不定期刊行 第61号 2003.7.7
中信高校山岳部かわらばん
編集責任者 大西 浩
木曽高等学校 定時制
推薦します 「八ヶ岳 山と高原を訪ねる」 星野吉晴著
7月1日、美しい写真が満載された標記の本が、信濃毎日新聞出版局より出版された。この本の出版を祝う会が6日、岡谷市で開催された。著者の星野吉晴さんは、島根県のご出身であるが、大学を卒業後、カメラが好きでオリンパスに入社された。現在は岡谷市に在住で、長野県山岳協会の副会長をされている。八ヶ岳を登り続けて43年。その間、岩や氷のバリエーションルートをいくつも開拓されてきた、まさに八ヶ岳のスペシャリストである。文章も達者な方で、その報告などをしばしば「岳人」誌等で発表されてきたので、目にした方も多いと思う。祝賀会には100人近い関係者が集まり、出版をお祝いした。
この本は単なるガイドブックとは若干趣を異にしている。はしがきにも書かれているが、「山の本質的な楽しみ方、鑑賞の仕方ということを常に念頭に置き、写真と文で八ヶ岳の全体像を紹介し、それにガイド情報を付け加えた」というものである。星野さんの登山は、いわゆる登山の王道ともいうべき、アルパインの追求にあるのはいうまでもなく、そこに彼の本領があるわけだが、この本は、そんな専門的な立場からはなれ、「もっとおおらかに、誰でも楽しめる八ヶ岳を紹介したい」とのコンセプトで書かれており、見て楽しく、読んで楽しい本に仕上がっている。
著者は八ヶ岳について「広大な高原と鋭い峰々、深い原始の森と静かな山湖。八ヶ岳連峰はこのような、山のあらゆるものを持ち合わせている。山というものの、ひとつの完成した姿を見ることができる。南北30qという、決して長大ではないこの連峰にこれらをすべておさめ、まさにはちきれんばかりである。」と記し、単に山を紹介するだけでなく、文字通り裾野の広い八ヶ岳の魅力を、その裾野の部分まで余すところなく表現している。カメラ好きが高じて、定年までカメラ会社につとめたというだけあって、さすがに写真は見事である。その写真を補完する文章と地図もまた丁寧に書かれている。
星野吉晴著「八ヶ岳――山と高原を訪ねる」(信濃毎日新聞社刊)はA5版143ページ、1600円。
高体連の業務用無線機 6
なんというタイミングだろう。鈴木先生からはある意味ゴーサインが出たものの、全く伝手もなく、さあどうしようと困っていた僕にとって、このマジョルカ・コムの高垣さんという担当者からの電話はいわば渡りに船であった。この会社は国体をはじめ各種イベントなどでの業務用無線を取り扱っている会社とのこと。とはいえ、名前を聞くのも初めての会社であり、しかも電話だけの話である。メンテナンスはどうか、またトラブルはないだろうか?そんな心配も残ったが、高垣さんとは、アマチュア無線が使えなくなって窮している点や、高体連登山部だけではどうにもならない点、さりとて県高体連にも潤沢な予算がない点などいくつかの問題点を電話で話した。その上で、とりあえずは見積もりを出してもらうことにした。その最初の見積もり(2000年2月18日付け)は、5W機10台で作成してもらったが、免許申請料、消費税等すべて込みで合計113万6100円とのこと。無線機1台はカタログ価格(標準価格)では20万1500円であるが、見積もりでは1台10万800円、そのほか免許申請料等諸費用が全体で7万4000円、消費税が5万4100円となっていた。
5W機10台で、113万6100円。この金額を高体連にすぐに連絡した。この時点では問題点は二つあった。第一にこの金額ではまだ高体連の予算を大幅に超えている点。もう一つはこの会社が県外の企業であるという点だった。一方で、県内で業務用無線を扱っているというA社にはすでに9月の段階で当たってはいたが、そのときの見積額はおおざっぱに5Wの無線機10台で150万と言われていた。再度正式に見積もりをしてもらったが、結局金額的にはあまり安くならなかった。
113万という金額はまだまだ高いものの、A社と比較してみれば確かにマジョルカ・コムは安い。そこで問題になった2点目について、会社の概要等も調べ、メンテナンス等についても確認した。結果、実績等もあり、良心的でもあると思われ、会社については問題ないという結論に達した。この時点でマジョルカ・コムに依頼すると言うことはほぼ決まった。あとはリース、その他の方法でどんな形にすれば金額的に折り合えるかということだった。3月に入って、高垣さんとは電話やFAXで何度か交渉を重ね、もう少し細かい話を詰めた。すると、その話の中で、5W機は消費電力が大きいので、不経済故1W機を混ぜたらどうだろうかという提案があった。たまたま1W機の旧型機の在庫があり、電池ケース、ソフトケース付で5万2000円(言い値とはいえ、定価は18万円の機種)で出せるものがあるとのこと。そこでキー局となる5W機を2台、移動用の1W機を8台でリース契約をするとどうなるかということで、再度見積もりをとった。下の表は2000年3月13日付けの見積もりである。(以下次号)
品 名 |
型 名 |
卸価格 |
数 |
金額 |
標準単価 |
アイコム簡易無線機5W 携帯用 特別調整本体 7.2 1550mAh充電電池 アイコム簡易無線機1W 携帯用 特別調整本体 単3乾電池ケース 2ポケット急速充電器 充電器用アダプター 特注皮ケース(5w用) ソフトケース(1w用) |
IC−VH25ACT BP−179 IC−VH11CT BP−188 BC−118J AD−62L MC−25179 LC−120 |
98,000 8,000 48,000 2,000 14,400 800 5,760 2,000 |
2 2 8 8 1 2 2 8 |
196,000 16,000 384,000 16,000 14,400 1,600 11,520 16,000 |
198,000 10,000 180,000 2,500 18,000 1,000 7,200 2,500 |
全国陸上無線協会負担金・免許申請料・印紙代 |
一式 |
67,600 |
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小計 |
723,120 |
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消費税 |
36,156 |
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合計金額 |
759,276 |
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参考) 5年分リースにすると 1月当たりの金額は約13,700円(消費税別) |
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編集子のひとりごと
5日土曜日、前号で紹介した松中・深志山岳部OB会講演会に行ってみた。タイ・アフガニスタン・バングラデシュ・・・知られざる世界。知られざる民族。知的好奇心をくすぐられるちょっと刺激的な講演だった。(大西 記)