不定期刊行            261号  2008.7.2

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

筑摩通信・木曽定時・木曽青峰定時3校コラボレーション

7月3日木曜日、アウトドア部でクライミングを企画した。当初計画では、「隠れ滝」で「川遊びなどもしながら焼き肉とクライミングをしよう!」という企画だったのだが、あいにく木曽路は、朝から雨。仕方がないので、駒ヶ根へと移動をかけて人工ボードでのクライミングとした。

今回は松本筑摩高校通信制の下岡さんにも声をかけた。筑摩の通信の総合学習の中で「クライミングなど野外体験」を取り入れているということで、当初はその実施のための下見をかねて下岡さんだけが来る予定だった。しかし、理解のある教頭先生らの計らいもあり、下岡さんだけではなく、生徒の参加も公に認めてもらったということでコラボレーション企画が実現した。20年来の山仲間で、国内はもちろん海外遠征にも2度一緒に行き、信頼感という面ではこれ以上ないパートナーである下岡さんに、「僕一人では手薄な部分を応援してもらう」という安全面でのフォローを頼みたいというのがもともとの僕の気持ちだったが、それに加えて「楽しいことはみんなで」ということも加わり、意図した以上の効果があがった楽しい一日だった。

今回の参加者は、「焼き肉」の魅力にも釣られたのか、木曽高校からは4年が2人(男女各1)、3年が2人(男子2)、木曽青峰高校からは2年生が5人(男子3・女子2)、1年生が1人(男子1)と、木曽勢はなんと生徒10人。そこに筑摩の生徒が1人。顧問は木曽(青峰)高校からクライミング初体験の河上さんも含め、下岡、大西の3名。総勢14名の大所帯であった。ある意味名目上とはいえ、木曽勢は1、2年生は木曽青峰高生、3、4年生は木曽高生だから、正確に言えばこの日の企画は、標題に掲げたように「3高」のコラボレーションということになる。時折小雨がバラバラと落ちてはきたものの、生徒の熱気や歓声が、その雨も梅雨空のうっとうしい気分もすべて吹き飛ばしてくれたのだろう、クライミングも焼き肉も大盛況で、雨も気にならなかった。

見知らぬ生徒同士、最初こそは、互いに距離がつかめずぎこちなかったが、焼き肉が始まる頃には、筑摩のY君もなんの違和感もなく、むしろ積極的に「肉奉行」まで買って出てくれた。実は、若者たちがクライミングに興じている間に炭を熾してくれたのは、「俺あんなことしたら身体こわしちゃうよ。」と温泉入浴を楽しみに参加してくれた本校生徒で最年長で63歳になる部員のHさん。「焼き肉」の部は、こうした人生の大先輩も交えての「大交歓会」と相成った。「もう食べられない」というまで、用意したものを食べ尽くした生徒たちの食いっぷりは見ていて気持ちがいいほど。〆の「焼きそば」こそ余ったものの、用意した肉は完食。

焼き肉後の重くなった身体で行なった午後のクライミングの方も大盛況で、なかなか終わりにできず、5時近くまで興じたため、木曽勢が、学校に帰り着いたのは授業開始1分前(掛け値なしに)!車の中で暫し睡眠をとった生徒たちは、その後はしっかり授業をしたことだった。帰宅後、下岡さんから「Y君は、本当によろこんでいました。クライミング体験できたことはもちろんのこと、交流できたのがとてもよかったようです。帰り道のセブンイレブンでは、N君と握手をしてました。一緒に活動してもらえて、本当によかったです。ありがとうございました。」とのメールが届いた。N君にこのことを伝えると「こっちも楽しかった。先生、また企画してよ。」と

アウトドアでのいろんな活動は、学校の枠を超え、世代のギャップもなんのその、生徒も先生も一緒になって、お互いが「人間」と「人間」の付き合いを通して心の底から楽しめる。「隠れ滝で今度はもっと多くの学校を巻き込んで一緒にやりませんか?」下岡さんの申し出に二つ返事の僕であった。今度はもっともっと多くの学校に声をかけます。

08年度中信地区安全登山研究会のお誘い

各校夏山の計画は進んでいるだろうか。毎年恒例の「中信地区安全登山研究会」が8日火曜日16時30分から大町北高校で開催される。事務局の西牧さんから、各校には通知が届いていることと思う。このところ、参加者が固定化している傾向にあるが、やはりここでの研究協議が中信地区の高校山岳部、全校登山に関する安全登山に果たす役割は大きいと思う。全日制の場合には、あまり業務に支障のない時間帯に設定されてもいる。中信全高校の山岳部の顧問は計画を持ち寄ろう。

編集子のひとりごと

最近の信毎などを見ていると「南アルプス」の鹿が大きな話題として取り上げられている。長山協では自然保護委員会が中心となって8月23、24日の両日仙丈ヶ岳で「南アルプス高山帯における鹿食害現地観察会」を実施する。現在参加希望者を募集中、詳しくは長山協HP(http://nmaj.org/branch/shizenhogo/2008/001.htm)で。(大西 記)