不定期刊行             81号  2004.1.29

中信高校山岳部かわらばん

    編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

全国高体連の動向

「新潟の吉田さん(高体連全国常任)の書き込み」より

インターハイのことについて、県高体連登山専門部の掲示板に書き込みがありました。長野県内の高校の山岳部の顧問にとっては、正直なところインターハイはちょっと次元の違うところというイメージがあるのは事実ですが、全国ではこんなことが話題になっているということを知るのもあながち無意味でもないと思いますので、この場で紹介します。吉田さんを通じ、全国に伝えることも可能です。ご意見をください。(大西)

全国常任委員会が11月28~29日に行われました。主要なポイントをとり急いで報告いたします。

気象審査の検討について
岡山県から、県内アンケートを基にした意見書が提出されました。内容は、4ヘクト化は反対、気象テストは賛成というものでした。それらを受けて
 1.天気図審査の検討については継続することとし、当面現状の2hPaで審査を行う。
 2.あわせて、気象テストの導入についても継続課題とする。
 3.天気図用紙は、平成16年島根大会から1号用紙とする。
ということに集約確認しました。背景としては、「4ヘクト化は流れとして否定できないが強行するメリットも無く、検討を継続する」という考えからです。さらに気象テストの導入は「基準」の改訂をともなうことであり4ヘクト化とリンクして扱いたいということです。しかしながら天気図用紙については、審査予報の告知でできることから、島根大会から1号用紙に変更し、天気図作成の負担軽減を図りたいということにしました。その他、北信越協議会で出された意見については来年以降の大会に反映されるべく、強く要望してきました。
 結果の具体としては
 1.島根大会のコースは短縮が提案されましたが、より一層の行動時間の短縮を要望して、検討してもらうことになりました。
 2.千葉大会のありかたについては、@開会式を屋内で実施 A一泊は審査終了後に屋内宿泊施設利用を検討してもらうことになりました。
 3.また、監督テントの設営場所についての配慮も開催県で検討してもらうようにお願いしました。ただ、「監督の別テント」問題についてはD隊のシンポジウムテーマにして、早急に「あるべき姿」の検討をすすめることになりました。
 部報以外に北信越全体に報告・還元するシステムが無いことから、この掲示板への書き込みでとり急いでの北信越への報告に代えさせていただきます。詳細について、および岡山からの意見書とそれについての回答は「部報」に掲載されますのではそちらをごらんください。 

2003.12.06 新潟高体連 吉田光二

センター講師講習会 その1

 山岳センターの講師講習会が24(土)、25(日)の両日開催され、高校関係者では今滝(南農)、松田(大町)、久根(風越)、大西(志学館)、それに私の5人が参加した。この講習会は、ここ数年、「自分たちで考え、それらをディスカッションする中で深めて、それを実践してみて、またそれを検討する」というスタイルで行われていて、僕には刺激的かつ目からうろこが落ちるような講習会である。初日は、大谷原の駐車場から西俣への林道をおよそ1時間、去年も使った場所まで移動をして搬送訓練を行った。

 たまたま我々は5人とも山スキーでの参加だったため、スキーそりでの搬送訓練となった。(参加者は3班に分かれたが、我々以外の他の2班は芝そり、ツェルトのそりとそれぞれに課題が課された・・・今滝氏は主任講師柳澤氏の鶴の一声で途中からツェルト班の指導に回った)スキーそり班の人数は我々合計7人。私は、昨年も作ったはずなんだけど・・・。一年もたつと忘れていることばかり。スキーを4本並べ、トップとビンディング、その真ん中の3カ所にストックを3本短くしてスキーと垂直に渡し、そのストックとスキークレモナロープで固定をする。その上で、スキーの外側に2本のストックを平行において、フレームをがっちりと作った。昨年のかわらばんにも書いたが、このストックのフレームは、編みこんだロープを締め上げることで、かなり強固なものになっていく。こうして土台となるそりは完成。その上に、ツェルトを広げ、そこに負傷者をくるみ、固定した。今回は班内の全員が作り方をマスターするという観点から、中には実際の人間を乗せず、ザック等を人間とみなして行った。できあがったそりで、300mほど降ろしたが、そり自体こわれることもなく、うまくいったといってもいいだろう。スキーそりは土台がきちんとできれば、搬送は容易である。

他の2班のうち、芝そりは僕にとっては初めて見るものだった。実際に作ったわけではなく、解体する様子を見て作り方をイメージしただけなので、「ふーん、なるほど」という域をこえることはできない。今回の講習会を経験したからといって、おそらく今の僕には作れない。多分無理だ。

「山ではセルフレスキューが原則である」口で言うは易く、行なうは難しである。実際知っている(知識)ということとできるということは全く次元の違うことだ。知識の集積の上には経験を積まねば山での役立つ「知恵」とはならない。(以下次号)

編集子のひとりごと

ご存じのように、私は定時制に勤務しています。昨年末降って湧いたような県および管理職による極秘の勤務時間調査の問題から、学校ってなんだろう、教師ってどうあるべきだろうということをずっと考えています。そんなことで悩んでいることが多い上に、全く下らない時間的な拘束が多くなったからでしょうか、かわらばんも随分間が空いてしまいました。多分、僕自身の教育活動も停滞しているのでは・・・と思います。

学校という職場が、ここ数年の間に急速に自由度を失い、窮屈になってきて、生徒に接するのにもゆとりがなくなってきているのを感じています。今の県教委の施策が教師の手足をもぎ、やりたいこともできなくしているということに強い怒りを覚えます。こんな時だからこそ、アウトドア活動の重要さを実感しています。いざ、山へ。(大西 記)