不定期刊行            116号    2004.10.28

中信高校山岳部かわらばん

     編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

2004年度県高体連登山専門部反省会兼次年度下見

猛烈な台風23号が長野県を直撃した翌日の10月21日、県高体連の反省会兼来年度下見のため、我々は県の最南端、静岡県境の熊伏山にいた。参加者は星野・竹内・加藤(夜合流)・小林・大西英、池迫・浜・福沢・村主・高橋・久根・勝野それに小生の13名。朝8:30に阿南町和知野川キャンプ場に集合、打ち合わせの後、行動開始。台風で増水した平岡ダムはいつものエメラルドグリーンではなく、ミルクコーヒーの色だ。ダムからはすべての放水口が開けられて、ものすごい勢いで水がはき出されていた。全体は3班に分かれ、第1班の星野・福沢・高橋・久根・大西二人は、平岡小学校から熊伏山頂上を目指した。ちなみに第2班(小林・村主・勝野)は青崩峠から熊伏山頂上へ、第3班(竹内・池迫)青崩峠から兵越峠までをそれぞれ踏査した。第4班の浜さんは無線担当で小学校に待機という陣容であった。

この山域はヒルが生息しているからと、事前に森林組合から入手したヤマビルファイターという薬をズボンの裾や靴、靴下にスプレーしてから出かけた。今年の春、南信大会で使ったとのことで、その折りの地図(この平岡小学校から登る道は2万5千図には出ていないので、今年のうちに下見に入る学校は注意のこと)を参考にしながら登山道を辿る。台風23号の直後で心配したが、登山道は特に荒れていなかった。しかし沢は増水しており、尾根への取り付き地点の渡渉点では、カシタシ峰のリュシュ川を悪夢のように思い出した。(ちょっとおおげさか!)11:00尾根の途中の開けた炭焼きの小屋の脇で昼食。そこからは、キノコを採りながらのんびり尾根を登った。頂上からは南アルプス最南部の黒法師山など、普段目にすることも耳にすることもないような山が見渡せた。勝野さんから、その方面や鶏冠山、池口岳などの情報をもらい、ぜひ登りたいと思った次第。ヒルのほか熊・猪のいる山域とも聞いていたが、今回は遭遇しなかった。青崩峠に下ったころにはとっぷり日も暮れたが、初任の長姫時代以来20数年ぶりに訪れた熊伏山。静かな山旅が楽しめた。夜は、例によって大いに盛り上がったなぁ・・・。

10/23 木曽高校定時制アウトドア部御嶽登山

台風の多い一年だった。そんな秋山シーズンの最後は、木曽高校のアウトドア部の生徒と御嶽山で締めくくった。せっかくの機会だからと全日制の職員にも呼びかけた結果、今回の参加者は生徒が4年生5名、3年生1名の6名、顧問が2名、特別ゲストとして、AETのマギー先生とそのハズバンド、英語科の先生と総勢11名(うち女性3名)のにぎやかな登山となった。マギー先生はカリフォルニア出身でヨセミテなどにも何度も行っているとのこと、スコットランド出身のご主人デヴィッドも地元の山野を歩き回るのが趣味だったとのこと。青森出身、英語科のS女史は、山は知らないが、マギーが参加すると聞いて自ら通訳を買って出てくれた。午前6時学校出発。定時制の諸君は朝が弱い。この集合時刻が第一の鬼門である。しかし、今日は誰も遅れない。すばらしい!顧問の車2台に分乗して田の原へ行くと、現地に直接集合することになっていた開田村民と三岳村民も既に駐車場に集まっていた。10月下旬であるというのに、駐車場はすでに多くの車が止まっており、相変わらず中高年の登山者が多い。天気は上々。青空が広がっている。以下、今回は生徒の感想文でこの登山を振り返ってみよう。

御岳山に登り終わっての感想は、とにかく気持ち良い!自分が思っている以上の充実感と達成感が味わえた事にとても驚いた。

朝早くから眠たい目をこすりながら家を出た。こんなに早くから外に出るということは仕事をしていてもなかなかない。高校生活で最後になるかもしれないみんなとの思い出作りのために参加したのがもともとの理由だった。

登り始めてから10分ぐらいで息が上がってきた。登山をかなり甘く見ていた。想像以上にきつく、次第に自分が無口になっていく事に気付いた。どれくらい登っただろうか?気付くと雲の上を歩いていた。そのあたりから登山が楽しくなってきて、気持ちは「頂上に登ったらどんな気分になるんだろう。」と思いながら、歩を進めた。

頂上の少し手前で少し休憩をとった。下を見ると雲や木曽の村々を見渡すことが出来た。こんなことは登山をしなければ味わえないと思う。そして頂上に向けて出発した。さすがに疲れてきた。体はへとへとなのに、みんな笑顔だった。マーク(編集者注 ある生徒のニックネーム)だ!!面積が多く、とても場所をとる男だが、ムードメーカー的存在だ。似ても似つかないようなものまねをしては、周りを明るくしていた。正直言って、とても助かった。疲れていても気分が明るいと、疲れを気にすることなく前へ進むことができる。マークの助けもあって、ついに登頂することができた。

とにかく言葉にならないくらい感動した。同時に心にあった今までのイヤな事やモヤモヤがすべて晴れたような気がした。

また登山をしたいと思った。山の上で食べたラーメンの味も忘れられない。時間があったらまたみんなで山に登りたいと思った。(4年S.N)

7:00 田の原集合 7:20 田の原出発 8:35 金剛童子 9:20 一口水

10:50から1:10 王滝頂上 12:00〜12:15 剣が峰 12:35 王滝頂上

15:15 田の原 15:45 うしげの湯 17:30 学校着解散

頂上からは八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、恵那山、白山、乗鞍、穂高、槍・・・ぐるっと一回り360度の眺望が広がって、生徒は大感激。マギー先生ともしっかり交流できて、参加者みんなにとって予想以上の成果のある登山だった。

編集子のひとりごと

 前号の訴えに対して何人かの方から早速貴重なご意見を頂戴した。ありがとうございました。しかし、まだまだもっと多くの方から率直な生のご意見をいただきたいと思う。高体連などを通して、なんとか我々の思いを届けていただけるようにと動いているところだ。思っていることの一端をぜひお寄せいただきたい。11月29日には高教組の対県教委確定交渉が予定されている。それまでにできる限りの手を打って臨みたい。

本文でもとりあげた県高体連専門委員会の中でも、このことについては、一定の時間をかけて話し合いをもった。さらに明日明後日北信越高体連登山専門部の連絡協議会が川上村で開かれるが、それに先立って行われる長野県参加者の打ち合わせの中では、登山部長(大町北高校長)を交えて、会議をする予定である。そういったオフィシャルなところからの動きもなんとか実現させたい。(大西 記)