不定期刊行            301号  2009.05.16中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

新緑の「水木沢天然林」を生徒と歩く

5月15日定時制アウトドア部では、新緑の「水木沢天然林」と「床並の滝」を歩いてきた。水木沢は木祖村と木曽町の境近くから流れ出て、木曽川の支流たる味噌川のさらに支流の笹川に流入するまでの2.5qほどの小さな川。木曽川の源流の一つでもあり、昨年6月環境省により「平成の水百選」にも選定された。その水木沢の流域には、木曽檜や椹、裏白樅、橅、栃など針葉樹と広葉樹が混交して生育した貴重な天然林が残されている。木曽では上松の「赤沢自然休養林」がメジャーだが、赤沢が植林の林であるのに対し、こちらは天然林。その太古の趣は心を癒してくれる。

この日は生徒6人と顧問が3人の合計9人でこの自然林を散策した。原始の森、太古の森と名付けられた森は、平日と言うこともあって静寂そのもの。そこに生徒たちの声がこだまする。道はかつての「林鉄」の軌道敷のあとをつなぎながら、沢の南北の山を巡る。足下にはツバメオモトやショウジョウバカマが咲き、コゴミやタラの芽、コシアブラに蕨などの山の幸も豊富。南の外れの展望台からは駒ヶ岳が正面に、権兵衛峠の間からは塩見岳が遠望された。そこから尾根を越えて「床並の滝」「平垂」という滝のある床並沢へ下る。こちらの南向き斜面は、趣ががらっと変わって植林された落葉松林。芽吹きが美しかった。滝のそばで昼を食べていると、ニホンカモシカがお出迎え。

全く環境の違うところに育ったフィリピン国籍の生徒が3人、初参加の王滝村育ちの生徒、部長をしている4年生は障害をかかえているが1年のときからのアウトドアフリーク、地元木祖村の生徒は現地までMBで登ってきた。6人とは言っても多種多様な生徒たちがそれぞれの感性でこの自然に向き合っていた。

北アルプス山岳功労賞表彰式と映画「星と嵐」上映会

特定非営利活動法人「北アルプスブロードバンドネットワーク」の代表理事穂苅康治さん(槍ヶ岳山荘)から情報提供をいただきましたので紹介します。今回表彰される「泉山茂之」さんは、小生がアリューシャン列島登山自然調査隊に参加したとき隊員として寝食をともにしました。当時、夏は殺生小屋、冬は明神に住み込んで、北アルプスの熊や猿など大型動物の研究を丹念に進めておられました。

「北アルプスブロードバンドネットワーク」では山岳環境保全活動の一環として、「北アルプス山岳功労賞」を設け、今年で4回目を迎えました。今年は信州大学農学部泉山茂之准教授を表彰し、その表彰状授与式を6月14日(日)13時より、松本東急インにて執り行います。またあわせて、ガストン・レヴュファが監督して1955年イタリア・トレント市国際山岳探険映画祭グランプリの受賞作品『星と嵐』の上映会を行います。入場無料ですので、皆様お誘い合わせの上ご来場ください。詳しくはHP(http://www.northalps.net/NorthAlps/kourou/event1.asp)をご覧ください。

編集子のひとりごと・・・激励とご心配ありがとうございます

多くのみなさんから、かわらばんが300号に達したことへの激励と腰痛へのお見舞いをいただき恐縮しています。腰の方は、その後医者にみてもらったところでは、単純な「腰椎捻挫」との診断で、ようやく普通の動きができるようになってきました。単なる「老化」で「腹背筋」が衰えているのが原因かと、少しばかりショックを受けているところですが、老化は避けられません。この年で体力の増加は望むべくもないのは自明の理、衰えの度合いが鈍化するようせいぜいこれからも出来る範囲でのトレーニングと山登りをしていこうと思っています。・・・ということで、冒頭に掲げたように昨日もリハビリを兼ね、生徒と木曽の山野を歩いてきました。以下メールをお寄せいただいた方にお礼の意味をこめて紹介します。なお、これ以外にも電話等でご連絡下さった方もいます。全員をご紹介はできませんが、この場を借りてお礼を申し上げます。

「かわらばん」300号おめでとうございます!「かわらばん」第1号が発行されたのが私たちワンゲル女子部員が木曽高に入学した年なので…もう7年目になるのですね。最初の頃の号は私たちの活動の記録にもなっていて、今読み返すと懐かしい思い出で一杯です。最近は山と縁遠い生活を送っていますが、山の楽しさを思い出させてくれる「かわらばん」大好きです。これからも楽しみにしていますので、500号、1000号と頑張って下さい!腰を十分いたわって山を楽しんで下さいね。それでは。(小松 香央里・・・注:小松さんは前号にも記載した元木曽高ワンゲル部生徒、国体選手)

300号おめでとうございます。そして、今後も楽しみにさせていただいています。しかし、思わぬ災難になってしまわれたとのこと、お見舞い申し上げます。私は、50代でスキーにて一度腰を痛めましたが、それ以来、腰のためのストレッチは欠かしていません。腕のいい整形外科医と理学療法士が必須です。どうぞお大事にして、早い回復そして山への復帰を果たしてください。(佐久 林卓子)

かわらばん300号いただきました。恨めしいゴールデンウィークとなってしまった由。お気の毒なことでした。呉々もお大事になさってください。超ベテランの先生でも、年齢と共に腹筋・背筋の衰え?がじわじわ顔を出し始めたことが一番の要因かと思われますが(大変失礼)、それにしても副因?たるアルコールエネルギーの重量たるや何とも重すぎませんか?呉々もお大事になさって、次回をお待ちください。(長野救命医療専門学校 小宮山守)

大西さん 300号おめでとうございます。楽しく読ませてもらっています。腰の激痛、そしてゴールデンウィーク山行が無念の中断、お見舞い申し上げます。早く直して前線に復帰してください。楽しく、湯気の出ているような記事を楽しみにしています。今後ともよろしく頼みます。(高橋 守男:群馬 吾妻高校)

ぎっくり腰ですか?背骨に異常がないか診てもらって下さい。お大事に。小生も過去2回ぎっくり腰で全く動きが取れなかった事が有ります。その1、車庫の隅っこある古いバッテリーを中腰で取ろうとしてギックリ。二階まで這い上がったもののトイレにも降りられず・・、三日間ほどダウン。他人の荷物を博愛精神で無理をしないように。昔、ひと足遅れた小生に、登山口に置いてある荷物を担いで来るように云われ、簡単にOKしたものの、その荷物は背板に括り付けた木箱入りの1升瓶の清酒が10本。何とこれが遭難者捜索隊の荷物でした。(石川 石森長博)

大西様 300号おめでとうございます!腰の具合はいかがですか?そもそも「ビール18本」ていうのが、凄すぎます!!(中略)身体は確かにトシをとっているわけだから、液体燃料10sも余分に持とう、なんて無茶はしないにこしたことはありませんね。お大事にね。(東京 本多典子)

多くの方から言われたのは「液体燃料」の多さでした(笑い)。自重します。300号というのも、読者の皆さんに支えられながらの結果と改めて実感しています。今後も息切れしないようにマイペースで続けますので、読者の皆さんからも積極的なご投稿をお願いいたします。以上やや長い「編集子のひとりごと」でした。(大西記)