不定期刊行             95号  2004.5.25

中信高校山岳部かわらばん

   編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

山岳センター「高校登山研修会」 2 生徒の声

やったこと全ての事が初めてだったので、緊張したがいろいろとしっかり学べたのでよかった。今まで本格的な装備をして山を登ったがことがなかったが、けっこう楽しく登れたのでよかったと思う。(大町北)

今回講義で教えていただいたことは、自分も知らないことがほとんどでとてもよい経験になったので、これからもそれを活かした山行ができればいいと思います。技術として今まで知らなかったことがあり、今回はそれを知り身につけるということで、とてもよい経験ができたと思います。今回はいろいろなことを学び、体験してそれをいかした山行をして、楽しく経験ができたのでよかったのですが、今回学んだことがすべてではないと思うので、これからは自分でも調べ学んでいきたいと思います。(大町)

講師の方の技をぬすめたと思う。訓練は楽しかった。どのような場合にアイゼンをはいたり、ザイルをはらなければならないのかをもっと詳しく教えていただきたかった。講義はわかりやすく、身近な例が多くあり、今後の山行に役立つものばかりだった。実技訓練をもっとふやしてほしい。(大町)

初日、センターで練習(ザイルワーク)などをやってから行けるのでこのままでいいと思う。滑落停止のときは左のわきがよくひきしめられなかったが、ほかはだいたいできたのでよかった。ザイルワークのときに覚えていられないことがあった。ザイルワークのときは手袋をしたままでやりにくかったけど、はやくできるように練習をしていきたい。センター内で作った夕食の米炊きに少し失敗してしまった。そのことを覚えといて次から気をつけたい(大町)

3年目の参加となりましたので、ある程度簡単にこなせました。23日のロープ技術では新しい発見などあり、貴重な体験となりました。昨年の記憶と合せながら安全に取り組めましたが、クローブヒッチがなかなか憶えられなかった。全体を通してよい経験になりました。3年間ありがとうございました。(池工)

 今まで知らなかったロープワークとか確保の仕方が知れてよかったです。雪山の危険性と楽しみ方などのことを考えられました。平地ではわかりにくい春山のよさや雪の上で寝ると言うことがどういうことなのかがわかりました。もっとテキパキと動けるようにしたいです。また、いろいろな用具の有意性とか不利な部分がわかるようにしたいです。(池工)

残雪期の雪上歩行技術の講習はわかりやすくとても参考になった。自身の体調管理の不行き届きにより、23日の峠往復に参加できなかったので、来年はこのようなことがないようにしたい。(美須々)

初日の夕食、二日目の朝食は食堂を利用させてもらいましたが、練習の意を込め、外で作ればよいと思いました。歩行など雪上での行動の仕方を学べ、大変よかったと思う。テントの立て方など幕営地での行動が遅かったので、残念だった。食糧計画の栄養を考えた食事についても学びたかった。

山岳センター「高校登山研修会」 その3 具体的に何をやったか

初日は今滝講師の講義のあとは、それぞれの班に分かれての実習に移った。以下、僕の担当したB班の研修の中身について触れる。

B班の構成メンバーは一年生が五人。全く初心者たちである。まずは自分にあったヘルメットの選択とかぶり方から。続いてハーネスの装着方法。その後は、センターの前庭に移動してロープワークの講習に移った。結び方を教えたのはテープ結び、ダブルフィッシャーマン、八の字結び、プルージック、巻き付け結び、インクノットの6種類。続いてアンカーの取り方と確保。ロープを使ったスタッカットによる登攀の要領。固定ロープの通過までを一通り教えた。そのあと学校単位での炊飯実習を挟んで、アイゼンの装着方法とパッキングの技術。ここまでが第一日目の内容だ。

第二日目は、扇沢から大沢小屋までフル装備で移動の後、雪上での幕営。午後は5時間ほどの時間の中で、キックステップによる雪上歩行、滑落停止、アイゼンを装着しての歩行、固定ロープの通過方法を実習。一年生ばかりということもあり、実際は講習時間全体の三分の二くらいは徹底的に歩く練習に充てたが、みんな楽しんでやっていた。

そして、第三日目は、山を楽しみながら実践的に訓練をするということで、針ノ木峠までの往復。下山時、峠の直下には顧問班が固定ロープを張り、それを通過させた。そうして昼前には全員がテント場に帰着。講習は無事に終了した。

春闘要求書回答交渉で山岳部の実情を訴えました・・・が・・・

19日、高教組の春闘要求書をめぐって県教委との間での回答交渉が行われた。要求書の提出の段階でも、僕は山岳部の引率に関わって、ここ2年間の旅費制度の変更に伴う問題点を指摘し、同時に特殊勤務手当の大幅増額や危険手当の新設ということを要求しておいたのだが、今回の回答交渉の中でもこの問題は重点項目の一つとして、本部でも取り上げてくれた。交渉の中で、僕は生徒の命を預かる山岳部引率の精神的負担について訴えた。一定のやりとりの中での県教委の回答は、「登山やスキーの引率の際の顧問の負担が大きいことは認識している」との見解は示したものの、一日わずか1700円の特殊勤務手当が「他県に比べてまだよい方である」という素っ気ない返答で、手当の増額はおろか危険手当も「できない」というものだった。

出張にあたっては、内部事務総合システムがここ2週間はほとんど不通の状態が普通の状態で、出張伝票一枚打ち込むのに、貴重な時間がどんどん浪費されていく。生徒を山へ連れて行けば、それだけでいつも何かしらつかんでくれる。それは僕にとっても大きな励みの一つでもある。金の問題ではない、ボランティア的な側面を失ってはいけないと思ってはいるが、それにしても山から下りたときにいつも思うのは、全員が無事下りてこられてよかったという安堵感。僕らがいくら教育的観点からクラブ活動の有用性や引率の心理的ストレスを訴えても、県庁8階のお偉方にはなかなか響かないんですね。

編集子のひとりごと

針ノ木雪渓は、長山協の指導委員会主催の雪上技術交流会、この秋行われる中高年の青海省ガンシカ峰登山隊の訓練隊、長山協登山教室、それにセンターの研修会。日曜日には、冷やかしに訪れた某大町高の第一顧問。見慣れた顔があちこちに。(大西 記)