不定期刊行            265号  2008.7.31

中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

志学館の「夏山便り」・・・他人様に怒られながらも元気一杯、槍へ!

塩尻志学館高校の夏山合宿は、3泊4日、総勢8名で岐阜側から槍ヶ岳へ。報告は、横内女史から。塩尻の元気な生徒たちの顔が目に浮かびます。やはりインターハイ出場校は日頃の活動が充実しています。「IH出場もさもありなん」です。が、県陵にしても志学館にしても、また大町にしても今年のIH出場校はどこも「初めに競技登山ありき」でなく、日常活動の充実があっての「結果としてのIH」であるのが嬉しいですね。他校も負けずにがんばりましょう。(編集子注)

7月28日から31日まで、塩尻志学館は夏山合宿に行ってきました。

女子はインターハイが控えているので、そのための訓練の意味もありましたし、3年生男子はこの合宿で引退、そして新しい一年生を迎えて生徒6名、顧問2名の総勢8名での実施になりました。

28日:新穂高から槍平。前日までかなりの雨で、白出沢が通行できないのではと懸念されましたが、無事に通過。槍平はテントが私達以外には単独男性と父子ペアしかなく、快適でした。夜中になにやら動物が出現して、テントの周りを徘徊した模様。

29日:南岳経由槍ヶ岳。南岳新道の登りはさすがに厳しいものがありました。しかも女子一人がアブ(ブヨ)に顔をやられて、腫れあがってしまって可哀想な顔になってしまうし、見ず知らずのおじさんに「高山植物を踏みつけている!」とこっぴどく叱られてしまうし(本当は別の人が踏んだ後に私たちが通過しただけだったのですが・・・)散々でした。それでも生徒にとっては初めての槍ヶ岳、昼過ぎに一度穂先まで往復してもまだ足りず、数名は大西先生と日没前の誰もいない時間帯にもう一度駆け上がって、穂先で大声で叫んですっきりして戻ってきました。

7月下旬とはいえ、やはり槍の夜は寒かったです。生徒もカッパから何からあるもの全部着て寝てました。

30日:槍から西鎌尾根を経て双六へ。昨日、核心部が終ってしまい、ゆったりな一日。雪渓でカキ氷をやったり(シロップとゆであずき持参)、そり遊びをしたり。呆れるくらいに飽きずに遊んでいる姿に、ある意味感心しました。しかしこの日も双六のテン場で、昼間から他の高校山岳部の顧問に「うるさい」と叱られる始末。本当に今回は他人様にあれやこれやと注意される合宿でした。

31日:鏡平を経由して新穂へ下山。

3泊4日、ブヨにやられた以外は怪我もなく、具合の悪くなる生徒もおらず、最後の最後まで元気いっぱい、そんな姿に覚えていてくれる登山者の方が多く「お、昨日雪渓で遊んでいた塩尻の子たちだね!!」などと声をかけてくれる香川県からの中高年団体など年齢層の高い北アルプスで、一服の清涼剤になったとはちょっと大げさでしょうか。

大西先生は来週のインターハイに向け、現在頑張って準備しています。私も何か貢献できればと思って、簡単に合宿の様子など書いてみました。私個人は、ようやく梅雨明けらしいカラッとした晴天の下での縦走、下界のしがらみを忘れられて楽しい4日間でした。(以上横内 佳代 記)

北信越国体 少年男子1位、本国体へ

7月26日、27日の両日、新潟県の妙高で開催された北信越国体の結果をお知らせします。今年度からボルダリングとリードの2種目で競われるようになった国体競技ですが、長野県では当初少年女子の選手が揃わず、参加が危ぶまれましたが、なんとかフルエントリーでき、結果は以下の通りでした。○印は本国体出場権獲得を示します。

長野県チームは、他の2種別は惜しくも出場権を得ることはできませんでしたが、少年男子が見事本国体への出場権を得ました。監督は大町の小沼さん、それに尾形選手、中嶋選手という陣容です。尾形選手は大町高校の3年で去年に続く出場、中嶋選手は山岳総合センターの中嶋さんのご子息で、すでに高校入学前から名の知れたクライマーです。私自身は実際に会場に足を運ばなかったので、彼らの活躍の様子は結果でしか知れませんが、本国体開催を間近に控えて強化をしている新潟県を抑えての優勝は価値があります。心から祝福するとともに、本国体での活躍も祈ります。

また、「かわらばん」で選手を募集もしたりもしてきた少年女子は、長山協の森山副会長(競技部長)、浮須国体委員長、宮本副会長をはじめ多くの皆様のおかげで棄権せずにすみました。わずかな準備期間の中、中野実業の町田美紀さんと長野工業の松本和子さんがクライミングに取り組み、大会に出場し3位という結果でした。来年度以降に期待をしたいと思います。

さて、縦走がなくなって「クライミング」のみになった国体ですが、実際の運営はどうだったのでしょうか?山岳協会としてもこれを総括し、今後どういう形で進めていくのが望ましいのかを検討していかねばと思っています。今のところ、長野県では高体連との関係も維持しながら、それにとどまらない形で選手発掘をしていますが、ある意味一本釣りの要素もないわけではありません。競技としての成熟度や今後の発展などもう一つ先が読めない部分もあります。また、山岳部の活動と一線を画しているのも否めない事実ですが、しかし高体連の先生方のご協力も得ながら進めていかねばなりません。忌憚のないご意見をお寄せいただければと思います。

本国体は10月2日から5日まで話題の(?)大分県で開催されます。例の事件の影響やいかに?大会本部もてんやわんやといったところでしょうか。いずれにしろ、出場権を得た少年男子のみなさんには昨年に続いての健闘を期待します。

種  別

新潟県

長野県

富山県

石川県

福井県

成年女子

1

  2

 

4

3

少年男子

  2

1

2

4

5

少年女子

2

  3

1

3

5

編集子のひとりごと

今年の夏山は、例年にまして遭難が多いとのことで、長野県警は臨時登山情報を出して注意を呼びかけている。先日の白馬の落雷は雪倉避難小屋でのことだという。小生も明日から剱方面へはいるが、十分に気をつけたい。みなさんもお気をつけて。(大西 記)