不定期刊行 第76号 2003.12.1
中信高校山岳部かわらばん
編集責任者 大西 浩
木曽高等学校定時制
中信安全登山研究会「学習交流会」報告 2
前号で中信安全登山研究会の学習交流会について下岡さんのまとめてくれたものを送りました。昨年以来、「かわらばん」では、ずっと旅費問題を取り上げてきました。その間僅かずつ前進してきた部分もあります。この会議でも、この問題についていくつかの経験交流がなされ、なるほどなあと思わされる部分がありました。以下に挙げたのは、当日僕がたたき台として会議の場に持っていった資料です。
山岳部引率旅費についての考え方 文責 木曽高校 大西浩
種類 |
内訳 |
根拠 |
交通費 |
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1キロ30円。公共交通機関は実費。タクシーは領収書必要の上頭割。 |
宿泊費 |
テント場代 |
実費 |
水代 |
宿泊と一体のものと考えられる。飲料の他、洗顔、洗浄など。 |
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電池代 |
宿泊と一体のものと考えられる。 ヘッ電、電話、無線機など電池の種類はリチウムも可。 |
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燃料代 |
宿泊と一体のものと考えられる。ランタン、ストーブ用。 |
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入浴代 |
宿泊と一体のものと考えられる。 |
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借り上げ料 |
シュラフ、テント等借り上げ料は可。 |
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食卓費 |
2200円 |
無条件支給。 |
雑費 |
電話代 |
実費 |
有料道路代 |
実費 |
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駐車場代 |
実費 |
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リフト等 |
実費 |
請求に当たっての工夫、問題点
1、領収証は顧問用であることをきちんと明記(テント場、水代など)するなど書き方の工夫。
2、公共交通機関はバスとタクシー(列車)をうまく使い分ける。(バス、列車は領収証が不要。)
3、振り込み代がかかるときの対応はどうすればいいのか?
4、消耗品を認めさせることはどうすればいいか?
5、校長、事務長とのねばり強い交渉。
県に聞くとすべて基準にないと突っぱねられることが多いが・・・。
もともと山岳部の引率自体が想定外なので、逆にそれをうまく利用。
校長がオーケーといえばよい。監査の問題とのからみで・・・。
以上の資料をもとに、集まったメンバーでそれぞれの実情の経験交流をしました。3人寄らば文殊の知恵よろしく、11人いればさすがに、いくつかの工夫や、なるほどなあと唸らされる交渉術もありました。それらについては、ここには書けないので、聞きたい方、知りたい方は、直接私の所までお問い合わせ下さい。そんなにたいしたことではありませんが、いくらでもご紹介します。たかが旅費、されど旅費です。なお、ここに挙げてあることについては、すべてオープンにしていただいて構いません。各校実情に応じて、交渉の際などにお使い下さい。それにしてもなんてケチクサイ話だろう・・・。
合同合宿を組みませんか?
これも、学習交流会の中で出てきた話。夏山はともかく、これからのシーズン生徒を連れて山に入ろうとすると、いくつかのネックがある。その第一は連れて行くべき生徒の不在。そして第二に顧問。さらには何かあったときの対応・・・などなど。
実際、今から十年くらい前までは、どこの学校も冬休み前に遠見尾根や栂池あたりで合宿するなんてのは、当たり前の姿だった。そしてそれを、安全登山研究会で検討するというのがパターンだったのだが、昨年などは、冬休みの前には大町が遠見尾根に入ったほかは、深志が八方でスキーをしたくらいだ。
以前、美須々にいたころは、当時大町にいた浮須先生や梓川にいた勝野先生と示し合わせて、合同合宿を組んだりしたものだが、改めてそういうことをしたらどうかという提起もあった。たとえば、冬休みに入った直後に遠見尾根なら遠見尾根と決めて、合宿を一緒にやる。そんなことができれば、経験の浅い顧問であっても、また生徒数が少ない学校であっても、合宿を組みやすいのではないかということだ。新潟などでは3月末に巻機山でそんなことを行なっているようだが、今年からちょっとそんなことが始められればいいと思う。装備の不足していたり、余っていたりをお互いに貸し借りもしたりしながら有意義な合宿が組めそうだ。信高山岳会が高校生訪中登山交流会を実施していた頃は、学校間の交流が盛んだったし、それが途切れてからも、しばらくはそんなことが続いており、先に述べた合同合宿もそこでのノウハウを活かして鍋倉山などで実施したものだった。思うに僕らが高校生を責任をもって安全に連れて行けるフィールドは、無数にあるようでいて、意外と少ないもの。そんなことも考えて見ると、こういう企画を考える事っていうのは、実は大いに意味のあることだと思うのだ。
今月半ばには本年度第二回目の「中信安全登山研究会」が開かれる。そこで、そんなことが話し合えるようにちょっと今のうちから横の連絡を密にしてみませんか?もちろん他地区の方も大歓迎です。
初冬ビバークはいかが?
さっき、この上の記事のことで、大町の松田先生と電話で話をしていたのですが、そこで出てきたのがこの話。「来週土曜日、高瀬川で焚火をしながらビバーク訓練をしませんか?」というもの。十五年くらい前まで、矢口先生が顧問をしていた池工では毎年秋に一晩ビバークをさせていて、これが池工山岳部の名物行事だった。条件はとにかく朝までたった一人で過ごすこと。この発想で来週、大町高校はビバーク訓練をするが、「そこに一緒に参加しない?」というお誘いだった。明日学校へ行ってちょっと生徒に声をかけてみよう。参加できるのがたとえ少数でも、こんな面白い企画放っておく手はない。
編集子のひとりごと
ということで、前回行なわれた学習交流会は実り多い会だった。やっぱり顧問がいつもお互いに何かやってやろうと思っていないと駄目なんですね。まあ、私もそれほど企画力があるわけでもないのですが、人と話していればいろんな知恵もでてくるわけだ。合同合宿になるかどうかは別問題として、来週のビバークは生徒の参加の有無は関係なしに僕自身は参加してみようと思っている。心ある方は一緒に如何?(大西 記)