不定期刊行            345号  2010.03.15中信高校山岳部かわらばん     編集責任者 大西 浩

木曽高等学校定時制

「北信越高校スキー登山研修」報告その2

単独で大山・氷ノ山に行くこともありますが、雪の状況や単独行のリスクを考えると二の足を踏みます。大西浩さんから3月6〜7日、「北信越高校山スキー研修会」があるという情報を頂きました。詳細は大西英樹さんから送られてきました。早速申し込み。3月に入り”週間気圧配置図”を眺め,「6日:曇→曇時々雨、7日:曇時々雨→雨」のように厳しい予報となる。気圧配置図も天気の回復は望めそうにない。

雨の中での山スキーを覚悟し、防水対策を考えた準備をする。CLの根石さんから中止のメールがいつ届くか・・・。5日夕方、中止のメールが届かないので片道630キロの旅に5日18時30分出発。今回は石川から参加される方に500キロ先の「徳光PA」でピックアップしていただく。途中休憩をしながら徳光PAに6日1時到着、仮眠4時すぎ起床。5時前に根石さん・鴻埜さん・北川さんが迎えに。集合場所にはすでに新保さんの車があった。霧雨で周囲にはほとんど雪がない。この時点で「中止」という雰囲気はなかった。参加者が揃ったところで自動車を置く予定の場所に移動、少し山に入ると積雪量が増える。これなら予定どおりのコースで白鳥山に登れそうだという判断。遠隔地からの参加である私に配慮してか天候がよくないので止めよという雰囲気にならない。7日は6日より天候がよくないという予報もあり、6日は登ろうという気持ちの人は多いように思った。

登り始めてすぐ濡れ鼠となる。風がなく蒸してくる。中間着を脱ぐ。歩いている間はちょうどよいが、止まるとすぐ寒くなる。山頂に小屋があるのでそこまで行けば一息付けるという思いで、ひたすら山頂を目指す。風がなかったので無事山頂に付けた。展望がない中,GPSを頼りに滑るコースを決める。雪質はよくないが変化に富んだ斜面を楽しめた。チャンスがあれば展望のきく中で滑りたい山である。

7日は新潟・長野は雪の予報。昨年とおなじ「栂池」での山スキーを考えるも風が強く、ゴンドラが動かない可能性が強く「栂池」を断念。来年の開催を約束し帰路につく。徳光PAからの長いこと。7日17時帰宅。(岡山県 田中初四郎)

 今回のルートは新潟県ですが白鳥山は富山県との県境であることから、私がまだ富山県人の高校生だった頃、地元の山として残雪期によく登った山です。栂海新道一帯はまだ秘境の域であり人も少なくいろいろな意味で楽しみを独占できた時代です。スキーでこの山に来るなど当時は予想もつきませんでした。

 今回は企画いただいた根石先生をはじめ、多くの皆さんと行動を共にできて有意義でした。天候や雪の状態は悪かったのですが、その分学ぶべき点が多い良い研修会となったと思います。根石先生にしてみれば、日本海へ向かってのパウダー滑走がねらいだったと思いますが全体を通して十分に楽しめました。ありがとうございました。

 普段行動を共にしない人たちと一緒に滑る上で参考になるのは装備とルート取りです。私なりの滑走ルートは白鳥山から北西尾根を経由して最後は雪を何とか拾いながら車まで戻るというものを想定しており、雪の状態の悪さから部分的にスキーを外さねばならないかなとの考えもありましたので、装備もそれに対応できるものとしていました。今回のルートのように林道を迂回してコースを繋げる考えは全くなかったので大変参考になりました。林道を滑走しながら各谷の積雪量や雪の状態も改めて確認できたのもよかったと思います。

 もう一点は読図に関してですが、GPSの威力が発揮されスピーディーな行動ができ、ナビゲーションという言葉がしっかりマッチするGPS利用だったような気がします。見慣れた国土地理院の地形図がそのまま表示されるので、最低でも地形図の基本(等高線の意味するところ)を知っておけば、山域の十分な下調べがあり、電源等の機材トラブルが無いことを前提に、GPSのみでも行動可能であると言うことなのかもしれません。地形図そのものは山域全体(ルート全体)の掌握のために持参ということでしょうか。

 我々が下山後に新潟県のかぐらみつまたスキー場からオフピステへ出かけたスノーボーダーが行方不明になるニュースがありました。視界不良による道迷いが直接の原因ですが、装備や計画性にも不備が指摘されています。捜索に関しては登山届がないため不明者の人数すら確認できずかなり混乱したようです。幸いにも無事救助されましたが安易なバックカントリーでの行動に多くの関係者が警鐘を鳴らしています。アバランチトランシーバー・プローブ・スコップが三種の神器となっていますが、GPSも必携になりそうですね。

 以上のように山においてもスキーにおいてもGPS利用の有効性は十分に実証されていますが、その価値をさらに高めるためにも登山者(特に登山指導者)においてはコンパス・地形図(高度計)を利用した確かな読図力をしっかりと身に付けておきたいものですね。

 大変勉強になりました。機会があればまたご一緒させてください。(新潟県 新保雅稔)

仕事以外で他県の方々と、楽しく山に登れることなど滅多にありません。景色が見えないのが残念でしたが、雨の中でも楽しく山スキーができました。

初めて行く山で、どのような所か全くわからずに滑ったのですが、富山の八幡先生に

共同購入していただいた新型のGPSが役に立ちました。

その後の宿での、おいしい料理と楽しい宴会も良かったです。ビール飲み過ぎたおかげで、せっかく持ってきていただいたおいしいお酒を味わう前につぶれてしまったことが心残りでした。

幹事をやっていただいた根石さん、ありがとうございました。(長野県 大西 英樹)

私は、昨シーズンから真面目にテレマークスキーによる山スキーを始めました。それまで、登攀中心の冬を過ごしていたので、昨シーズンより出掛ける山域が全く変わりました。そんなこともあって、登山を始めた頃のような新鮮な感覚で山に行っています。また、わざわざ遠くに行かなくても地元に良い山がたくさん潜んでいること知り、ニンマリしているところです。とはいえ、いつも快適な妙高方面にばかり目が行っていました。今回は、県外者による地元山域の企画に、無知な地元住民が参加するという恥ずかしい構図になりました。今後は、地元の山域研究を怠らず、皆さんに「これぞ」と言うラインをお教えできればと思っています。

懇親会に参加できず残念でした。生徒に対する他県の取り組み等、皆さんからご教示頂きたかったと思っています。(新潟海洋高等学校 松本将史)