不定期刊行             122号  2004.12.12

中信高校山岳部かわらばん

     編集責任者 大西 浩

             木曽高等学校定時制 

2004年度第2回中信高等学校安全登山研究会

12月3日、4日の2日間、大町の山岳総合センターならびに人工壁を使って行われた中信安全登山研究会は、盛り沢山、てんこ盛りの内容で無事終了した。僕自身はその前と後にそれぞれ別口の出張があったため、真ん中のみの限定的な参加となってしまったのだが、一番のメイン(?)の懇親会には最後までおつきあい。今回はメンバーも中信地区のいつものメンバーばかりではなかったので、山の技術はもちろんそれ以外の面でも様々な交流ができてよかった。

参加者は、主催者である安全登山研究会会長の丸野大町高校長、事務局長の下岡さん(大町北)、講師の今滝さん(白馬)、酒井さん(穂高商業)、中信地区の高校から小林さん(白馬)、松田さん(大町)、浮須さん(池工)、遠藤さん(明科)、北沢さん(明科)、赤羽さん(塩尻)、大西英さん(塩尻)、中島さん(武蔵工大二)、それに私。ほかに東信からも野沢南の塩川さんが参加。加えて今回は、オブザーバーとして高教組本部から書記の舟田弘子さんと唐沢千晶さんも出席してくれた。こうして合計16人の多種多様な人々を得て、中身もかなり充実した。以下項目的に振り返ってみる。

実技1:テーマ「クライミング」(酒井講師)人工壁にてクライミング。筆者不参加。

研究協議:今年度の中信地区の高校の全校登山と山岳部の活動の総括と冬山の検討、さらに先の確定交渉で話題になった旅費等の問題について意見交換。

実技2:テーマ「ロープワークの基本」(今滝講師)様々なロープの結び方の検討。下岡さんによる簡易ハーネスの紹介。

実技3:テーマ「自然の岩場の紹介」(酒井講師)講師の体験談を中心に高校生や初心者対象の岩場の紹介など。佐久四賀の岩場、長野市鳶岩、大町ボルダー、上山田坊抱岩。補足大西が木曽の岩場紹介。

交流会:テーマ「懇親」メインイベント。夜を徹する勢い。

実技4:テーマ「ビバーク」(今滝講師)ツェルトの効用。

実技5:テーマ「高校生のクライミング指導」(今滝、酒井講師)懸垂下降、ボルダー、人工壁を使ったクライミング。筆者午前中のみで中座。

研修会は一部トラブル(突然センター体験室の電気がつかなくなる・・・・)もあったが、ほぼ要項通り進められ、上記の通り多岐に渡った。

来年以降はもっと多くの先生方(地区内地区外を問わず)にも参加頂き、今年以上に楽しくかつ有意義なものになればと願う。ちなみに他地区から参加された岩村田の塩川さんは、研修名目の出張を認められたということだ。安全登山を学ぶ機会はそうそうない。校長会が認め、高校の顧問たちが自主的に運営しているといってもよいこの研修会の持つ意味は大きい。いずれにせよ、まずは楽しく行われたことが一番の成功の秘訣だったと思う。

以下、今回は毛色の変わったところでクライミング初体験、特別参加の高教組唐沢さんの感想を掲載しよう。

「うまく」より「楽しく」
登りました!!
 

 


とにかく、楽しかった!です。安全登山研究会への参加はもちろんのこと、クライミングそのものもほとんど初めての私は、もっとあーせいこーせいと細かな指導をいただけるのかなと思っていたのですが、そんなのまるでなし。講師の先生から5つのポイント(5つといいながら3つくらいしか言われなかったような気がするけど)をうかがっただけで、あとはもう好き勝手にどんどん登ろうよ!という研修会でした。

でもきっとそれが「楽しい」の秘訣なんですね!初めから細かくいろいろ言われたら萎縮してしまって、とても楽しいなんて感じられなかったかもしれません。これも「楽しく登れればそれでよし」という会全体の雰囲気があったからこそなのだと、ありがたく思っています。

一緒に楽しくおもしろく、飲んで登って教えてくださった先生方、あたたかく迎えていただき本当にありがとうございました!今度このような集まりがあったら、またよろしくお願いします!…でも初心者にいきなりの懸垂下降をさせるのは、もうやめてほしいです…(泣)。 《オブザーバー参加・唐沢千晶》

編集子のひとりごと

12月10日金曜日、木曽高校定時制では須坂園芸高校から福島伸一先生を招いて、講演会を開いた。ご存じの方も多いと思うが、福島さんは今年の3月までの約2年間、青年海外協力隊の一員として、アフリカのタンザニアで活動をしてきた。福島さんには6月の県大会で久しぶりに再会した折に、年度中に機会を設けるので、木曽高校でぜひその体験談を生徒に話してくださいとお願いしてあったのだが、それがようやく実現した。定時制のわずか20数名のために、わざわざ木曽まで足を運んでいただいたことに感謝している。奇しくも世界人権デーのこの日にぴったりの素晴らしい内容の話をしていただくことができた。

美しいスライド写真が130枚余、そんな映像とともに、タンザニアでの彼の活動の一端を知ることは大きな収穫だった。「学生時代からいつかはこの活動に参加したいと思い続け、夢を持ち続けていたことが、実現につながった」と、最後に生徒たちに夢を持つことのすばらしさを伝えるメッセージが優しい言葉で語られた。生徒たちにも福島さんの心は浸み入っていったことと思う。

その晩は定時制職員全員に旧知の筒井さんも交え、福島さんを囲んでの宴となったが、大いに盛り上がった。翌11日は天気がよかったため、福島さんと木祖村の水木沢に出かけ、森林浴を楽しんだ。森の中には、僕らの他は誰もおらず、まさに静謐で凛とした空気に身も心も洗われる中、カサコソと音を立てる落ち葉を踏みながらリフレッシュ。さらに、奈良井宿を散策し、そばを食べているところに、大町の松田さんから携帯に電話があった。「大町高校山岳部では11日の夜から12日にかけて、河原で耐寒ビバーク訓練をするから来ないか?」というお誘い。是非とも行って一緒に体験したかったのだが、今日の今夜というあまりにも急なお誘いだったので、残念ながらパス。天気はよかったからきっと充実した体験会が行われたはずだ。報告を待ちたい。(大西 記)