不定期刊行            159号  2005.12.1

中信高校山岳部かわらばん

     編集責任者 大西 浩

             木曽高等学校定時制

雲形吹き出し: 05 高教組対県確定交渉 大きな成果!

「テント泊」について一定程度の金銭的補助決定!

財政的に厳しい中、11月30日に行われた高教組の独自確定交渉で、懸案だった山岳部等の引率に関する手当てや旅費について大きな前進がありました。確定交渉の席上、最終的な回答として吉江高校教育課長より「山岳部等の泊を伴う旅費について検討する。これは平成18年4月から運用する。」という文言が読み上げられ妥結しました。検討するというのは「実施する」ということを意味しています。さらにもう少し解説すると、「テント泊について、ホテルなどに宿泊した際に当然設備されている水光熱費に相当する額を積み上げていった金額を、宿泊代相当分として支給する」ということです。この積み上げていった「金額」については今後具体的に提示されることになると思いますが、数千円になる(新潟ほどは見込めない・・・編集子注)見込みです。これに食卓費(2200円)を加えたものが一泊分のテント泊代として認められることになるわけです。

この件に関しては、2002年に旅費制度の改定がなされてから引き続く検討課題であったことは皆さんご承知のとおりですが、これまで多くの方々にご協力をいただく中で少しずつ前進をしてきたわけです。曲がりなりにも具体的なものを獲得できたという点では大きな意味があると思います。

この間、かわらばんでは発行当初からこの話題をずっと取り上げてきましたが、取り上げた回数はなんと19回と、我ながらびっくりです。以下ざっと振り返ってみます。2002年度の旅費改定は山岳部顧問にとっては衝撃的な内容でした。(かわらばん2、3、4、8、10、28)これについて、最初の段階から山岳部等については、問題があるとして高教組本部でもバックアップしてくれました。(かわらばん36、39)しかし、さしたる進展がないまま、02、03年度と経過する(かわらばん69、76)中で、なんとか打開策を見出したいと、昨年インターハイの折、専門委員長の星野さんを通じて全国の登山専門部の委員長にご協力をお願いし、旅費、特勤手当についての全国実態調査を実施しました。さらに、県内の山岳関係の顧問の皆さんには、実際に引率する上での苦労、困難点、問題点など生の声を寄せていただきました。そしてそれをもとに、実情を訴えました。(かわらばん111、114、115、117、118、119)同時に高体連登山部長の中谷先生(昨年大町北校長)、柏原先生(本年大町北校長)、中信安全登山研究会会長の丸野先生(大町校長)からも県や高体連に働きかけていただきました。その結果、昨年度の確定交渉では、「山岳部等の引率については課題として認識している。」という回答を引き出すことができました。(かわらばん121)

今年になってからも、この問題は本部でも重点項目として取り上げていただく中、年度当初の春闘要求書提出交渉の段階での県の回答は、「課題として認識はしているが、手当等の新設は財政状況から考えて難しい」というものでした。その後も3回の交渉を重ねる中で、なんとか昨年度以上の回答をいただきたいと訴えを重ねてきました。しかし、そのたびに帰ってくるのは年度当初と同じつれない回答でした。(かわらばん153)

そして迎えた昨日の確定交渉。会場には、山岳部の関係者も高橋(長姫)山口(中条)浮須(池田工)池田(須坂)の4名がおりました。交渉では私が口火を切り、これまでの経緯を説明し、改めてなんらかの手立てをしていただきたいと述べたあと、間髪を入れず、浮須さん、山口さんが相次いで経験に基づく実情を訴えてくれました。

今回の回答は、どの要求についても総じて前向きのものは少なく、この件に関しても今年度の今までのやりとりの感触はイマイチだったので、もし前進の回答が得られなければ、二の矢を放つつもりで発言を用意して回答に耳を澄ましていると、高校教育課教職員ユニットのユニットリーダー(康夫君はなんでこんな呼び方をするのかねぇ?・・・蛇足ながらユニットリーダーというのは昔で言う係長のこと)の林さんのコメントは「山岳部の引率の問題は課題として認識しています。財政状況が厳しい中、この間、大西さんから資料等も提供いただいて検討をしてきました。この問題はもともとは旅費制度の改定に端を発したものですが、その認識の上で、ホテルに宿泊した場合の水光熱費に相当する部分、テントの消耗などの部分で実費になるべきものがあるかどうかを検討してきました。その結果、○○(?この箇所聞き落とした)に理解してもらえ、なんらかの手立てができそうです。」というものだった。

正直、この回答には耳を疑った。書記長が「珍しく前向きな回答だ。とはいえ、まさか100円ってことはないね!」と冗談半分に念を押してくれた。これが100パーセント満足いく回答とはいえない。しかし、2002年から4年間かけて地道に取り組んできたことが報われた瞬間だった。

すべての要求の訴えが終わった後、県教委が改めて検討を加えた結果の最終の回答が、冒頭の吉江高校教育課長のコメントです。今後具体的な金額等の細かい詰めは行われますが、風穴を開けたことは確かです。これまでの交渉にあたり、県外の方々にも多くのご協力をいただきました。また、今まで交渉の場でも何人もの先生方に発言をしていただきました。こうして得たものは僅かな成果かもしれません。でも、みんなの力を合わせることで、こういう結果が勝ち取れたということを大切にして、いい山登りをしていきたいと思いました。山仲間の団結、組合の大切さを改めて肝に銘じました。

中信安全登山研究会冬山検討会

下記の日程で中信地区安全登山研究会の夏山反省会・冬山検討会を行います。文書は、近々学校長あて郵送されますが、予め、カレンダーチェックをお願いします。

期日:12月16日(金) 4:00〜 場所:大町北高校 応接室

編集子のひとりごと

大西英樹氏(塩尻志学館)が顔写真入りで今月号の岳人に登場しています。氏は山スキーの名手ですが、記事中のコメント「最近ヘルメットを着用」については、知る人ぞ知る(松田、小林、W大西)世界です(笑)。山スキーの知られざる穴場を紹介する記事です。GPSオタクとしての彼の工夫も紹介されています。時はいよいよ12月、山スキーで雪煙をあげる記事に心誘われる季節です。記事を読む限りそこに書かれているのは魅力的なコースです。ぜひ今年は連れて行ってもらいたいと思っています。ホントはもっと大きく取り上げたいのだけれど・・・詳細は、岳人で読んで下され!(大西 記)