。穂高町で下岡さんをピックアップ後、猿倉まで移動。1時15分、猿倉駐車場着。テントを張り、すぐに寝た。ところが思いの外冷え込みが厳しく、夏用のペラペラのシュラフ一枚では寒くてたまらない。おまけに僕らと同じく夜のうちにここまで入っておこうという車があとからあとからやってきて、そのたびに浅い睡眠は中断された。結局、ほとんど眠れないまま起床予定時刻の3時半を迎えた。

5月3日、実は僕も下岡さんもずっと風邪気味で具合が悪い。それに加えて寝不足ということで、体調は万全とはいえないが、予定していた4時、まだ薄暗い中、猿倉を出発した。とりあえずは白馬尻を目指し、トレースを辿る。白馬尻からは大雪渓を横切り、とりつきでアイゼンを着けピッケルを取り出した。5:20、主稜下部の三角形状の尾根にとりつく。すでに先行パーティが1組8峰の直下におり、豆粒のように見えた。第一関門である8峰への登りは見かけよりはだいぶきつく、6:50ようやく8峰に到着。

 しばらくは広い雪の尾根を進むが、そのうちにやせ尾根と時折出てくるブッシュ、ガレに悩まされながら、7:55に5峰と思われるピークで一本とる。白馬沢側の雪庇が張り出し、次第に稜線は狭くなってきた。下からも2組のパーティが登っているのが見える。連休中ということで、大混雑を予想していたが、予想外に入山者は少ない。天気は最高で気温もぐんぐん上昇しているが、前日の放射冷却の影響か、雪は堅く締まりアイゼンはよく利く。9:00 3峰直下の台地で一本、このあたりはナイフエッジ状のやせ尾根と雪の壁の連続で一瞬たりとも気を抜けない。時折はつま先がはみ出るような平均台の上を歩いているようなつり尾根は、風がないからいいようなものの、一歩つまづけば奈落の底へ転落する。アイゼンをひっかけないように細心の注意を払う。細かいピークがあとからあとから出てきて、実際にはどれが何峰なのかよくわからなくなってきた。たぶん2峰(?)の直下で先行の新潟から来ている五十嵐さんのパーティを追い抜いた。すでにもう一組先行者があり、トレースは雪の階段となって頂上まで伸びていた。2峰への登り、おそらく斜度で言えばこのあとの登りが一番急だったと思われるが、70度を超える雪の壁にピッケルを打ち込み、アイゼンを利かせ快適な登攀だ。壁は立っているし、だいぶ気温が上がってきたので、手袋も膝もぐっしょり濡れてきた。10:00 2峰上部で最後の一本をとる。下を見ると、まるで恐竜の背のような白いギザギザの稜線に一筋の線がしっかりと刻まれており、我々の来し方を語っている。

ものの本によれば、最後は70度ザイル2ピッチで雪庇を切り崩しながら頂上に出るということだったが、先行者のトレースと雪にも助けられて結局最後もノーザイルで抜けてしまった。頂上稜線への最後の雪庇がハング気味にやや張り出していたため、気持ち悪かったが、なんとか乗り越えた。頂上では日本海からのさわやかなそよ風が我々を迎えてくれた。白馬山荘に顔を出し、今年の夏の全日登山大会のことで挨拶をすると、支配人がまあ飲んでけと缶ビールで歓迎してくれた。ラッキー!十分景色を堪能して、大雪渓を下るが、あとからあとからスキーやボードをかついで登ってくる登山者が多くてビックリした。15:00猿倉に到着。二股の小日向の湯で汗を流し、今回の例会は無事終了。信高2年越しの目的を達成した。

コースタイム 4:00 猿倉−5:20 とりつき−6:50 8峰−7:55 5峰−9:00 3峰下部−10:00 2峰−10:40〜12:00 山頂 12:00 山頂発 −15:00猿倉

編集子のひとりごと

5月13日、家庭訪問で白馬まで出かけた。下宿をして木曽高に通っている生徒がいるのだ。その彼ももう4年。定時制勤務の僕は、夕方の授業までに学校に帰ればいいので、毎年この時期に白馬までの家庭訪問はある意味楽しみでもある。ちょっと足を伸ばして小谷まで行ったり、白馬三山のよく見えるところまで登ったり・・・。それも今年で最後。今日は帰りがけ、姫川源流を覗いてみた。ちょうどニリンソウの花が盛りで、木道の下は辺り一面白い花の絨毯になっていた。少し離れた親海湿原にはミツガシワの花が咲いていた。佐野坂の方に少し移動して、林の中をしばらく物色。ちょうどコシアブラが食べ頃であった。およそ1時間ほど林の中や湿原をほっつき回っただけだが、ちょっとした気晴らしになった。

帰りに山岳総合センターに立ち寄り、今週末の高校登山研修会の参加状況を聞いた。(僕は一応講師を頼まれている。)残念ながら今年も参加はあまりないようだ。センターでは今年はじめて、研修会で使用する指導教程(テキスト)を作ったということで、一冊いただいた。150ページ近い大作で、センターの研修会に準じて、夏山、春山、冬山入門、クライミング、集団登山の5章からなっており、高校のクラブ指導の現場でも非常に有意義な内容になっている。構想から一年をかけた労作で、内容は毎年更新していくとのことであった。編集委員長柳沢さんの冒頭のことばも含蓄がある。(これはまたいずれかわらばんで紹介したい。)この教程、センター研修に参加した高校には顧問宛いただけるということです。どうです。すばらしい特典でしょう?参加される高校は楽しみにしていていいのでは・・・。

高体連の県大会も近い、そろそろいろんな高校の活動が活発になってきたかな。木曽高校定時アウトドア部も来週から活動再開の予定。各校の活動状況もお知らせ下さい。ここしばらくかわら版は大西の山行報告書になっているから・・・。(大西 記)