不定期刊行            144号  2005.721

中信高校山岳部かわらばん

     編集責任者 大西 浩

             木曽高等学校定時制

05年度第1回中信地区安全登山研究会

今年も夏休みを前に、大町北高校において中信地区安全登山研究会が開催され、学校登山と夏山合宿、縦走の検討会がもたれた。冒頭丸野大町高校校長より、安全登山の意識づけの意味で、この会の果たす役割は大きいとの挨拶があり、その後下岡事務局長の司会により会議は始まった。

梅雨に入り最初は空梅雨傾向だったが、中盤の大雨の影響で上高地へ通ずる158号線が不通になったままである。月火水と大町高校の学校登山の下見で槍にはいり、上高地から下山した松田さんの話では、夏山シーズン本番となってもこのままの状態だと上高地へのアプローチに余裕を見ておかないと、山行そのものに支障が出てくるとのことだ。また北ア北部や槍ヶ岳(グリーンバンドより下部)では例年以上の残雪があり、注意を要するとの情報もあった。

そんな中、学校登山をしている3校(白馬、大町、大町北)の計画の検討から始まった。白馬は、三年間に一回は参加するという原則で1年生と昨年まで参加できなかった2、3年生が、主に白馬岳を中心に、7月27日から28日の1泊2日山小屋泊で、3コースに分かれて実施するとの計画が示された。大町は全校生徒が3年間に3回参加するということで、より規模も大きく、今年は生徒471名、職員30名、山岳部OB23名が8コースに分かれての実施だそうだ。それぞれのコースについて、下見も行っているので、学校としては非常に大がかりな行事である。8コース中2コースが2泊3日で、期日は7月25日から27日までとなっている。今年度は引率する教師のために、6月14日に山岳総合センターの古幡さんを講師とした気象、救急法などの研修会を開催したとの報告があった。ご存じのように、古幡さんはセンターの開設時からの職員であるが、大町高校の山岳部のOBでもあり、この学校登山のサポートをするOBたちの元締め(?)もしている。大町北の場合は、いったん衰退した登山を復活させている途上でもあり、山のよさを一人でも多くの生徒に味わってもらいたいとの願いから、新穂高からロープウェイを利用した西穂(独標まで)登山。参加者は24名、引率は5名とのことだ。ここ数年で少しずつ参加者が増えているのは嬉しいことだ。

山岳部の登山については、大町、大町北、池田工業、美須々、県ヶ丘、木曽の各校の計画が検討された。中にはまだ細案が立てられていない木曽高校のような例もあったが、やはり部員の多い学校は山行も充実している。今年はどの学校も、山域は北アルプスであった。昨今の様々な事情を反映して3泊以上の合宿、縦走が見られなかったのは寂しい限りであるが、槍、穂高、燕、常念、鹿島槍、黒部など県外の人が聞いたらよだれの出そうな山ばかりが話題になった。ここでは県ヶ丘の行うユニークなコースを一つ紹介しよう。初日徳本を越えて上高地入り、2日目は岳沢から前穂高ピストン、3日目は焼岳を越えて中ノ湯に下山というもの。縦走と定着を組み合わせ、アップダウンもかなりあるハードなコースだ。ほかにもユニークなものがあったが、どちらの学校も、安全で楽しい登山を!

角丸四角形吹き出し: 今発売中の「岳人」8月号に松田大氏と二人で執筆しました。ご覧下さい。テント担いではるばるとーー南北アルプス縦走「基本」の8コース

すでにご覧になった方もいるかと思いますが、手前みそを承知でPR致します。今月号の岳人の第一特集は「縦走で山のチカラをつける」というもの。そこに大さんと共同執筆したものを掲載していただきました。以下本文のマクラです。

憧れの山を次から次へと結びながら登っていく「縦走」という登山形態は、山登りの原点である。山登りとは、人間の二本の足のみが頼りのなんともかよわい営みであるが、苦労の末にたどり着いたピークに立って、来し方行く末をはるかに望み見る瞬間こそ、まさに山登りの原点たる「縦走」の醍醐味を実感できる瞬間といえよう。・・・

ちょっと気取って大上段に振りかぶった出だしで、気恥ずかしい思いもするが、今まで高校生と一緒に行ってきた縦走を思い出し、「中信高校山岳部年報」をひっくり返しながら書いてみました。・・・以下続きを読みたい方は、岳人8月号(bU98)を買っていただければ幸いです。またご意見ご感想をいただければなお幸いです。

柿其渓谷で川遊び・・・木曽高定時制アウトドア部

年度当初から何かと忙しかったことに加え、定時のアウトドア部発足時から昨年まで熱心に活動していた生徒が今春卒業したことも相まって、今年の木曽高校定時制アウトドア部はここまで休部状態だった。しかし、文化祭も終わり、一段落したので、7月20日涼を求めて南木曽町の柿其渓谷でウォーキングと川遊びを計画した。参加者は1年男子1名、4年男子1名、2年女子1名に顧問が私の他に1名で合計5名。最初に少し散策をし、大桑村との境である恋路峠まで登り、中央アルプスを眺めた。ここからの眺望は、少し木が邪魔をしているのが残念だが、駒、宝剣から空木までが一望できる。

しばし眺望を楽しんだ後は、川へ降り、滝を愛で、カッパに変身!梅雨明けで暑い一日のはずが、当てが外れて意外と涼しかったため、意に反して川の水は冷たかった。それでも3人の生徒ともう一人の顧問今井先生はまるで吸い込まれそうなエメラルドグリーンの水に歓声を上げていた。昨年同時期に遊んだ田立の滝も生徒には好評だったが、木曽にはホントによき自然が残っている。こんなに身近なところに、こんなに気軽に川遊びが楽しめるポイントが随所にあるのだから。

今年の北信越国体は?

北信越国体が来週末に迫ってきている。浮須国体委員長によれば、今年も選手は中野実、白馬のクロス勢が中心だが、山岳部の活動としてクライミングに積極的に取り組みはじめた大町北からも候補選手が出てきて、最終選考を前に、監督はある意味嬉しい悲鳴を上げているところだそうだ。また長山協ジュニア委員会が育成してきた選手も次第に目を出し始めている。なかなか高校山岳部の中には定着してこないクライミングだが、取り組みをしているところの高校生たちには少しずつ根付き始めていると感じている。ちなみに監督は男子が岡谷工の村主さん、女子が白馬高の今滝さんです。応援よろしく!

編集子のひとりごと

今年の夏休みは35日間かけて、北アルプス全山縦走をすることにした。すべてテント泊で・・・。なんてのは夢のまた夢?現実のこの忙しさはなんなのだ!(大西 記)