不定期刊行            344号  2010.03.15中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

「北信越高校スキー登山研修」報告その1

前号でお知らせした「北信越高校スキー登山研修」が3月6日から7日にかけて行われた。あいにくの天候であったが、集合時刻の朝6時30分に富山県朝日町に集ったのは、石川県から鴻埜、北川、根石、富山県から八幡、新潟県から新保、松本、岡山県から田中、そして長野から松田、大西英、横内(事情により宿泊のみ)、大西の11名であった。初日は上路部落から白鳥山に登り、山頂から「見えない」日本海に向かっての滑降、夜は越中の民宿で海の幸をつつきながら各地の銘酒を持ち寄っての大懇親会、2日目は天候回復も見込めないことからやむを得ず中止という内容だった。読図力を試されながら、べたべたの雪の中で開催された「ぬれ鼠研修隊」の報告をお読みください。

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今回はあいにくの天気でしたが、皆さんとスキー登山をすることで楽しく過ごすことができました。また、宿舎でもいろいろな話ができ、有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございます。こういう形態の山行の危うさが反省点として残りますが、今後の課題としつつ、この研修が続くことを願います。(石川 鴻埜伸一)

昨年が最高の天気で粉雪を堪能したので、今年はひとつ日本海に向かって大滑降と目論んでいたのですが、そぼ降る雨の中を濡れそぼって登り時折現れる手強い藪と闘い、まるでジェラートのような重い雪をかき分けて滑るという、まれに見る悪コンディションの登山になってしまいました。わざわざ遠くから、楽しみに来ていただいたみなさんには、とっても申し訳なかったと思います。

視界が悪くて微地形の入り組んだ今回のような場所では、GPSのカスタムマップという地理院の1:25000の地形図を利用できる機能が、とても有効だったこと。ただそれも、普段から地形図を読み込んでいるからこそ活用できたということが印象的でした。

今回は私が企画担当ということでCLをしたのですが、参加者みんなが普段からリーダーをしている人たちなので、なんとなく全体の雰囲気にお任せというような感じでいてしまい、本当にこの先進むのかという判断など無いままずるずると行ってしまいました。山行に対してその都度、自分はどのような立場で臨むのかという確認が必要だなということを強く感じました。

いくつか書きましたが、宿で海の幸をつつきながら山の話でおおいに盛り上がったのがなにより楽しかったです。雨の白鳥山に懲りずに、来年もこの会を続けていきたいと思いました。(石川県 根石修)

みなさん、お疲れ様でした。昨年は、研修会直前に靱帯損傷+骨折に見舞われ留守部隊にまわり寂しいシーズンを送りました。今年は、そのリベンジとしての研修会への参加。50の手習いで始めた山スキーに不安を抱えての参加でした。雨降りの悪コンディションの中でしたが、みなさんの山スキーへの情熱に引っ張られて登頂することができ、楽しい山行になりました。登山中も夜の会も、いろんな話題で盛り上がりみなさんのパワーに圧倒されました。この研修会が今後も続けばと願う次第です。またこれからも、参加者が増え、より楽しい会になることを期待しています。参加者のみなさん、ありがとうございました。(石川県 北川甚一)

秋の北信越地区の集まりでこの計画を知り、ぜひとも参加したいと思い、気持ちを高めて参りましたが、まず道具をそろえなくてはなりません。幸い****でコツコツ貯めたへそくりと++++の積み立てを取りやめれば、なんとか一式そろえることができそうです。しかし内緒で道具を購入するにはどうすれば良いか日々悩んでいたある日、学校帰りに寄った山道具屋で、何やらブラックダイアモンドのブーツを試し履きしている見慣れない、いや見慣れた人物がいるではありませんか。推薦入試の当日にわざわざ石川県から富山まで遠征され,豪快に買い物をされているその方のあまりにも男らしい買いっぷりに山男の潔い生き様を見た気がしました。嫁に内緒でどう算段しようか悩んでいた自分の小ささに別れを告げるべく、翌日熱に浮かされるように、松本の名店「ぶんりん」まで車を走らせたのでございます。

買ってからがヒヤヒヤものの日々でございました。なにせ生まれて初めてのテレマーク。とにかく練習をしなければならないのですが、スキーの練習に行くのも一苦労。嫁の目を盗み、子供をだまし、スキーを買ったためにリフト券も買えない状況で,仕事も午後から休暇を取り、近くのスキー場まで練習に行きました。平日のスキー場.緩斜面のリフトの下を一本滑っては登り、又滑っては登り、時たま「イチ、二、サン、ヨーン」とわけのわからない声を上げる始末。(当人はいたって真面目に教則本の通りにリズムよくやっているだけなのですが)ゲレンデではなんとか形に成ってきたかなと思った所でタイムアップ。とうとう研修会初日を迎えてしまいました。上路は「じょうろ」だけに雨。標高が上がれば雪にならないかなと期待していたのですが、山頂に近づくにつれ雨風が強くなってきました。今回の研修会の私のテーマは,「とにかく足を引っ張らない」と決めていたのですが、シールは外れるは、キックターンで手こずるは、大変ご迷惑をおかけしました。下りは、初心者丸出しの滑りで悔しいやら情けないやら。次回まで修行し直して参ります。

ただ、宿での食事のおいしかったこと。先生方のいかに山道具を買うかというお話。どれもこれもが参考になりました。来シーズンの私の華麗な滑りを期待していてください。北信越高校スキー登山研修会に参加された先生方、ありがとうございました。(富山県 八幡久康)

昨年の秋、戸隠で開催された北信越の会議その懇親会で皆さんと知り合いになれたことが一つのきっかけでした。そうでなければ、滑りもしないのにわざわざ富山まで行くことも無かったように思います。海の幸も美味しく、とても楽しい会でした。山スキー談義も面白く拝聴しました。会を企画してくださった根石先生はじめ皆さんに感謝申し上げます。またお会いできる日を楽しみにしております。(長野県 横内佳代)

編集子のひとりごと

県を超えての山岳部顧問の自主的な研修会。研修終了後も、メールでGPSデータのやり取りをしたり、感想を交換し合ったりしながらの「研修」が続いています。岡山から600kmの道をものともせずやってくる物好きや、夜の懇親会のみの参加という殊勝な人まで、今回参加された11人の先生方の熱い思いは、必ずや高校山岳部再生・復活に資するものと思われた。熱き報告は次号につづきます。(大西 記)