不定期刊行           117号    2004.11.5

中信高校山岳部かわらばん

    編集責任者 大西 浩

                      木曽高等学校定時制

旅費・引率問題にもの申す その1

地区

旅費・引率問題に関する意見(いずれもいただいたそのままを匿名で掲載)

中信

旅費、宿泊費に関しては岡山県の方式が現実的かなあと感じました。生徒の同乗に関しては、長野高校では、公用車扱いの自家用車に、同乗の生徒氏名を記入する書式があって、管理職の承認を得て行っていたと思います。そうしたシステムを作れば問題ないと思います。

中信

引率責任について

複数顧問での引率を願うが、実際的には不可能な現状にあり、常に不安。合理的な手段として乗用車利用とするが、届を出しても不安があり、まして「高速利用」は必ずしも理解を得られない。

経費負担について、

宿泊は、「持ち出し」が必至。…「食卓料+幕営料」をベースとした支給では予備食や非常食や単価の高い個人装備費の消耗費はとても解消できず、まして「山の物価」には反映しきれない。⇒宿泊費の解釈として、「食費+幕営料」の他に「テント・寝具・調理用具購入及び消耗費相当分」は基礎費用として最低限算定されるべきではないか。

山岳県として、支援体制の強化を!

技術的な面は別として、負担や心配なく広範な職員が顧問として指導に当れるように、@装備についての経済支援(クラブ助成費だけでは不十分)を何らかで補償をして欲しい。A危険(責任)を背負いながらの行動を支えるものとして、「特殊業務手当て」 に該当する補償をして欲しい。B 山岳保険への加入を補償して欲しい。

中信

やはり第一には引率責任の問題だと思われます。本校では、日帰り山行であっても、事前に行動内容を保護者に配布し、「行事参加承諾書」に署名と捺印をもらっています。また、泊を伴うものについては、職員会に提出し、学校の許可をもらったということにして出発しています。高校生にとって無理のないそして参加する生徒の力量にあった目的地を選択するよう心がけていますが、そうはいっても「山」は何が起こるかわかりません。万が一の場合、現場の引率顧問に全責任が負わされ、行動中、最善の判断をとっても裏目に出る場合がないとはいえません。現場の引率者、学校、県教委、それぞれがどのように責任を負うのか、過去の裁判の判例のみでなく、事前に関係各機関の判断を明示していただけたらありがたく思います。また、山行計画の承認について、各校どのような手続きを行われているか、教えていただければ幸いです。(保険については山岳共済会に全員加入しています。)

東信

本校の場合、生徒引率について、公共交通機関を使うように、というようなことは管理職の口からはあまり出ません。しかし、自家用車使用、幕営については、場合によっては持ち出しとなることが多く、現在の旅費制度では納得がいきません。そこで、金銭面の負担を補うという意味から、次のような要望を出したいと思います。

@        せめて、土日の引率については、日当を支給してほしい。ただし、代休が取れた場合(または代休をとった場合)は支給しなくても良い。これは山岳部に限ったことではありませんが、・・・

A「幕営手当」のようなものを新設できないでしょうか?(額は食卓料程度=2000円程度でよいので)

東信

まず、何といっても山行中の「歩行0円」です。確かに交通機関を利用しないわけですから理屈にはあっています。しかし、水平距離の移動だけではなく、ザックを背負っての大変ハードなものであるという認識が県にはありません。例えば、槍ヶ岳山荘→横尾→涸沢の1日のコース。穂高岳・槍ヶ岳に登った経験のある方にはお分かりいただけると思いますが、教頭・校長にとってはたったの一行です。このコースを引率して「食卓費2,200円」がいかに現実とかけ離れているか、考えると虚しくなります。また、交通機関が制限されてしまう山岳部の場合、どうしても自家用車に頼らざるを得ません。その場合には、全責任を負わなければいけないという理不尽さ。加えて、タクシー利用の場合は生徒を含めた頭割りの額しか出ない旅費計算。実費負担なのでしょうが、それでは生徒の負担が大きすぎます。他の運動部のように、市街地の他校や体育館へ行くのとは訳が違うことをこれまた県は分かっていません。続けると大愚痴述べ大会になってしまいますので、このへんで終わります。まとまりのない文章で申し訳ありません。考えれば考えるほど腹が立ってきますので。

東信

 

「校内マラソン大会に出場するときも、車で巡回する人は1kmいくらで旅費がでるけれど、生徒と一緒に走りながら出場し、生徒の指導や体調が悪いときの対応にあたる人には旅費がでないのは不合理ではないでしょうか?

同じように、テント宿泊もすぐとなりの山小屋に教員だけが宿泊すれば登山指導や応急対応がやりにくいので、生徒と同じようにテント宿泊します。それに対して実費だけ支給というのも不合理ではないでしょうか?あるいは、生徒が登山道を登るときにすぐ隣にロープウエイがあったとして、教員がそれを利用していては生徒の体調が悪いときに応急手当ができません。やはり生徒と同じように登山道を登る必要があり、実費のみ支給することに不合理性を感じます。

北信

長野県の登山に関する旅費については、怒っております。生徒を引率しての登山はやめろという、県のメッセージと受けとめています。お金は出さない、責任は取らせる。車に乗るなら、山小屋に泊まるなら、お金を出します、ということだと感じます。テント泊で生徒と自然の中で鍛えあうことはもうできないと私は、受けとめています。山岳県だの、山岳観光振興だのを、高校の登山部がしっかりしないからだなんて言われたくない。あなたたちがそうし向けているのだ。

編集子のひとりごと

東信の某先生が書いているように、これではまるで大愚痴述べ大会だ。先々週南信濃村で行われた県高体連登山部の反省会に、全国の状況をまとめたものをさらに整理して、資料として提出したところ、勝野先生(懐かしい!)には大西の執念だねと言われてしまった。・・・(笑)かなり多くの意見が集まってきた。まだの方ぜひ一言を。(大西 記)