不定期刊行 第221号 2007.5.28
中信高校山岳部かわらばん 編集責任者 大西 浩
木曽高等学校定時制
里山二題
新緑が目に眩しい時期になった。事故の後遺症か、少々首筋が張った感じと右脇腹の打撲の痛みは残っているものの、日常生活では「アシ」を除いては平穏な生活に戻りつつある。そんなわけで、先週の日曜日(20日)は鉢伏山へ、そして昨日27日は鍬ノ峰へ登ってきた。どちらも仕事ででかけたわけであるが、それほど無理のない山登りは、遅々として進まない事故後の交渉で重い気分になっている僕にとっては、半分は気分転換みたいなものであった。
鉢伏山には
当日の参加者は、10歳から75歳までの約40人。親子連れから中高年まで、それぞれの体力や技術には差があったが、全体のペースを調整しながら、ゆっくりと登ることで、参加者全員が頂上に立った。あいにく360度の眺望を楽しむことは叶わなかったが、参加者からは満足との声をもらい、企画立案者としても嬉しい山登りだった。
一方の鍬ノ峰は今週末に高体連登山部の県大会が開催される会場である。その最終下見で専門委員長の小林さんと松田さんとともに登り、トラバースと岩場を安全に通過するため2カ所で「ロープ張り」をし、エスケープルートに使う前越平への道迷い防止のための「赤布張り」など最終のコース整備をしてきた。こちらも、頂上からは北アルプスが目の前に迫力ある姿で望め、眼下の安曇野の景色も美しい。新緑の日曜日ということもあってか県内外から中高年登山者が大勢訪れていたが、それらの人々に混じって、登山大会のためにいくつかの学校の山岳部の生徒が直前下見で訪れているのにも会った。野沢北、飯田風越、大町、塩尻志学館。山岳部の活動は、低調になっているが、山で高校生の姿を見るのは本当に嬉しいものである。来週はこの山に100人を越える高校生たちが集ってくる。彼らが大会で少しでもいい思い出を作ってくれることができることを願ってコース整備を行なった。
鉢伏山に一緒に登った「子どもたち」、鍬ノ峰で出会った「高校生」。21世紀は環境の世紀とも言われているが、その環境の世紀を背負っていくこれら若者たちが、身近な自然や山に親しみをもってくれるのは嬉しいことだ。また、私の体に残っている少々の体の痛みも自然に触れることで快方に向かったようだ。
翻って足下を見れば、定時制のアウトドア部も、今年は14人の大所帯となっている。4月に一度クライミングをしたきり、しばらく活動休止状態だ。気候もよくなってきたので、そろそろ本格的に活動を開始したい。部長の田中君とは来週あたり「木曽路踏査」を再開しようと話をしているところだ。
山と自然のシンポジウムIN松本
冒頭述べた鉢伏山登山は「
第3部は「自然名人と遊ぼう」ということで、「体験教室」と銘打ってワークショップを行なった。今は幼稚園園長で、長く美須々などで山岳部指導をしてきた元長野高校校長の西村忠彦さんの「木の実と楽しもう」、梓川や大町北などで山岳部を指導してきて退職後は「ピンピンコロリ」を座右の銘に、
最後は、山と渓谷社の社長の粟津彰治氏、環境省松本自然環境事務所の大坪三好氏、長山協会長柳澤昭夫氏、
県大会の旅費請求をみんなできちんとしよう
今回の県大会には県内の山岳部のほとんどの顧問が参加するはずです。ついては、一つ提案をします。一昨年度の確定交渉で、県は領収証がある消耗品について、燃料はもちろんリチウム電池などの特殊な電池などについても旅費からの支出を認めました。これは、至極正当な要求ですから、すべての学校できちんと旅費に領収証をつけて請求しましょう。加えて以前から運用の中で認められてきた「入浴代」や「食卓費」2200円の無条件支給はいわずもがなです。今回は正式なテント場ではないけれど、水道やトイレなどの施設使用料や借用料を徴収することになっています。これも全顧問がきちんと請求し、必ず学校から支出してもらいましょう。細かいことかも知れませんが、この積み重ねがこの次のステップになるはずです。
編集子のひとりごと
県大会が迫ってきました。大町高校の開拓した登山道で集いましょう。(大西 記)