不定期刊行            199号  2006.11.5

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

4年ぶりの岩肌」 松本筑摩高校 竹内勇一先生より

10月12日、大西先生のお誘いを受けて木曽高定時制アウトドア部の皆さんと木曽の岩場でクライミングをご一緒させていただきました。約3年半ぶりのクライミング、ゲレンデ・自然の岩の感触を殆んど忘れてしまった状態で果たして登れるのか?登るまでの様々な手順を忘れずにいるのか?と不安を感じつつ、おそれながら一番にリードをさせていただきました。

もたもたと思い出しながら準備をし、ムーヴなど元々体得していませんでしたが、久しぶりで余計にぎこちない動きながら、大西先生の助言もいただきつつ何とか登りきりました。当日は、雨の翌日で陽が十分に当たらずに乾ききらなかったこと、苔や泥などで滑りやすかったことなど、言い訳を見つけるには十分な条件だったことも相俟って、自分の技術力を棚に挙げつつ、一つ一つ思い出しつつ・・・。

ゲレンデや本チャンでは10aかbくらいが当時は限界でしたが、やはり今回も同じ結果に・・・。練習不足を痛感、「やはり人工壁と全く違うな」と感じ、また自然の変化の面白さを改めて思いました。

技量のなさからすぐにパンプし、途中でリタイアしたルートも。登れそうで登れないという絶妙の悔しさを感じさせられつつ、その後一歩を何とかしてやろう!という思いがこみ上げ、その日切り上げてから勤務中もずっとその悔しさ!?で頭がいっぱいでした・・・・(松本に帰ってからはすっかり疲れてしまいました)。

久しぶりのクライミングは、登る楽しさに加え、人との交流の場を広げてくれる楽しさも実感できました。突然参加したにもかかわらず、親切にしていただいた木曽高の生徒や先生方皆さんとの短いながらも楽しいひと時を送らせていただき、本当に感謝しています。「あ〜、これも山の楽しみの一つなんだな〜。」と改めて気付かせてもらい、また今後機会があれば参加させていただくと共に山に行く回数も暇を見つけては増やしていきたいという欲も出てきました。

来年の県大会の下見をしました

10月26日27日の両日、県高体連の反省会兼来年度の会場視察が行われた。例年この時期、県の登山専門部専門委員に次年度の県大会開催地区の専門委員プラスαというメンバーで県大会開催予定地の下見を行っている。来年は中信地区が当番地区ということで、私も参加してきた。来年度の県大会は、鍬ノ峰(1623m)で行う予定。松田氏曰く、標高はヒロフミという語呂合わせで覚えるとよいとの由。松本方面から大町に向かい穂高あたりまで来ると、標高こそ後立山に見劣りするが、凛としたピラミダルな山が自己主張している。この山こそ、大町高校山岳部が登山道を開いた鍬ノ峰だ。

当日の参加者は、小林(白馬)矢嶋(長野工業)星野(上田)久根(高遠)松田(大町)下岡(大町北)大西(志学館)筒井(県ヶ丘)と私の9人。隊を二つに分けて大町ルートから登る本隊と、常盤ルートから登るサブ隊との2隊で交差縦走を試みた。双耳峰のうち大町ルート側の北峰にて合流、情報交換。最高点の南峰からは眼下に大町市を望み、背後の後立山は山頂部分はうっすらと雪化粧。フォッサマグマの断層が南北に走っているのが顕著に観察できる。餓鬼岳の長い尾根も紅葉が美しい。秋の山を心ゆくまで楽しんで下山。その後は、ヤナバスキー場のロッジで打ち合わせ会議。ほぼコースは確定。27日は、お世話になる予定の大町市役所を訪ねた。

近く専門委員長からコース概要が送られることと思う。というわけで、これはあくまで私的な第一報であることをお断りします。

黒部のお宝さがし

先週、Yさんに誘われて黒部ダムから奥へはいり、ブナ林の中をしばらくさまよって「お宝探し」をしてきた。北の山にそろそろ雪の便りの届く今頃の時期、ブナ林は最後のお宝を僕らに恵んでくれる。お宝とは天然の「ナメコ」である。

今年は例年に比べて暖かく紅葉の見頃も遅れている感じであり、予想をやや下回る収穫量であったが、ナメコ、クリタケ、ムキタケなどがザックに半分ほどとれて楽しい一日だった。ブナ林の中を歩き回っていると、ナメコは光をあびて黄色く光っておりまさにお宝そのものである。群生するので、いい木を見つけるとそれだけで一気に買い物袋一杯になる。天然のナメコは、市販のものと比べると大きくぬめりも強い。

カタハとも呼ばれるムキタケは、淡泊で癖がなく、水分をたっぷり含んだきのこである。肉厚でみそ汁が最適だが、うどんなどに煮込んでも美味い。クリタケも煮物によし、炊き込みご飯によしと出汁の出るキノコである。

帰宅後早速下ごしらえをして、実家にお裾分けに出かけると、母が、待ってましたとばかりうどんを打っていた。秋の味覚を堪能。

今年は、比較的キノコは豊作だったということを聞くが、ナメコやクリタケが出始めると、キノコ採りの時期もそろそろ終わりである。でも、もう一回くらいお宝探しにいけるかな?

編集子のひとりごと

◆筑摩高校の夜間定時制で社会科の講師をされている竹内先生は、東京での学生時代には、社会人の山岳会にはいっていたということです。昨年は筑摩の通信におられたのですが、今年は夜定に異動、私とは定通制つながりということで、最近お付き合い頂いています。この夏、我が信高山岳会にも加入したニューフェースでもあります。

◆一つ、お断りしておかねばならないことがあります。前号まで参加を要請してきたセンターの研修会ですが、石川県で開催される「北信越高体連連絡協議会」とかぶっています。この協議会はIH及び北信越大会について協議するのが、メインの課題であり、例年両大会の参加者及び専門委員長を中心に5名ほどが参加して行うことになっている。今年のIHは事故もあったりしたこともあり、私を含め参加者は出た方が良いと思いますので、そちらに参加させて頂きます。ということで、小生自身は残念ながら研修会には参加できません。ご了承ください。

この研修会の目玉は今回の目玉は2日目に来年県大会開催予定の山・予定コースを地図を見ながらゆっくりと確認しながら歩くこと。本文でも紹介しましたが、来年の県大会下見をかね、是非お出かけください。(大西 記)