不定期刊行            343号  2010.02.19中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

「北信越高校スキー登山研修」のお誘い

昨年2月、石川県と長野県の高体連登山専門部の有志を中心に雨飾山と栂池白馬乗鞍で山スキーを行った。この企画は、前年秋に行われた「北信越高体連登山部連絡協議会」の中で意気投合した石川の根石修先生と長野の大西英樹先生らの発案によるものであった。昨年は石川県から2名、長野県からの5名に加え、岡山県から田中初四郎先生もはせ参じて下さり、8名で楽しい一時が過ごせた。(かわらばん294号参照)その折、毎年交流しながらできればということで、今年度は「石川県」が中心になって立案してもらうことになっていた。そんなわけで、根石先生が年明けより何度か日程調整をしたり場所を研究したりする中で、3月6日7日の両日、新潟県の白鳥山などを会場に設定して計画を立てて下さった。

もし日程があう方がおられましたら、一緒にいかがでしょうか?もちろん、「北信越」以外の方でも歓迎します。ちなみに今年も田中さんは参加を表明してくださっています。以下に概要を示しますが、詳細は、下記URLにアクセスしてダウンロードの上ご覧下さい。http://homepage3.nifty.com/o_neishi/hokushinetsu-yamaski.html

目的:北信越地区において登山活動を行う教職員を対象に、スキーを用いた登山行動を通して積雪期登山技術の研修を行う。また、雪山で活動するにあたって必要とされる、雪崩についての正しい知識とマネジメント・スキルについて研修を行う。

日程:3月6日 集合6:30 国道号線より県道115号に入り、境川沿いに進み、駐車に危険のない場所。(富山県下新川郡朝日町境〜大平近辺)詳細現地決定。

その後、白鳥山にて山スキー。下山後、越中宮崎の民宿にて宿泊の予定。

3月7日 赤禿山(糸魚川方面)または放山(能生方面)にて山スキー。解散14:00ごろを予定。

なお、山域についてはそれぞれ、1/25000地図、親不知[白鳥山]、越後平岩[赤禿山]、湯川内[放山]で確認してください。

申し込み26(金)までに、申し込みフォームに必要事項を記入して、根石さんまでE-mail(詳細URLにて確認願います)にてお申し込みください。保険加入等対応お願いします。

申し込みフォーム:〔氏名] [氏名ふりがな] [性別] [年齢] [血液型(ABORh+-)] [山岳保険の有無・内容] [現住所] [電話番号] [携帯電話番号] [コールサイン] [緊急連絡先]−※緊急時に連絡の取れる電話番号と、留守宅で連絡を取るべき人を記入してください(例: ) [ビーコンの有無および機種名] [E-mail] [所属学校名] [その他連絡事項]※必要があれば記入してください。

参加費:宿泊費−¥8000円程度(1食)

懇親会費実費(主に飲み物代となりますが、参加者で均等に負担する予定)

その他:集合場所、宿泊等の細案については、申し込みされた方に根石さんから直接連絡が行くと思います。

小沼先生の取り組み

昨年秋の国体山岳競技の長野県少年男子チームの活躍は記憶に新しいところだが、それでは来年度以降もそれが継続されるかというと、はなはだ心もとないというのが実情である。クライミングをジュニアの段階から指導できる環境が整っていないというのがその大きな理由である。これについては、かわらばんでもずっと以前から憂えてきたことであるが、大町高校の小沼先生の取り組みは先を見据えた取り組みとして注目に値する。このほど活動を紹介するホームページが立ち上がったので、紹介したい。URLは下記の通りである。http://sports.geocities.jp/onutak2009/index.html

小沼さんは、昨年春から、大町市体育協会内の大町スポーツクラブの中にクライミングクラブを立ち上げた。いわゆる「総合型地域スポーツクラブ」の一部門としてクライミングクラブを立ち上げたわけである。私自身、高校生も含む子どもたちにクライミングを普及するためには、二つの問題があるとずっと考えてきた。二つとは「場所」と「指導者」の問題であり、さらにそこに「保護者」を巻き込んでいくことがなければ活動としては成り立たない。そう考えながらも、具体的に動くことのなかった私である。今回の小沼さんの取り組みは、大町という「場所」と小沼さんという「指導者」があって、その上に小沼さんの熱意が加わって実現したと思う。

同クラブの活動は毎月第2、第4土曜日の10時から12時に大町北高、山岳総合センター、運動公園人工壁を拠点として続けている。コーチは今のところ小沼さん一人。対象者は小学校3年生から大人までで、今年の登録者は16名とのことだ。小沼さんの前向きな挑戦に敬意を表し、多くの山岳関係者に紹介するとともに、今後の発展を山岳協会としても応援したい。

中国新疆との電話回線回復

昨年の騒乱以来、ずっと直接連絡が取れなくなっていた新疆であるが、昨夜ヌルマイマイティ氏の携帯に電話をしたところ通じた。旧暦で動いている中国では今がちょうど春節なので、ちょっと仕事が暇になっているところだというヌルさんは、「もう大丈夫でしょう。ぜひ来年の遠征を成功させましょう。」と電話口の向こうで元気そうな声を聞かせてくれた。家族も無事で、今やウルムチは全く平穏に戻ったとのこと。さんざん待たされたが、ほぼ7ヶ月ぶりに電話回線が回復した。毎度毎度待たされたが、メールも3月には復活の見込みだという。よしんばメールが開通しないとしても、電話回線が復活したので、ファックスでの通信が可能になった。信高山岳会の2011年の遠征、そのための今夏の偵察へ向けてやっと動き出すことができる。

編集子のひとりごと

今年は2月になってから寒くなった。先週11日から14日まで山岳総合センターの一般対象の冬山講習会の講師をしてきた。前半の天気はもう一つだったが、それだけに最終日、新たな雪をまとった黒沢尾根から望む青空をバックにした後立山連峰の雄姿は圧巻だった。息を飲むようなとは、このことだろう。今回の講習で私が担当したのは、冬山のテント生活や雪洞生活ははじめてという方々6名。29才から55才まで男性4人、女性2人という構成であった。もちろん全員が初対面である。山中で様々な講習をし、雪洞を掘って生活し、同じコッヘルで炊いた飯を6回も食べると、最初はぎこちなかった人間関係だが、帰ってくる頃には不思議な連帯感が生まれてくる。(大西 記)