不定期刊行            217号  2007.4.

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

「春山スキー合宿」静岡県飛龍高校ワンゲル部 黒川勝先生記

 春休みを利用して3月28日、29日と1泊2日で長野県菅平の根子岳へ、市立沼津高校との合同春山スキー合宿に行ってきましたので報告いたします。本校からは2年生男子1名、女子OB1名と顧問の計3名、市立沼津高校は2年生女子1名、顧問の松井先生、杉本先生とお友達の漆畑先生の4名とで朝5時過ぎにスタート、東名高速で御殿場まで行き、富士山の東側から中央高速に入り、須坂長野東ICから菅平の奥ダボススキー場に9時45分到着。

 今年は雪が少ないことは承知の上で行ったのだが、スキー場は滑れてもリフトの終点の上は牛の糞が散在するまさに地雷原、ここは牧場だったのだとあらためて認識。今度で4回目になる根子岳スキーツアー合宿で雪なんかどこにやらという経験は初めてである。とりあえず足慣らしに1日券を買って午後2時までゲレンデで滑る。山の上の方には雪が付いてはいるので松井先生と調査したら、牧場の鉄条網のフェンス沿いになんとか雪が残っている筋を発見。なんとかなるさと冬テンは車において午後3時からシールをつけて出発し、笹薮を避けながら4時15分になんとか避難小屋に到着。

 いつもならヘリコプターが頭上を飛んでいてスキーヤーや登山者を見るのだが、今年は1人も出会うことはなかった。そして以前と違うのは高いアンテナが小屋の近くに立っており、良い目印になったこと。(おかげでAUのケイタイは最良の電波状態だった)また、小屋のかまぼこ形の屋根が鮮やかな黄色に塗られたこと、10人ぐらいは泊まれる小屋の中には4畳くらいの銀マットが敷かれていて有り難かった。着いてすぐにトイレを作ったり、雪だるまを作ったり、雪合戦をして遊んだ。こんな体験のできる部活動になぜ多くの生徒が入ってこないのか。現在うちの部には2年生が2人しかいないし、静岡でも徐々に山関係の部活動を持つ学校は減ってきている。何とか炎を燃やし続けたいものだ。

 持参した薪をストーブにくべると少し煙いけれど小屋の中は和やかになる。夕食はキムチ鍋だ。具が少なくなったら蒸し麺を入れてキムチラーメンと洒落る。市立高は豚汁ライスだ。生徒の前で悪いが、ビールとワインと日本酒で心も体も温まって寝る。

 朝6時、ケイタイの目覚ましに起こされると、もう外は明るくなっている。うどんの朝食を済ませ、7時40分にサブザックで出発。風が少し強いが雪も締まっていてシールがよく利きく。女子OBのスキー靴が足に当たっていて痛むようでペースダウンしたが、ヘリポートの先でスキーを外し、10時には根子岳頂上に着いた。記念写真を撮り、シールを外していよいよスキーで滑り降りるのだ。頂上付近でスノーシューをはいた1人を見ただけで、貸し切り状態のルートをベテランの松井先生を先頭に笹薮をうまく避けながら皆調子よく滑り、わずか30分で小屋に到着。パッキングをしてから小屋を掃除して出発。牛糞の地雷原は100mほど歩き、ゲレンデを滑って12時過ぎには駐車場に着いた。この頃になってやっと雲が無くなり良い天気になった。須坂の湯っくらんどで温泉につかり、野沢菜とおやきを土産に買って午後6時30分沼津に戻った。今回も皆満足の合宿でした。

石川県 鴻埜伸一先生より

地震のお見舞いありがとうございます。幸いこちらの方はほとんど被害はありませんでした。地震があったのは、朝食が済んで居間でくつろいでいるときでした。震度3くらいだったでしょうか。物が落ちたり倒れたりすることもありませんでした。

阪神淡路大震災の時の方が震度は大きく感じられました。同僚に輪島、門前出身の人が3人いて実家の方は大変だったようです。初任が能登の学校だったのでボランティアに行きたいと思うのですが春休みとはいえ年度代わりの忙しい時期でかないそうにありません。蓮華温泉スキーツアーに行ったそうですがうらやましいですね。私も5月の連休に山スキーに行くのを恒例にしていたのですが最近は他の行事が入ったりしてしばらく行っていません。3月27日に生徒をつれて金沢の医王山(白兀山896m)に行ってきました。雪が非常に少なく、上部のみでかんじきを使いました。顧問の山岳会である信高山岳会が25周年を迎えられたそうでおめでとうございます。学校が異なる顧問の組織が25年間も続くのはすごいですね。石川県にもそのような組織がつくれないかと思います。顧問の活力が部活動の再生の第一歩だと思います。信高山岳会の様子などもまたお知らせください。

石川県 北川甚一先生より

早速のお見舞いありがとうございます。私は加賀地方に在住のため揺れはありましたが被害はありませんでした。蓮華温泉でスキーとは羨ましい限りです。私も今週は県内、来週は西穂独標辺りまで散歩してこようと計画しています。ありがとうございました。

編集子のひとりごと

黒川レポートにある「避難小屋のそばの高いアンテナ」というのは、多分今県内で話題になっている「根子岳の風力発電」の調査のために建てられた高さ50mの試験塔だと思う。計画によると高さ100mの風車を根子岳に10〜16基建設することになっており、当初業者は5月にも補助金申請、来春にも着工の計画を進めているとのことだった。が、ここへ来て業者は一年先送りを表明したとのことだ。地元須坂市は1月までにパブリックコメントを募集、さる3月25日に開いたパネルディスカッションには100名を超える人が出席した。風力発電自体はクリーンなエネルギーであるという前提はあるが、菅平での建設については、地元住民をはじめとする景観上、自然環境上、水源などいくつかの問題も挙げられている中での試験塔だ。同様の計画があった入笠山では、結局地元伊那市が反対の意向を示したことで中止になっている。クリーンエネルギー、されど・・・というところでなかなか難しい問題を抱えている。それはそれとして長野県の高校でも山スキーをやっている学校は数える程だと思う。見習いたいものだ。石川県とりわけ加賀地方の皆さんには改めて地震お見舞い申し上げます。(大西 記)