不定期刊行            153号  2005.10.4

中信高校山岳部かわらばん

     編集責任者 大西 浩

角丸四角形吹き出し: 学校図書館にぜひどうぞ!             木曽高等学校定時制

  日本山岳会創立100周年記念出版「新日本山岳誌」

先日、高校の時の担任である小林俊樹先生(元高体連登山専門部登山部長、大町北高校長)のところを訪ねたおり、標記出版物のPRを依頼された。小林先生自身は、日本山岳会信濃支部の重鎮で、かなりの部分を記述されているとのこと。値段が18900円ということなので、個人でどうぞと気軽に薦めるわけにもいかないが、内容見本を見ると中身はかなり充実している。資料的な価値も高いので、各校の図書館にぜひ入れて頂ければと思う。

・・・日本山岳会創設とほぼ同じ明治39年(1906)に、第2代会長高頭式(たかとう・しょく)によって、日本の山を初めて網羅した「日本山嶽志」が上梓された。それから100年目を迎えるにあたり、現代の日本山岳会の総力を結集して、情報量がはるかに増えた1世紀後の「山岳誌」として刊行されるのがこの本である。深田百名山から地元で愛されている無名の山々まで、日本全国の4000山の情報を網羅したこの本は、「本編」と「総論」の2部仕立てで、2000ページに及ぶ最新、最大の山岳百科事典だ。山を愛するすべての人々、山のことを知りたい方々のために、ナカニシヤ出版から10月中旬に刊行されます。最寄りの書店で現在予約受付中です。

《本編−山の解説》1800ページ

・全国4000の山を、北は択捉、国後などの北方四島の山から、南は西表、石垣などの南西諸島の山々まで、90の山系・山脈に分類して、主脈の北から南へ、東から西へ、主脈から支脈の順に配列。

・各山の内容は、山系・山脈の区分、山名の読み方、標高、所在地、山容、山の成り立ち、山名の由来、歴史、文化、民俗、登山記録、山頂の展望、登路の状況と道順や交通などを、その山に準じて解説し、主要な山には写真と概念図も掲載。

《総論−日本山岳解説》200ページ

・日本の山脈・山地、地形についての最新の研究成果とデータが、調査によって書かれている。図表も多数掲載。

長山協拡大理事会IN長山協キャンプ

今年で19回目を迎える長山協キャンプが、10月1日、2日の両日、川上村廻り目平で開催された。このキャンプは長山協指導委員会が主管して行い、かつては勝野さんに誘われたりして、高校生を連れて参加をしたりもしたものだが、ここ数年は、山岳会員の参加も顔ぶれが固定化するなど、やや寂しい状態が続いていた。そんな中、今年は、長山協理事会としても、この機会を積極的に活用し「一人でも多くの山岳会員の交流の場にしよう」と言うことで、1日の夕方に「山岳会の活性化について」理事と山岳会員が意見交換をする拡大理事会の設定を決めた。

拡大理事会は、異なる立場の3人の山岳会員に山岳会運営の事例報告をお願いする一方、事務局サイドとしても加盟団体の協力を得て、山岳会の現状を探るアンケートを実施して臨んだ。さらに理事会の後は、金峰山荘の別棟と大広間を借り切っての大交流会を企画した。結果、57名の参加を得て会は大盛況で、「交流の場にしよう」という所期の目的は果たせた。

高校関係者の参加者も結構大勢いて、宮本(中実)、小沼(大町)池迫(茅野)、河竹(皐月)、松本(岡谷南)、星野(上田)に私と7人が参加した。信高の会員でもあり、理事としても顔を合わせることの多い宮本さんと星野さんはともかく、他の方々は、いずれも社会人山岳会に所属されて活躍されている方々であり、高体連の大会などではあまり顔を合わせることがないが、同じ高校の教員として、普段とはまた違った観点で山を語ることができた。

「加盟団体を越えて、山で顔を合わせ、技術を交流し、討論し合う中で前進し、人間関係を深めていくことこそ、山岳協会発足当時からのモットーである。」という長山協名誉会長の古原先生の挨拶がそのまま実践されたような会であった。その古原名誉会長を始めとして、山をはじめたばかりの信大の学生まで、実に多種多様な山男山女が57名も集まって、宴はいつ果てるともなく続いた。(ちなみに終了は2時を回っていた!)

翌日は、岩場に出かけるものあり、指導委員会の講習を受けるものあり、金峰山に出かけるものありとこれまたいろいろなバリエーションがある中、僕は「登攀クラブ安曇野」のメンバーに合流させてもらって、屋根岩3峰に出かけた。久しぶりの本チャンの岩場でリードもし、心地よい緊張感を味わうことができた。やっぱり、自然の岩場はいいなぁ!と実感。なかなか行く機会もないし、仲間もいないので、現実問題としては少しも上達もしないのだが、一度行くと麻薬みたいなもので、弾みがついてまた行きたくなる。誰か僕と一緒に遊んでくれる人はいませんか?

来週、12日県教委回答交渉が行われます

来週、12日(水)県教委回答交渉が行われる。本日行われた執行委員会段階での予備交渉の折、ここ数年来の課題である「山岳部引率に関する問題」も、交渉の重点項目の一つに加えて、当局にはボールを投げてある。当局の回答書の案では「課題として認識しているが困難である。」とのことだ。しかし、これではまったく納得できない。来週、また交渉の時には訴えるつもりだが、読者の皆さんの中でも参加される方がおられたら、事前にご一報願いたい。11月の確定で少しでも前向きな回答が引き出せるよう、ぜひ、現状、実情を訴えてほしい。またそのためにこんな事をしたらどうかというようなアイディアがあったらお寄せ頂きたい。

編集子のひとりごと

なんだか、一度書き始めると弾みがついて、つまらないことでも次々と書きたくなるから不思議なものだ。というわけで、2日続けてのかわらばんになった。僕の場合、書くという作業と、山登りにはどうも共通項があるようだ。しかし、この書くという行為と山登りという行為は、弾みがつくというばかりではなく、極めて個人的な自己満足な世界であり、かつ自分を見つめる場であるという点においてもやはり共通している部分があるような気がする。登っては書き、書いては登る。高校時代の同級生に先日「君は『山やの物書き』か『物書きの山や』かと尋ねられ、生意気にも僕は『山やの物書き』と答えたが、実際にはまだまだどちらも生煮えの半可通だ。(大西 記)