不定期刊行            162号  2005.12.26

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

             木曽高等学校定時制

中信安全登山研究会 その3 技術交流会総括

 11月に行われた技術交流会は、もともと、中信地区の山岳に関わる、あるいは関わった先生たちが、みんなで集まってわいわいやろうというところからスタートしたものである。研究会の3つめの議題はこのことについての総括だった。

・山の世界では、何か起こったときに顔がつながっていることに意味がある。その意味でこういう企画はいい。

・顧問が技術や指導のあり方についてああだこうだ言って議論するのが面白い。

・山やの世界には往々にして、「俺は知っている」とか「こんなことやってるのか」というような雰囲気があるが、謙虚にやれれば非常に意義がある。

・今年で3回目の開催となったが、毎年毎年発見がある。

・担架を作っているとき、自分たちの関わっていることに集中していて、遅れてきた先生が入りにくい雰囲気を作ってしまったのではないか。これは反省すべき点。

これらの意見を受けて、事務局から次のような提起があった。「昨年、今年と山岳センターをお借りして実施したが、来年は中信安全登山研究会独自の企画に終わらせることなく、山岳総合センターの事業としてタイアップして顧問研修会という位置づけで行いたい。このことについてはセンターの方とも意見のすりあわせができている。」

以下、この件について私見を述べる。今山岳センターの高校関係の講習会は、残雪期の針ノ木と9月のクライミングの2本だが、かわらばんでもずっと提起しているように、ここ数年この講習会については、いくつかの課題が浮き彫りになっている。その一番の問題は参加者の減少と固定化である。そしてこれは高校山岳部の沈滞化とも大きく関係していると思う。そこで、この問題を打破するために、県内山岳部の顧問の先生方のニーズがどこにあるのかを、来年までに探って、そこに根ざしたみんなで造り上げる交流会(顧問研修会)の企画を提示したい。そのために、事務局と力を合わせて、かわらばん編集長としても少しアクションを起こそうと思う。乞うご期待、そして、乞うご協力であります。

中信安全登山研究会 その4 冬山計画の検討

こちらも夏・秋同様、学校別に計画を箇条書き的に示そう。

1、          大町:12月23〜25日に白馬みねかたスキー場で雪中生活の体験、1月、2月は鷹狩山、霊松寺にて雪中生活、3月23〜25日に例年と同じく栂池での合宿を計画。

2、          大町北:3月下旬に爺ヶ岳東尾根、5月初旬に場所は未定であるが雪上に連れて行きたい。

3、          美須々:1月14日に美ヶ原(三城〜百曲〜美ヶ原)にてスノーシュー体験、2月11日に蓼科山(峠の茶屋〜蓼科山ピストン)日帰り。

4、          県ヶ丘:3月3〜4日に栂池高原にてスキー研修。

 提出された計画は以上であった。すでに大町の一発目は終わったが、猛烈な寒波の中、どうだったろうか?それ以外の計画については、美須々については、顧問が一人、生徒が一人での計画ということだったが、できうれば顧問を複数にした方がいいのではないかということと、蓼科山については山の形状から赤布を持って行くことが必須ということが意見として出された。また、県ヶ丘の栂池については、三村先生が欠席だったため、詳細は不明ながら、ゲレンデを離れて山に入るにはまだ時期が早いのではないかという意見があった。

 この冬は、当初は暖冬の予想が出ていたが、12月に入り、寒波が次から次へと襲来し、ここ数年とは状況がかなり異なっている。くれぐれもその点は肝に銘じながら安全な登山を行って欲しいと願う。

講師講習会のお誘い

 下記の内容で、長野県山岳総合センターの特設講座「講師研修会2」が、長野県山岳協会遭難対策委員会・同指導委員会共催のもと開催されます。ねらいは、「講師としてまたは山岳関係のリーダーとして、雪質観察や埋没者の捜索救出訓練・搬送訓練をどう展開したらよいか検討することを通して、講師としての資質を高める。」ということにおいています。毎年のことですが、顧問の先生方の積極的な参加をお願いします。申し込みは、長野県山岳総合センター所長あてに、1月17日(火)まで。なお、詳細は長野県山岳総合センターまたは長野県山岳協会のホームページをご覧下さい。また不明な点は、センターまたは私のところまで遠慮なくお尋ねください。

1、期日:2006年1月28日(土)〜29日(日)

2、研修場所:黒沢尾根(実技)、山岳総合センター(講義、講演、泊)

3、受講対象:センター開設講座の講師および山岳関係者、当センターリーダーコース生、リーダーコース修了生/30名

4、講師:柳澤昭夫(長野県山岳協会会長、山岳総合センター顧問)

5、内容:〔実技〕雪の観察、弱層テスト、埋没体験、雪崩埋没者捜索訓練、搬送訓練等〔講義〕「雪崩のメカニズムと埋没者の探索方法」

6、申し込み:下記山岳総合センター所長まで任意の方法で

〒398−0002 長野県大町市大字大町8056−1

【電話】(0261)22−2773【FAX】(0261)22−5444

【E−mail】sance@nagano−c.ed.jp

編集子のひとりごと

冬休み前の最後のかわらばんです。木曽高校定時制のアウトドア部も、もう一発何かやって、休みを迎えようと考えていたのですが、予想外の雪の襲来に、結局12月は何も実施できずに終わってしましました。

例年、この時期には脱稿し終わっている年報の編集が、今年は少し遅れています。卒業学年の3年生、4年生に渡すために、寒中休みが終わるくらいまでには何とか皆様のお手元に届けるべく、これから冬休み返上の捻りはちまき、急ピッチで編集にかかります。ただし、まだ、原稿は間に合います。顧問の記録等で載せたい記事がありましたら、メールにて遠慮なくお寄せ下さい。中信以外の顧問の先生の記録も歓迎です。(大西 記)