不定期刊行             65号  2003.8.28

中信高校山岳部かわらばん

編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

大至急申込みを!

山岳総合センター高校クライミング研修会

一昨日センターの加々美主事から「締め切りを過ぎたんだけど、申込み忘れてない?」と電話がありました。来週9 月6日、7日の両日は標記研修会が行なわれます。申込み締め切りは過ぎましたが、まだ若干人数に余裕があるようです。木曽高校では全くの初心者、しかも山 岳部とは全く関係のない家庭科の先生が、興味があるからと参加してくれるそうです。もし、申込みを忘れているような方がいましたら、いますぐ下記へ電話 を。講師は今年も森山さんと中嶋さんです。生徒のみ顧問のみでもオーケーです。

山岳総合センター 電 話 0261−22−2773

          FAX 0261−22−5444  です。

今年の夏山総決算

夏休みが終わった。今年は天候が不順で一体いつから夏だったのか?と思っていたら休みが終わる頃になって残暑が戻ってきた。さて、この夏の私の総決算。

@7 月24日〜27日は長山協の登山教室で「裏銀座縦走」の講師。初日は曇り空の中をブナ立尾根から烏帽子。烏帽子小屋の前で白いコマクサ発見。翌日は12時 間行動で三股山荘まで。霧雨状態でびしょびしょ、眺望もない中、途中、水晶にも足をのばす。足元に咲く花々に心を癒されたが、さすがに最後の鷲羽の下りは 応えた。夕食時それまで顔を隠していた槍ヶ岳がようやく望めた。第3日は双六、西鎌を経て槍ヶ岳まで。この日は梅雨が明けたかと思うような好天。全国各地 から集まった受講生14名、大満足の一日だった。肩の小屋には美須々の時のワンゲルの教え子小野さんがいた。翌日槍沢を下ると、ババ平の上部で、下から上 田西高の山岳部の諸君が登ってくるのと出会った。引率は森下先生ら二人。さらに下って徳沢では昨年大町を卒業したイーモンこと宮田君が重い荷を背負って やってきた。聞けば、穂高岳山荘でアルバイトをするための入山とのこと。さらに下ると明神では信毎松本本社の矢崎報道部長が大きなカメラをぶら下げてやっ てくる。夏の涸沢支局開設の挨拶に行くところだそうだ。これから始まる夏がこんな悪天になろうとはきっとこの時は誰も思いもしなかったろう。これが私の夏 山の幕開け。

A8 月9日〜11日信高山岳会の例会で「奥黒部上の廊下探索行」。メンバーはL濱恒弘(向陽)高橋清(長姫)大西英樹(志学館)に私の4名。ホントは8日から 入山の予定だったのだが、折からの季節はずれの台風の直撃で入山を一日遅らせた。入山の9日はまさに台風が日本海をゆっくり北に向けて進んで行く中、び しょびしょになりながら、黒部湖の湖岸を奥黒部へ。平の渡しで対岸に渡り、そこからおよそ3時間。小屋の手前のロボット雨量計のある台地にテント設営。な かなか行き過ぎない台風にいらいらしながら酒盛り。翌10日は台風一過の晴天。苦労して雨の中入山した甲斐があったってもんだ。日が当たり出して、暖かく なったのを潮に沢登り開始。いきなりの股までの渡渉に思わず縮み上がる。水量は雪解けの遅れに昨日の台風も相まって通常よりかなり多いと思われた。ザック を背負っての水泳。ザイルを渡しての渡渉、飛び込み、高巻き、懸垂・・・次から次へと楽しいことの連続だった。瀞には尺イワナが集団で悠然と泳いでいる。 最後はこの瀞をめがけてのダイビング。12時下の黒ビンガ着。ものの本を見てもおそらくこのあたりが核心部と思われる。そこを抜けたことでよしとし、下る ことにした。昨日の台風のためか、さすがに今日沢に入ったパーティは僕らだけだったが、下ると今日入山してきたパーティといくつか出会った。彼らの一人に よれば、小屋の情報だが、今年は水量が多くその時点ではまだ誰も上まで抜けたものはいないとの事だった。翌11日は下山したが朝方から雨。結局10日見事 に晴れを当てた。後日談もあるのだが、それは高橋さんが信高ニュースに書いてくれるだろうから、省略。

B8 月16日〜17日木曽高校ワンゲル部の合宿で白馬三山縦走。参加生徒は3人。引率は筒井さんと僕。馬尻から望む大雪渓は6月の土石流でずたずたになってお り、クレバス帯には右岸の高巻きの道がついていた。その道を通り、再び雪渓におりるとその雪渓の上は泥がにじみ出し、液状化現象のようになっていた。自然 の猛威。頂上周辺にはトウヤクリンドウが咲き乱れ、もう夏の終わりを告げていた。どんな山登りも楽しいが、生徒との山登りはまた格別だ。木曽高は去年も白 馬に登ったが、一年経てば生徒はやはり成長する。二年生が一年生に経験を話している。頂上に登ったあとちょっと立ち寄った白馬山荘で支配人の若林氏に生 ビールを一杯ごちそうになっている間に、生徒たちは夕食の準備も整えていた。翌朝は撤収をはじめたころからポツリポツリと雨の奴が落ちてきた。雨は次第に 勢いを増し、本降りになった。杓子から鑓へ。快適な稜線あるきのはずが、土砂降りの雨の中の濡れ鼠五匹。鑓温泉で一杯の目論見ははずれ、ひたすら雨の中を 下山。まあ、こんなこともある。

C8月19 日中信高体連新人戦の下見。参加者は小林(白馬)松田(大町)浮須(池工)桑沢(深志)赤羽(志学館)に僕の専門委員6人。今年の大会は3年ぶりに松川村 馬羅尾高原。神戸原の扇状地を北と南にわけ、3人ずつで手分けしてコースの下見をした。今年の大会は9月26日(金)から27日(土)にかけて行なわれる 予定。近日中に高体連から要項が各校に届くはず。詳しくはそちらを御覧あれ。

D8 月21日〜24日は、日山協主催、長山協主管の第42回全日本登山体育大会長野白馬大会。21日の準備、22日の開会式に続いて、23日からは白馬岳をメ インに9コースに分かれて登山が行なわれた。全国からはおよそ500人が参加したが、高体連・信高関係では勝野、宮本(中野実)松田(大町)飯沼(松南) 竹内(諏訪実)浮須(池工)高橋(長姫)久根(風越)濱(向陽)村主(岡谷工)古幡(センター)に僕の12名が役員として参加。長山協には随分貢献した なー。僕の参加したBコースは初日栂池から白馬大池、小蓮華を経て白馬へ登り、翌日は大雪渓を下るというもの。5月以来、今年だけでも白馬は3度目とな る。そのいずれもがコースは違ったので楽しめた。長山協の事務局長として一言。協力して下さった先生方ありがとうございました。

編集子のひとりごと

よく降られた夏だった。掲載したように全く違うタイプの登山を5回行なった。どれも楽しかったが、特に印象に残ったのはやはり生徒との濡れ鼠山行かな?秋には日程が合わなかった生徒顧問も加え、もう一度縦走を計画中です。(大西 記)