不定期刊行            111号    2004.9.22

中信高校山岳部かわらばん

   編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

2004年度全国高校総体登山大会における

各県総監督へのアンケート集計結果 その1

 一昨年の旅費制度改定以来、山岳部の引率はテント泊の場合0円。食卓費2200円支給。その他燃料、水などの実費がなんとか出されるだけで、危険手当、歩いた分の手当てなどは全く支給されていません。このことについては、県教委も高教組も「問題意識はもっている」との認識はもっているものの、この三年間まったくなんの動きもありませんでした。今年私が高教組の執行委員になった関係もあり、年度当初より今まで行われた2回の県教委交渉の中で、ずっと訴え続けてきました。委員長始め書記長もバックアップして下さり、何とかしたいと交渉の重点項目として取り扱っていただく中、1学期末の交渉を終えたところで書記長より「当局も問題意識はもっているし、今年度の中でなんとか一歩を踏み出せるようにしたいので、全国の状況を調べてくれないか」との要請をされました。その裏には7月に行われた第2回目の交渉の席上、県の担当者が「問題意識は持っているし、実情は理解できるが、他県と比べると長野県は特勤手当てなどの部分ではかなり手厚いので、これ以上は困難」と回答したことによります。

 果たして長野県は他県より優遇されているのかどうか、それを調べるために、専門委員長の星野さんにインターハイの時に他県の監督に調べてもらうように依頼したという次第です。大変ご苦労をいただきました。そしてそれをまとめたものが以下の資料です。

都道府県名

質問1、山岳部の引率の際の旅費はどのように支払われているでしょうかについての記載

A

全道、地区大会:宿泊費は半額、日当は満額、交通費は1km35円。

練習登山:宿泊費はなし、日当は満額、交通費は1km35円。但し総額は40000円で打ち切り。

正規の出張であれば、宿泊費9800円×泊数、日当1600円、交通費は公共料金と思われます。

B

学校独自の旅費規定あり。県費より少し少ないのと高体連料金との両方を併用している。

C

詳細は不明だが、我が校は宿泊、交通費もすべて他の部と同じ規定で旅費が支払われる。テント使用で宿泊タダと言われているが、普通にもらっている。年3回の大会、春夏(高校総体)秋の3大会は旅費支払われる。他、大会参加の場合、管理職と相談。

D

高校総体、県大会、新人戦は県費。それ以外の山行は私費(学校から)。

テント泊1日4900円。交通費い1km25円。日当1日1500円。(県費の場合)

E

1泊につき7500円ぐらいだったと思います。

F

旅費+宿泊(テントの場合は500円)+引率手当。

旅費は公共交通機関を使った場合のみ全額。新幹線、特急は近距離(100km以内)の場合は支出されない。

G

素泊まりの場合、食糧費として1日3000円支給。5年前は4800円であったが、減額。

山小屋など領収書があれば全額支給。テント泊の場合はテント代+食費3000円。日当2400円。

H

交通費は実費支給。テント泊は3500円。(食費込み)幕営料がかかれば実費支給。小屋宿泊は実費支給。

I

大会と普段の山行では違う。普段は出ない。大会はバスの終点まで旅費が出る。交通費+宿泊。宿泊は宿があれば全額。テントの場合は出ず、食費のみ1500円?くらい出る。

J

大会参加の場合の宿泊費は1泊8500円。普段の練習登山は0円。交通費は1km37円の計算で。1日(8時間程度)従事した場合、日当2000円(昼食代含む)

20年ほど前にはテント泊は宿泊費0円(あるいはテント場代500円)であった。当時の顧問が集まり、テント、シュラフ、ストーブ、コッフェル等備品については、購入価格を使用可能泊数で割った金額を、消耗品については、1泊あたりの購入金額を計算してそのトータルの資料を県高体連を通じて校長会、県へ提出し、山岳幕営では1泊8500円を出す規定ができた。その後、規定が変わり、現在は一般出張の2/3を支給することになっている。

山岳幕営の解釈について、学級の夏キャンプとの混乱が各学校で起こっている。

上記の規定は普段の練習登山でも適用されるべきものであるが、現実には公式大会(総体予選、県大会、秋季大会)しか適用されていないようである。

K

学校より目的地までのバス・列車の料金及び日当。テント泊は1泊2000円程度。その他特殊勤務手当1日4時間以上(月末に請求)。公式大会は県費、その他の山行は私費(PTA等の部活引率費)より支出。バスのないところはタクシー代の出る場合もある。

L

現地までの交通費ぐらいしか支払われていない気がします。公式大会はすこし金額がふえるような気がします。

M

公共交通機関で最寄り駅まで。日当2200円(泊)1100円(日帰り)泊費については上限10000円ぐらい?(領収書の必要あり)

N

県大会、近畿大会(通称高体連カレンダーにある大会)で、生徒引率の場合は、県の出張旅費で出す。ただし、テント泊、民宿泊、ホテル泊等により、宿泊費のランクはある。生徒引率でない場合は、職免または年休で旅費なし。

大会以外の部活動引率は4号勤務があります。N県は4時間以上が原則です。金額は出張に比べて少し少ない額になりますが、旅費も支払われます。

O

各校によって異なっています。(本校は本年度から練習登山の旅費がけずられつつあります。・・・大会は別。インターハイの生徒の旅費は70%しかでません)

P

宿泊費は2000円。ほかに交通費と日当がある。

Q

年2回の県大会は正規の旅費。合宿練習登山は学校ごとに扱いが異なるが、引率旅費は出している。宿泊費は額学校ごとに異なる。

R

高体連主催の大会(総体・新人大会・一年生大会)のみ出張。集合場所(駅)までのJR・バス代+1泊2700円。

S

原則実費支給が多くなっている。校内合宿、公式大会も変わりなく、その傾向になってきた。

一般の出張はJRの運賃のみで3年ぐらい前までは、日当1500円、昼食代500円ぐらい出ていた。現実はJRの本数も少なく、また乗り継ぎも悪いので高速道路を使い、赤字で(約2000円)出張に行っている。

編集子のひとりごと

 多分、このような調査は例がないと思う。ここに上がった19県のうちテント泊について、約半数の県では何らかの手だてを講じられている。J県の例などは大いに参考になるのではないかと思うのだが・・・。ちょっと読んでみてご意見をください。僕としては、この調査をもとに高体連登山専門部として意見集約をし、登山部長を通して校長会などから正式に働き掛けてもらうようにしたらどうかと考えている。新たな制度としての危険手当などを新設してもらいたいということに強い希望をもってはいるが、このご時世で新しい制度の創設はかなり厳しいと思われる。まずは旅費制度の運用の中で、テント泊について意見が統一できればと思うのだが・・・。(大西 記)