不定期刊行            173号  2006.4.20

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

             木曽高等学校定時制

4月からのテント泊旅費はどうなるのか?

一体あの交渉はぬか喜びだったのか?

昨年末に高教組と県教委の確定交渉で「山岳部等の泊を伴う旅費について検討する。(平成18年4月1日摘要)」という回答が示されたがそれについての、具体化された指示文書が4月1日付で県教委から校長宛に出された。先日、その文書を事務室の旅費担当者から渡されて、正直僕は唖然とした。これを見て、ほかにもそう思った人は多いと思う。一体何が前進したというのだ!

通知文書には「登山部の活動においてテントを使用し、宿泊を伴う生徒引率を行った場合、その宿泊に要する消耗品費と使用料を支給する。」旨が記載されている。そして、消耗品費とは「固形燃料(暖房等に使用するもの。)、電池、使い捨てカイロ等」使用料とは「テント場代、トイレ使用料等」との記述があり、参考資料として消耗品2000円、使用料700円が例示されている。

私の認識としては、領収書なしで、宿泊相当分の水光熱費として2000円から3000円程度が定額支給されるものという認識であった。そして、みなさんにもそのように伝えていた。このことについて、4月11日高教組本部で高教組の賃対部長の菅沼書記次長と私が、県教委の高校教育チーム教職員ユニットの池田ユニットリーダーと担当者の原野さんとの間で具体的な詰めの話を行った。僕としては、満足いかないことばかりだったが、そこで確認された内容を伝えたい。ここで伝えきれないことについては、個別に問い合わせてくれれば詳細に説明するし、県大会など多くの顧問の集まるところで、より実質的な話をするつもりだ。

さて、本題である。大体、ここで提示されているものは、本校では従来から旅費雑費として認められていたものである。その意味で私としては全く納得がいっていないことをまず冒頭にお断りしておく。以下@からDまでが県の言い分である。

@        領収証をもって、消耗品を正式に出せるようにしただけで大きな前進と理解していただきたい。

A        例としてあげた物品はあくまで例であり、2000円という金額も上限ではない。

B        消耗品の例としてあげた「・・・等」の「等」の部分を読んでほしい。

C        これ以外に消耗品として考えられるものがあればあげていただきたい。

D        今の旅費条例では、「定額」という形での支給は無理であり、その点で他県のような形にはできない。

私はこれらに対して、これでは実質的には今までとほとんど変わりがないこと。今の学校現場の事務の体制では「監査」を笠にして、縮減に走っているので、県教委から事務への文書の末尾にその他ということで記述してある「消耗品については1回の活動において大量に購入することのないよう、あくまで1回の活動で使用する量の購入についてご指導をお願いします」ということに過度に反応し、我々の必要物品にも購入制限を加える可能性があること。また消耗品の例として、固形燃料などという現実と遊離した物品が掲げられている反面、実際には使う物品が掲げられていないこと。実際にはヘッドランプやランタンなども我々としては消耗品という認識であり、これらを数年に一回は購入を認めてほしいこと。それ以外のコッヘルやガスコンロなどの減価償却も見てほしいこと。また、電池などは学校で購入してあるものを使えというような指導はないか。などの点を質したが、回答はほとんど前段の繰り返しも含め、以下のとおりであった。

曰く、今まで出すとしても闇で出さざるを得なかった部分にお墨付きを与えた。その他の記述については、これはこういう文書の性質上書かざるを得ず書いたものである。消耗物品については、具体的にあげてもらえば、今後検討する。今回は旅費からの支出であるので、今までの学校の需用費は使わず旅費雑費として配分するので、買い置きの電池等を回すというものではない。

いずれにせよ、領収証が必要ということであった。物品についてはある程度、融通が利きそうな感触も得たが、減価償却分については難しい感じであった。

結論:とにかく領収証さえあり、それが「水光熱費の消耗品」であれば旅費雑費の中から出してもらえるというのが現段階での到達点です。したがって、この点で事務室との間で何か疑義、問題が生じた場合、とりあえず私が窓口になりますので、遠慮なく連絡してください。個別の事務室とのやりとりよりは前進すると思いますし、具体的な方法も示せると思います。

 県教委とは、このあとしばらくやりとりをし、引率の際の危険手当や県としてのフォロー体制、責任問題や保険対応などについても一言言っておいた。今後は、この部分で少し交渉をしていきたいと思っている。

第2回山岳スキー競技日本選手権大会IN白馬乗鞍

4月に入って、相次いで事故があった。その翌週の山スキーの大会。しかも場所も白馬乗鞍、主催が日山協ということで、絶対事故の起こせない状況での大会運営だった。僕ら大会関係者は翌日の本番に備え、15日は栂池ヒュッテに泊まったのだが、夕刻からは雪が降り出し、一晩中降っていた。朝、晴れ上がった空の下「必ず雪崩れる」斜面を前に、山岳地帯での大会開催は断念し、急遽栂池スキー場内に周回コースを設けての大会実施となった。昨年、世界チャンピオンを招いて第1回大会を開催した折、彼からは「世界的にもすばらしいフィールド」とのお墨付きを得たのだが、昨年の強風に続き、今年は雪と2年続きでコース変更を余儀なくされるという残念な結果に終わってしまった。まあ、山でやる以上、ある程度は予測される事態ではあるが・・・。結果的にはこの判断が正しかったと思う。長山協の役員の一人として協力してくださった皆さんに感謝申し上げる。結果は日山協のHPにアップされていますので、興味のある方はどうぞ。

編集子のひとりごと

旅費のことは、「書こう、書こう」いや「書かなければ、書かなければ」と思いながら10日も僕の頭の中をグルグル回っていた。その理由の一つはなんといっても県教委の態度に腹が立ったからであるが、もう一つは目の回るような仕事を目の前にして、ついつい後回しになっていったのだった。ここに書いた文章ではわかりにくい部分や、奥歯にものの挟まった言い方にならざるを得ない部分もあるので、不明の点は遠慮なく私のところまで問い合わせていただきたい。口でなら言えることもあります・・・。(大西 記)