不定期刊行            340号  2010.02.01中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

中信高校山岳部年報 第33号上梓

本年度の中信地区の高校山岳部の活動のまとめである「中信高校山岳部年報 2009 bR3」が完成した。今年度は、大町、大町北、池田工業、明科・松本深志、松本美須々ヶ丘、松本県ヶ丘、塩尻志学館、木曽青峰(全日)、木曽・木曽青峰(定時制)9校10課程の高校の山岳部が活動報告をしてくれた。その他には、例年同様、登山部長で大町北高校長の小林善一先生の玉稿、中信新人大会と県大会の記録を掲載。また、顧問寄稿としては手前味噌ながら、大西が、この一年間に書きためたかわらばんの中から高校山岳部の活動に役立ちそうなものを総集編として編集したもののほか、御嶽における中信新人大会の際に参加者33名(男子生徒18、女子生徒5、男性顧問8、女性顧問2)に協力して頂いてとったパルスオキシメータ及びレイクルイーズスコアのデータ、登山研修所の「登山研修」に掲載された「高校山岳部指導者のあり方」に関する拙論なども掲載した。中信地区以外の顧問の先生方、その他ご希望の方には、今年は1部500円でお頒けします。ご希望の方は大西までご連絡ください。

金松寺山登山(1/29)

寒中休業の初日の1月29日(金)、赤羽康定さんと二人で金松寺山に登った。9時30分、登山口発。北アルプスの峰続きの山ということもあり、午前中は昨日来の雪が残っていたが、次第に天候も回復、なかなか愉快な登山であった。

9時25分、小雪舞う金松寺林道のゲートを出発。林道をしばらく進むと、地元梓川中学校の生徒が昭和53年に「あずさ(みずめ)の木」を植林したという森が右手に出てきた。いにしえ梓弓をつくった「あずさの木」は、今は合併でなくなった梓川村の村木だとの注記があった。10時5分、林道終点に到着。ここから尾入沢を高巻き次第に高度を上げていく。ここは檜の山であるが、鹿の食害防止柵が張られており、途中何カ所かそこを通過するときにはゲートを通過するようになっている。送電線の監視道でもある九十九折の道が急斜面を切っているが、斜面全体は檜の純林となっている。だがせっかくの森も、かなり木が込んでおり、もう少し手入れをしなければもったいない。11時5分、送電線を前方に仰ぎ見る折り返し地点(1390m)で一本入れる。このあたりではまだ雪もそれほど深くはなく、脛ぐらいまでのラッセルだ。やがて道は北北東にトラバースする道となり、山頂をまくようになる。12時10分天狗岩へのトラバース道との分岐に到着。当初は天狗岩までというつもりであったが、かなり雪も深くなり、ラッセルも予想されたので、今日の目的は「金松寺山」までにしようと、ここから金松寺山山頂を目指す。結果的にはワカンも持参していなかったので、いずれにしろ天狗岩までは届かなかっただろうと思う。また、冬期は行くとしても夏道であるトラバースルートではなく、金松寺山から稜線通しに行った方がいいだろうとも思った。

さて、この分岐から山頂までの標高差100m弱は股までのラッセルを強いられ、往生した。およそ30分のラッセルで12時30分に山頂着。周囲を樹木に囲まれており眺望は望めない(そのかわり途中には何カ所か好展望の場所あり)が、広い山頂にはベンチとテーブルもありゆったりと休むことができる。山頂で50分かけてゆっくりと昼食を摂った後、稜線通しに天狗岩方面に少し行ってみるが、これはまた次回のお楽しみである。13時20分山頂を後にした。下るほどに天候も回復し、眼下の安曇野と対斜面の美ヶ原など東山が美しかった。15時20分、登山口着。振り返ると、朝方には望めなかった「金松寺山」のピラミッドが、大きくそそり立っていた。

乗鞍で快適山スキー(2/1)

寒中休業の最終日の2月1日は、一人で乗鞍に出かけた。夕方からは天候の悪化が予想されたが、午前中は持つだろうと8時15分に自宅を出発。乗鞍スキー場には9時30分に到着。リフト3本を乗り継いでゲレンデトップについたのは10時少し過ぎだった。10時10分に歩き始める。28日は木曽高校定時制のスキースノーボード教室、29日は金松寺山登山、30日と31日は山岳センターの講師研修会で黒沢尾根と前日まで4日間ずっと雪山の中にいたせいか、身体がよく動く。加えて雪の状態もよくシールがよく利いてぐんぐん高度を稼げる。登りだして30分、先行の三人パーティに追いついた。11時、位ヶ原の下部で一本とる。今のところ風もなく景色もよく見える。このまま速攻で行ってくれば大丈夫だろうと先を急ぐ。位ヶ原への急斜面を一気に登るとそこはもう高木はない。右手に車道を見ながらダケカンバの疎林を過ぎると大斜面となった。前方に大雪渓下のトイレが小さく見える。ホームグラウンドといってもいい乗鞍だが、昨年は来ることができなかった。位ヶ原まで登ってくると、ああまた来たなぁといつも思う。ここから先は強風に悩まされるのが常だが、今日はそれほどでもない。

半分雪に埋まっているトイレを右手に見ながら、その先のちょっとしたこぶを乗り越すと肩の小屋が見えてきた。ここまでくればあと一息である。右手の穂高連峰もくっきりと見えている。後ろの正面には鉢盛山が大きく、その後方には八ヶ岳、さらに右手に南アルプス、中央アルプスが屏風のように連なっている。11時55分、肩の小屋着。最初から頂上まで行くつもりはなく、アイゼンを持ってきてはいないので、今日はここまでとする。写真を数枚撮ったあとはシールを外し下降の準備。一気に位ヶ原まで下った。風がなかったので、表面もクラストしておらず適度に締まっていて快適な滑降となった。

位ヶ原の台上から急斜面を下り、樹林帯に入ったところで一休み。景色を眺めながら昼食タイムとした。天気は下り坂で、登り初めのころよりは雲が広がって来た上に少し下がってきているが、未だ展望はありまだ暫くは持ちそうだ。

12時50分には無事駐車場に到着。で、自宅に帰ってきてこの文章を書いていたら、雪が舞い始め、あっという間に外は白くなった。でも感覚的にはなんだかもう春の暖かい雪だ。今年の冬はこのまま終わっちゃうのだろうか。・・・というわけで、土日を含むここ5日間は、山三昧、スキー三昧、雪三昧の冬山満喫の贅沢な日々であった。