不定期刊行             67号  2003.9.10

中信高校山岳部かわらばん

    編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

山岳総合センター「高校クライミング研修会」感想

センターの加々美主事より参加者の感想をいただきましたので、ご紹介します。

人数が少ないので回数が多くできて良かった。クライミングを行う時のからだの形などよく分かり、課題が増え楽しめた。対角線の動き(ダイアゴナル)がうまくできなかったので、次からの課題にしたい。用語についてももっと知ってみたい。(大町高男子)

最初はみんなの前で登るのでぎこちなかったけれど、よく分かる説明で気持ちよくできました。リードがものすごく緊張しましたが、なんとかできて良かったです。中の壁の一番右を上まで登りたかった。今年初めてだったので不安な面もありましたが、楽しくできました。ありがとうございました。(大町北高女子)

昨年より少し人数が減ったのでその分沢山登ることも出来たし、親切に教えて頂けたのでとても良かった。昨年は懸垂下降、今年はリード練習と毎年新しいことにチャレンジできて良いと思います。昨年出来なかった壁を登ることが出来たので、今年も来ることが出来て本当に良かったです。わかりやすく指導して頂いたので、少しかも知れませんが上手になった気がします。本当にありがとうございました。(木曽高女子)

講師の先生方の説明がとてもわかりやすくて良かった。次のクライミングにも生かせると思います。次の講習の時には1つ以上高いグレードに挑みたい。(美須々ヶ丘男子)

けっこうわかりやすくてとても登りやすかった。もっと身体をねじってバランスをとれるようにしたい。(筑摩高男子)

身体の動き(ムーブ)の大切さがわかり良かった。また、リードも生徒が体験できたことは有意義だったと思います。参加者は昨年ほどではなかったが、逆に個々が充実して出来たのでその点では良かったと思います。生徒も全員積極的に取り組めたと感じました。ただ、南信、東北信の高校の参加が無く残念でした。(白馬高顧問)

今回は人数が少なかったために(良いのか悪いのかわからないが)沢山登れたことは良かったと思います。山岳部以外の生徒をいかに連れてくるかが問題だと思います。クライミングがきっかけで山岳部に引き込めるかも知れません。そこで、写真付きのポスターか何かを学校に張れば生徒が少しは来るかもしれません。(塩尻志学館顧問)

とまあ、参加者、特に高校生には好評だったようです。ダイアナゴルとかムーブとかリードとか、この感想に出てくるクライミング用語からもかなり充実したであろうことが、わかります。ただ顧問の先生方はいずれも参加の少なさを指摘しています。前号にも書きましたが、秋に行なわれる高体連の来年度県大会下見並びに今年度の反省のための専門委員会では、是非この件について議題に載せてほしいと思います。

高体連の業務用無線機 10

県大会当日、竹内さん、青木さんから信越総合通信局(旧信越電波監理局)から連絡があったと聞いて僕は怒りすら覚えた。「一体なぜ?」と。

そんなほとぼりも少し冷め、大会が終了して一月ほど経った6月下旬のこと、僕の所にその信越総合通信局から電話が来た。たまたま、この年から僕は山岳協会の事務局長を務めていたのだが、その事務局長としての僕に、ある調査に協力してほしいという依頼の電話であった。それは「山岳地帯における新たな無線設備の可能性を探り、その開発に向けての調査」というものであった。電話に対し、僕はまずその件については、協会として全面的な協力を約束した。そして、それはそれとして、その上で、信越総合通信局に対する不満を率直に告げた。

内容は「3年前に、無線機の使用について当局の指導があったが、厳密な調査に基づいて指導されたとは思えない。実際には無線機を使っていない者にまで指導が入ったりしていたが、その件についてどういう経過で指導されたのかということ、さらに我々としては指導にしたがって業務用無線で運用してすでに3年目にはいった今年になって再び指導をされたが、それはなぜなされたのか?」という2点である。担当者は「部署が違うが、早速調べてみます」という返事であった。

問い合わせについてはすぐに回答があった。「3年前(1999年)の雨飾大会での指導については、ある者から通報があったので、警告の意味で指導した。十分な調査をした上での指導ではない。その点はまずかったのでお詫びしたい。当局の姿勢として、本来調べた上で動くべきだったが、通報があった上に、大会で使っていることは間違いないと確信したので警告をした。また、第2点目について、今年警告したのは、大会直前にある人物から6月初旬に今年も県大会があるからという連絡がはいったので、これもまた警告と言うことで事前に連絡をした。」との回答であった。その通報した人物について僕が尋ねると、それは勘弁してほしいということであったが、僕の「同一人物ですか?」という問いかけに対しては否定しなかった。僕は、電話のニュアンスで恐らく同一の人物であろう事を確信した。とすれば、その人物は登山部にかつて関わっていて、少なくとも99年の大会には顔を出さず、その後業務用無線を導入したことも知らない人物と言うことになる。とすれば・・・。

それはともかく、担当者には「高体連としては業務としてアマチュア無線を使うことはあり得ないから、今後このような通報は無視してほしい。但し、緊急時には使うこともあり得る。また、大会中もアマチュアの範囲を越えない運用はする。」と告げ、この件については一件落着した。今のような運用をしていれば、今後彼の人物から再び通報があっても、当局から指導が入ることはないわけだ。というわけで、県大会は当然だが、各地区では新人戦の際にも業務用無線を使いましょう。

編集子のひとりごと

10回にわたって業務用無線機の導入の顛末を書いてみた。誰が、なんのためにということは、推測はできるものの、未だに真相はわからない。しかし、僕は信越総合通信局には去年一年かけての調査に協力し、その成果は「中高年登山者のための電波利用に関する調査研究」という報告書としてまとまり、中高年のガイド登山などに関して有効なシステムの開発の手助けをした。その意味で、信越総合通信局への私の貢献度も高いと自負している。今後はいわれのない通報で、信越総合通信局が動くことはあるまい。そして、迎えた今年の県大会。当然ながら当局から指導の手は入らなかったのは皆さん周知の通り。(大西 記)