不定期刊行            218号  2007.4.2

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

北海道 川村和男先生より

かわらばんを拝見して1つ冊子を紹介できればと思いメールしました。もしかしたらご記憶があるかもしれませんが、北海道教育大(旧学芸大)函館分校山岳部が大雪にて冬の合宿中に起こした10人の遭難事件の話が昨年12月に発行されました。40年振りに公にされたというらしいのですが、詳細な事実と文章力でリアル感が十二分にあります。タイトルは「凍れる命」だったと思いますが、今手元にないので・・・すみません。北海道では新聞社が書評を出すなど話題になっています。作品としては事実に基づきかなり鮮明な記述となっており、作者の描写力を感じさせてくれます。読んだ感想を今度聞かせてください。漫画であれば小学館より「岳」というビックコミック系という作品がでています。山岳救助の話ですが、これもおもしろいです。機会があれば道南の山々にも遊びに来てください。メールにて失礼いたします。しばらく冬眠中でしたが4月からまた春山に生徒と登る予定です。それでは失礼します。

群馬県 高橋守男先生より

いつも楽しく考えさせられながら読んでいます。自分の山をほとんどやらないまま、登山部顧問・役員という立場の登山ばかりで寂しい限りです。自分の責任ですが。そんな私と大違いの大西さんのエネルギーと登山に向かう態度に刺激されています。

最近行った山は、山岳連盟登山教室の一環で登った群馬・玉原スキー場脇の鹿俣山でした。10人の参加者を3人で案内したものです。スノーシューをはいての雪原歩きは、他では味わいにくい静けさと美しさを参加者に感じさせてくれました。

愛媛県 藤原昭宏先生より

ご無沙汰しております!愛媛の藤原です。いつも「かわらばん」ありがとうございます。大西先生の多種多様な活動内容に驚嘆しております。新居浜工業高校:定時制で7年目に突入します。(転勤なし)453020円の通勤定期(半年分)を4/1に購入することになります。専門委員長9年目、四国地区常任委員を兼務します。佐賀インターハイではC隊審査員?の予定です。平成20年度に愛媛で四国高体連50周年となります。私の叔父夫婦が4月下旬に「朝日村」に転居いたします。夏に叔父の兄弟たちと「鉢盛山」に行こうかと話を進めております。国体の「縦走競技」が最後の年を迎えようとしております。クライミングの施設がほとんどない愛媛では対応が困難です。まして、ボルダリングジャパンカッフ゜のDVDを見せるとパニック状況です。桜の開花が遅れ、入学式の頃にちょうどいい状態です。定時制2次学力検査の準備に追われ、毎度多忙な新年度を迎えます。残り10年の新たなスタート地点と考えております。

岡山県 田中初四郎先生より

「かわらばん」で「蓮華温泉スキーツアー」のわくわくするような記事を読ませていただきました。うらやましい限りです。3月24日午後から25日朝まで春の嵐の影響はありませんでしたか。私は岡山県高体連登山部主催の「春季登山大会」隊長として3月23日から26日鳥取県・兵庫県の氷ノ山に行っていました。概略は23日アルパインフュッテに泊、24日氷ノ山山頂付近にテント設営の予定が風雨共に激しく「避難小屋」に待避、25日天候の回復を待って、テント設営。トレッキングと雪上訓練、26日晴天の中下山です。私はこの大会に20回目の参加ですが、今年ほど残雪がないのは初めてです。例年山頂付近は「ネマガリダケ」・灌木がほとんど見えないぐらい積雪がありますが、今年は歩くのに困るぐらい「ネマガリダケ」・灌木が現れていました。斜面を利用して雪洞を作ることが出来るぐらい雪があるのに・・・。この度、倉敷古城池高校に転勤しました。山岳部はありませんが、平成19年度は専門委員長を務めます。なお、平成19年9月から平成21年8月まで地区常任を勤める予定でいます。

第3回全日本山岳スキー選手権大会

第3回山岳スキー日本選手権が小谷村の栂池、天狗原、山の神を会場に開催された。今年は中国、韓国にも呼びかけ、国際基準をクリアするコース設定をし、第1回アジア選手権を兼ねての開催でもあった。ヨーロッパなどでは少しずつメジャーになりつつあるとのことだが、国内では全国的なレベルでの大会はこの大会が唯一のものである。

振り返れば、第1回大会は山頂部の強風によるコース短縮、第2回目も同じ理由によりスキー場内での開催を余儀なくされるなど、これまでなかなかスムーズな開催ができなかった。今年も前日夕方以来の大雨と、強風によるゴンドラの運休で、朝の段階ではまたしてもコース短縮をせざるを得ないのかもしれないと嫌な予感がしたが、リフト乗り継ぎや雪崩監視の強化などの策をとることで、予定より1時間半遅れで何とか大会開催に漕ぎ着けた。大会には男女合わせて33名が出場、途中シールの脱着を7回行い、一部ツボ足区間も含め、総トータルで標高差1295mを登り、1322mを滑る行動距離合計約12qという苛酷なコースを最も早い選手は2時間を切るスピードで回ってきた。競技として見た場合、「成熟した競技」となれば、確かに見ごたえもあり面白い要素も十分で、可能性も感じさせてくれる。正直言って僕らの山スキーに対するイメージはかなり変わる。

主催は日山協であるが、第1回大会以来「栂池」という同じ会場での開催であるため、長山協としても、できる範囲で協力してきた。裏方として関わった者の立場として率直な感想をいうと、実際に第1回目から変わらぬ問題点も少なからずあり、競技として整備すべき課題がいくつかある。その意味で3回目にも関わらず、安定した運営ができたかといえば、首をかしげざるを得ない部分も多い。「山岳」をフィールドとした「競技」がなかなか成熟しないのは、「国体」「高体連」の登山大会にも共通する部分があるような気がする。そんな中で僕は、参加した選手達の息づかいが聞こえる場所で、彼らが力の限りを尽くしている姿を目の当たりにした。彼らの姿は本当に輝いて見えた。

編集子のひとりごと

山岳スキー大会の終了後、栂の森からハンの木コースを滑ってきた。雪は何とか下までつながっていたが、ゲレンデクローズももう間近。ゲレンデの雪は融けたが、山スキーはもう少し楽しめそうだ。残雪期の美しい山の季節が訪れた。(大西 記)