不定期刊行            312号  2009.08.22中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

かわらばん 愛媛版

お久しぶりです。愛媛の藤原です。いつも、積極的な山活動をお知らせ頂き、ありがとうございます。今年の夏は、天候が不安定で、予測がたてられません。7月下旬の「白山」山行は中止となり、8月の南アルプスは強行しました。愛媛の山仲間「えひめ一歩の会」にて参加者30名、貸切バスで出発。

8月6日(木)北沢峠着(小屋泊&テント泊)曇りのち小雨、静岡県・滋賀県・群馬県の高校登山部のテントがありました。

8月7日(金)早朝より小雨、出発時間を5時40分に遅らせる。小屋組がテント場へ。仙水峠まで行くことになり出発、峠にて雨があがる。駒津峰まで登ると、甲斐駒ヶ岳が目の前に、勢いで登山継続!山頂からの展望は、仙丈ヶ岳・北岳あたりが断続的に見えるだけ。双児山経由で下山、静岡県と入れ替わりで栃木県の高校がおりました。夕方より、強い雨、テントの中で時間つぶし&深い眠り…。

8月8日(土)2時頃より月明かりで眠れない。3時30分朝食後、テント撤収!5時に北沢峠トイレ横、小屋組と合流して登山開始!日差しが強い!二合目・四合目にて休憩、雲が湧き始める。振り返ると甲斐駒ヶ岳!「大滝の頭」分岐を過ぎ、森林限界となる。北岳&富士山が見えている。小仙丈ヶ岳で長め(眺め)の休憩となる。山頂にはガスが近づく。最後の二頑張りで、仙丈ヶ岳山頂到着である。展望は断片的である。下山は仙丈小屋経由。冷たい湧き水?で感激する。花も多く見られた。馬の背ヒュッテ付近は鹿防止ネットで囲まれていた。歴史ある山小屋である藪沢小屋のトイレは20度近く傾いていた。「大滝の頭」合流から、同じ道を下る。北沢峠まで約40分であった。ゆっくり組は30分遅れで到着する。団体予約の臨時便にて仙流荘へ。

8月9日(日)午前8時バス出発、台風の影響が…。交通規制にて…。

8月10日(月)深夜0時20分松山着、宇和島の人は何時になることやら?

<感想>  団体登山のため多く方々に迷惑をかけていることを感じた。

      反面、譲り合いの精神をなくした人々が増加している?かも…。

愛媛県立松山工業高等学校:藤原昭宏(元愛媛県高体連登山部専門委員長)

(編者注)前号の志学館横内さんのレポートにもありましたが、天候が安定しない中、今年の南アでは8月前半は結構あちこちの高校の合宿が旺盛に行われたようですね。北アや八ヶ岳の様子はどうだったのかなぁ。誰かレポートしてくれませんか?

読者の皆さんからのメール いつもありがとうございます

《山崎佐喜治さんより》

福島の三山懐かしいです。7年ぐらい前に妻と行きました。午後に家を出て、峠の駐車場で泊まり。(クマが出ますの張り紙に妻はビビル。)翌朝に磐梯山を、午後に西吾妻をやりました。その後安達太良の麓に移動、くろがね小屋に向かったら日没。ヘッドランプの乾電池が終わっていたのを忘れていて、真っ暗い中を二人で手探りで歩き、やっと小屋についたら、拍手で迎えられた。というのは錯誤で、みんなが暑い小屋から出て、花火をみていて歓声があがったのでした。しかし、ここの温泉は素晴らしいものでした。女風呂で女房が私のことを話したら、顔をみたいと男湯まで裸でこられたのにはびくっとしました。百名山巡りの最大のエピソードです。(本邦初公開)次の日、妻の念願の安達太良山に登り、午後高速で自宅に戻りました。大西さんの1日目と、2日目がそっくり入れ替わったコースでした。東北8名山紀行は登山部報に書きました。

志学館の報告は面白かったです。昔いたこともあって。このような顧問レポートがときどきあると有り難い。現代高校生気質もかいま見られてたのしみです。

《小宮山守さんより》

(福島の山は)私も何年か前にゆっくりのんびり楽しんで登ってきました。安達太良山は乳首山という名称とともに沼ノ平火口が強烈に印象に残っています。何年か後に北海道十勝岳の安政火口を目にした時、荒涼とした火山景観が全く瓜二つで、かつて登った安達太良山をすぐに想い出しました。8時に下山の磐梯山にも驚きです。西吾妻山はまさに茫漠としてつかみどころのない山。実感でした。ピークハントのみを目的としない百名山登りにも、またそれなりの違った魅力や楽しみがあると思っています。

《勝野順さんより》

新疆・チベットの情勢、80年代の蜜月時代はとっくに終わっています。中国はあの頃の国情と二回りくらい先の次元に突入しているのだと思います。でも、2000年前に比べればはるかにマシだと思いますよ。歴史は繰り返すけれど、螺旋状に進歩していると実感しています。歴史を信じて前に進みましょう。

十石山、懐かしい!かつて県境踏査で乗鞍林道から安房峠まで、当時梓川高校の松田泰尚先生と生徒二人(?)と歩いた。実に楽しかった。安房峠に着いて「県境踏査完成式」だった。記録を見ないと定かでないが、避難小屋の記憶はない。覚えているのは、林道登山口から降ったコルの先にコマクサの大群落があったことです。今はもう無いのかなあ・・・新しい避難小屋を見にゼヒ行きます。

編集子のひとりごと

今回は読者の皆さんからの投稿を紹介した。「愛媛から長野の山へ」、読んでいてつくづく思うのは、僕は本当にいいところに住んでいるんだなぁということ。朝起きてそれから決めても北アルプスの2500mくらいの山に平気で日帰りで行ってこられるのだから。長野県内は今週あたりから新学期が始まった学校もあるかと思うが、夏山レポートをいただければ幸いだ。山崎さんのように楽しみされている方もいるのでぜひ。

聞くところによれば、今年は大北3高校で行われる予定だった「学校登山」はいずれも中止になった由。どこも本来一番天候が安定しているはずの7月下旬の時期に設定しているのにもかかわらず、ここ数年中止のやむなきに至った年が増えているように思う。東北などでは梅雨空け宣言が出されず、「今年の天気」は異常と言われているが、もっと長いスパンで見たとき「今年」だけが特別というのでもないような気もする。シーズン直前の大雪山での衝撃的ともいえる事故の影響もあって、「異常事態宣言」まで出された昨年に比べれば事故件数などは少なくなっている(7月の発生件数で前年比−18件)が、県警はお盆過ぎの8月17日にも「夏山情報 第2号」を出して注意喚起している。

来週は涼しくなるとも報道されているが、新学期がいよいよハジマル。(大西 記)